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"いい投資"探検日誌 from 新所沢

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています

鎌倉投信:結い2101受益者総会(2016)詳細レポート Vol.5 基調講演 後編 人を大切にする経営

受益者総会詳細レポートの5回目は法政大学大学院 坂本光司先生の基調講演の後編は北海道にある障害者雇用を積極的にしている会社の紹介と人を大切にする経営11か条についてのお話です。 

基調講演 「人を大切にする会社経営のあり方」

坂本光司さん(法政大学大学院教授)

北海道光生舎

北海道に従業員1500人の50年前に夫婦で始めた会社があります。人を大切にする本当にいい会社です。私はこの会社を本に載せることで感謝を形にしようと本に載せました

日本でいちばん大切にしたい会社5

日本でいちばん大切にしたい会社5

 

1500人いる従業員のうち500人は障碍者です。日本で最も障害者が雇用されている会社じゃないかと思います。この会社も絶対にNOと言いません。そのため沖縄からも鹿児島からも北海道まで就職しにやってきます。北海道光生舎という会社です。

作った方も障がい者なんです。髙江さんという方でその方は貧困の家族の中で生まれました。髙江さんが生まれて間もなく母親は亡くなってしまし、父親は崩落事故で家の中を這って歩くようになってしまいました。さらにご兄弟は戦死しています。髙江さんを育ててくれたのは家の中を這って歩く父親でした。

そんな髙江さんは9歳で片目を失う事故に巻き込まれました。たけとんぼの竹が飛んできたそうです。それまでは元気一杯でどちらかと言うといじめっ子だったのがいじめられっ子になって学校を転々としたそうです。

17歳で電気工事士の資格をとって就職したのは有名な会社の最終の下請け会社でした。真冬にある部落から電気がつかないからと呼ばれて二人で現場に向かったそうです。二人ペアの仕事で一人が電気を切って一人が電信柱に登って電線を繋げる仕事です。

その日は髙江さんが電線をつなぐ日でした。お気の毒に電流が流れていたそうです。3400Vの電圧です。髙江さんしばらく電線にぶらさがって雪の中に落ちました。生死を1週間さまよった末に彼は両腕を失いました。

その彼が27歳で結婚し、28歳で奥さんと一緒に会社をつくりました。父親の病状が悪化していよいよという時、彼を枕元に呼んだそうです。父親はお前も一緒に死んでくれと言ったそうです。もうお前の面倒は見ることができないから。

そんな事があって彼は努力しました。通常の人の1/3くらいしか生きられないと医者から言われて睡眠時間を削り、みんなと同じように時間を使おうとしたそうです。一日の睡眠時間を3時間にして勉強して会社をたちあげました。

誰も自分を雇ってはくれないからです。

人間は働かなければ幸せじゃありませんから。お礼を言い続ける人生では幸せじゃありません。お礼を言われる事で私たちは生きていて良かったと思うわけです。お礼を言い続ける人生を生きていてはだめです。お礼を言ってもらうような場をつくらないと。

髙江さんは机の角に針を逆さにしておいて眠くなったら自分で刺してたそうです。それでもだめな場合は氷水の入ったバケツを机の下に置いておいて顔をつっこんだそうです。そうして勉強して結果的に資格を身につけて会社をおこしました。

ご本人は亡くなってますが、奥さんはご存命です。結婚式の時、奥さんの方は片目が見えず両腕がない人と結婚するなんて勘当だといって誰一人来られなかったそうです。

その会社は北海道最大のクリーニング屋になりました。1500人の従業員のうち500人は重度の障害者です。就職できるまで川崎の保育園の時のお母さんと同じく辛かったと思います。 

お礼をいわれる場をつくらないといけません。

感想:
「お礼を言い続ける人生では幸せじゃありません。お礼を言われる事で私たちは生きていて良かったと思うわけです。」という言葉は特に心に残りました。障害を持つ方も社会に出て働く意義を端的に表した言葉だと思います。

人を大切にする経営11か条

人を大切にする経営11か条をまとめました。

  • 5人を大切にする会社
    5人とは社員とその家族、取引先とその家族、お客様、社会貢献(特に障がい者、高齢者)、出資者です。
  • 非価格経営
    泣いている人を生み出さない。みんながハッピーになるように。
  • バランス経営
  • 年輪経営
    伊那食品工業の塚越会長が言っていますが急成長、急拡大は不自然です。
  • 新市場創造経営
  • 無借金経営
  • 全員参加経営・超ガラス張り経営
  • 社会貢献経営
  • 情報武装経営
  • 質志向経営
  • 人財育成経営

感想:
資本主義だからと言って利益の拡大だけが会社の目的ではありません。会社が儲かっていても働いている人が不幸せでは何のための会社かわかりませんし、取引先などその会社に関わる人達が泣いている状況も歪んだ姿だと思います。行き過ぎた資本主義の揺り戻し、新しい資本主義の姿として人を大切にする会社が広まって欲しいと思いますし、自分自身もそうした会社を作っていかなければと思いました。

 

投資先の若手経営者自己紹介へつづきます 

「結い2101」第7回受益者総会
〜これからの社会に必要な若手経営者たち〜

日時:2016年9月10日(土) 12:00〜17:00
場所:横浜港大さん橋ホール
主催:鎌倉投信

  1. 開演挨拶
  2. 決算報告
  3. 基調講演 前編 中編 後編
  4. 投資先経営者自己紹介”カヤック”
  5. 投資先経営者自己紹介”サイボウズ”
  6. 投資先経営者自己紹介”マザーハウス”
  7. 投資先経営者自己紹介”ユーグレナ”
  8. パネルディスカッション 前編 中編 後編