結い2101受益者総会レポートの9回目です。若手経営者のパネルディスカッションに登壇するパネラーの方々の自己紹介4人目はユーグレナの出雲充さんです。
出雲さんも子どもの頃は将来は国連で働きたいと思っていてビジネスはやましいものだと思っていたと話すのを聞いて私も中学生の頃はそう考えていたので勝手に親近感を覚えました。その想いを諦めずに追い続けた結果が今のユーグレナに繋がっていますし、ミドリムシの今後にもますます期待を持ちました。
ボランティアへのこだわりからソーシャルビジネスへの気づき
株式会社ユーグレナ 出雲充さん(代表取締役社長)
鎌倉投信さんが私が呼んで下さいましたが、私が話せるのはミドリムシのことだけです。いい会社の経営者は時間管理が素晴らしい。皆さん時間ぴったりでした。という事は、私がその分ミドリムシについてたっぷり話せるという事です(笑)
なぜミドリムシで、世の中がどうよくなるのか?
なぜミドリムシを選んだのか?
先ほどマザーハウスの山口さんが話されましたが、ミドリムシもバングラデシュが出発点です。
私は小さい時から国連に就職したいと思っていました。貧しい人たちはお腹が空いて困っているだろう。だからご飯を持って行くというボランティアをしたかったのです。高校生までボランティアに拘っていました。
大儲けするというのはやましいこと、悪いこと、汚いことであり、ビジネスはあまり素敵なことではないと思っていました。本当に貢献するには無償ですることだと思い込んでいのです。
大学1年の夏休みに途上国の中でも最も厳しい所という事でバングラデシュへ行きました。今は随分変りましたが18年前は驚いたことだらけでした。そこでは2つ学びがありました。
私はグラミンバンクでアルバイトをしていました。2006年にユヌスさんがノーベル平和賞を受賞した貧困層にお金を貸す銀行です。
そこでは年収3万円の人に3万円貸していました。お金を借りる契約書を読めない、自分の名前を書くことができない人にです。
でも、その人達は大体が借りた3万円で山羊を買います。それを育てて市場で売ると1日の売り上げが500円になるんです。一年後には全員が3万円を返済しました。
そうすると次は10万円貸してくれるようになるんです。そうやって借りた10万円で今度は皆さんベッドを買うんです。屋根のある家でベッドで寝ることで気持ちよく睡眠できて、疲れが取れるようになって、しっかり働けるようになります。
そのように100万人以上が経営者に変りました。これを見て私は感動しました。
ビジネスは決して悪い事ではない、やるならこういうビジネスをしようと思ったのです。
バングラデシュでも日本でも必要とされるミドリムシ
しかし、グラミンでも解決できない問題がありました。食料の問題です。
バングラデシュでは日本の3倍のお米のカレーを毎日食べていました。行く前に想像していたようなお腹が空いている人はいないんです。でも、カレー以外の食べ物がないんです。野菜も果物もありません。飢え死にではなく栄養失調で困っていたのです。
私は栄養満点のものを持っていけばいいんだと思いました。それからは栄養があると聞いたらどんな変なものでも食べに出掛けました。大学3年生のときに栄養満点だったらミドリムシでしょと教えてもらいました。
今、会場にいて笑った人達、芋虫、青虫、毛虫の類のものだと思ってるでしょう。
ミドリムシは植物です。ワカメのような海藻でコップ1杯に2億匹います。ですので植物性の栄養があります。でも、ミドリムシのすごいところは植物だけど動ける、泳げるんです。つまり動物性の栄養も持っています。59種類の栄養素を全て持っているミドリムシで栄養失調の問題は解決できると思いました。
これをバングラの子ども達に食べてもらいたいと思います。また、食べるだけでなく、ミドリムシから油が絞れるという事でバイオ燃料としても期待していただいています。
2020年にはミドリムシを絞ったジェット燃料で緑色の飛行機が飛んでいます。そして空港にはミドリムシのバイオ燃料で走る緑色のバスが走ってますから。ホテルのご飯にはミドリムシジュース、エステではミドリムシをぺろんと塗ります。ミドリムシの成分が入り込んでくるんです。
ミドリムシはバングラデシュでも日本でも必要とされるものだったのです。
「結い2101」第7回受益者総会
〜これからの社会に必要な若手経営者たち〜
日時:2016年9月10日(土) 12:00〜17:00
場所:横浜港大さん橋ホール
主催:鎌倉投信
- 開演挨拶
- 決算報告
- 基調講演 前編 中編 後編
- 投資先経営者自己紹介”カヤック”
- 投資先経営者自己紹介”サイボウズ”
- 投資先経営者自己紹介”マザーハウス”
- 投資先経営者自己紹介”ユーグレナ”
- パネルディスカッション 前編 中編 後編