UBSアセットマネジメントにESGスコアの改善に注目したESGファンドがあります。
一般的なESGスコアが高い企業に投資するのではなく、課題はあるものの改善が見込まれる企業に投資するというのがミソです。
■ ESGスコアの改善に注目
UBSアセットマネジメントの資料によると高ESGスコアな企業群と比較してESGスコアが改善した企業群の方が超過リターンは高く、リスクは低い結果になったそうです。
※UBSアセットマネジメントのファンド説明ページより抜粋
また、このファンドはUBS独自のESGスコアで企業を評価し、改善可能性に関してはデータサイエンス手法を活用して有望銘柄群の絞り込みを行っています。
最終的にはアナリストが精査をして投資しますが、エンゲージメントを通じて企業側に解決の後押しも行います。
■ 投資先企業の実例
ホームページでは2016年に不正営業の横行が発覚したウェルス・ファーゴ銀行の事例が紹介されています。
2020年にはESGスコアが2.8と低かったものの経営陣の刷新などもあって22年8月には4.8まで改善しました。
他にもプラダやNECの事例もありました。
■ まとめ
ESGスコアの改善に着目し、バリュー投資を組み合わせたファンドになりますが、組み入れは63社とそれなりに厳選されたポートフォリオになっています。
月次レポートではアマゾンやダナハー、アルコンなどの上位10社の現状と課題について書かれていて、こういう課題があるのかという目線で読み応えがあります。バリューアップ系の場合は課題を書くことになるため企業名を伏せるレポートもありますが、こちらはしっかり企業名ありきで書かれているのは好感が持てます。
潜在的な企業価値と市場の評価の乖離を対話をもって改善していくスパークス・日本株式スチュワードシップ・ファンドとは違ったアプローチで企業に働きかけをしていくファンドですね。