4月18日から国内大手信託銀行が金銭信託などの商品にマイナス金利を適用し始めました。運用会社は投資信託のキャッシュ部分として信託銀行の金銭信託やコール市場を利用しており、今回の対応で投資信託が投資する金銭信託部分がマイナス金利の影響を受ける(=投資家のコスト負担が増える)ことになります。
結い2101への影響は?
通常、公募の投資信託におけるキャッシュ比率は2〜5%程度ですが、鎌倉投信の運用する結い2101はリスクを10%以内に収めるため一般の投資信託よりも多い42.5%のキャッシュを保有しています。
結い2101は今回のマイナス金利にどのように対応しているのでしょうか?
先日鎌倉投信本社で開催された運用報告会でマイナス金利への対応について説明がありました。
結い2101のキャッシュ部分の運用について
結い2101ではキャッシュ部分をコール市場と呼ばれる短期金融市場で運用していましたが、日銀がマイナス金利を発表後コール市場の金利がマイナス(-0.001%〜-0.01%)になりました。
コール市場の金利がマイナスになったことを受けてコール市場での運用から無利息の金銭信託に預け替えをしましたが、4月18日から金銭信託にもマイナスの金利が付くことになりました。
今後は金銭信託(-0.1%)とコール市場(-0.01%)の金利水準を比較し、投資家にとってコスト負担の少ない方でキャッシュを運用していくことになります。
マイナス金利による影響度合い
金銭信託を利用した場合、約40%のキャッシュポジションに-0.1%の金利がかかるので単純計算で1年あたり0.04%、コール市場を利用した場合は直近の金利が-0.01%ですので0.004%のリターン悪化が見込まれます。
もともと結い2101では多くのキャッシュを持つ設計になっていますが、待機資金の有効活用を兼ねて未上場企業へ社債投資を行っています。
現在のマイナス金利水準であれば社債から受け取る金利でマイナス金利によるコスト負担増分は相殺できる水準ですが、今後マイナス金利幅が大きくなっていった場合にどうするかについては鎌倉投信社内で検討中だそうです。
キャッシュ比率の大きなファンドですので心配している方もいるかと思いますが、もちろんマイナス金利による影響は受ける(=投資家への負担増)ものの、それほど心配はいらないと思います。
気になる方は各地で開催される運用報告会へ足を運んだり、鎌倉投信へ問い合わせてみてくださいね。