3月4日にセキュリテ被災地応援ファンド報告会が開催されました。当日は被災された企業が3つのグループに分かれて現状とこれからの課題について話されました。
日時:2014年3月4日19:00〜21:30
場所:東京21cクラブ(新丸の内ビル10F)
主催:ミュージックセキュリティーズ
参加事業者:
斉吉商店、石渡商店、アンカーコーヒー、八木澤商店、丸光製麺
世嬉の一酒造、酔仙酒造、石巻津田水産、マルトヨ食品、ヤマジュウ
グループ1(世嬉の一酒造、酔仙酒造、丸光製麺)のレポートはこちら
グループ3(オノデラコーポレーション、斉吉商店、石渡商店、八木澤商店)のレポートはこちら
グループ2:ヤマジュウ、石巻津田水産、マルトヨ食品
猪尾(ミュージックセキュリティーズ):
グループ2の隠れテーマは「魚」です。それでは現状の課題とそれに向けた取り組みについてお願いします。
工藤(ヤマジュウ):
北海道から来ましたヤマジュウの工藤です。私どもの課題はご存じかと思いますがまだまだファンドの募集金額に達していません。昨年、ようやく北海道でも津波の被害を認められて補助金をいただき設備の復旧ができましたが、ただこれまでは復旧が遅れてしまいボディブローのようにどんどん真綿で絞められた約3年でした。そういった意味もあって募集金額をなんとか満額集めさせていただきたいと思っています。
設備的には復旧できましたが経営も苦しく、人も切ってきましたので人的な環境も整えることができませんでしたが、ようやく昨年の年末商戦に入ってから足場を固めることができました。これからの復興にむけて売り上げをあげていきたいと思っています。津波をかぶるまえまでの商売のままだとまずかったので今後は販路を変えて直接販売をもう一つの柱にしていきたいと思います。
これから先、被災企業から立ち上がるためにすることです。
ヤマジュウ 工藤社長:セキュリテ被災地応援ファンド報告会2014 - YouTube
猪尾:
簡単に今、メインの商品がどういったところで売られているのか教えて下さい。
工藤:
私どもは札幌から特急で6時間以上かかる浜中町霧多布というとんでもない田舎にいるのですが、販売の中心は札幌の駅前にある大丸百貨店に直営店があります。他にも大丸松坂屋のギフトにも選ばれました。
私どもは明治の終わりから4代にわたって沖合のさけますをとる漁業から転じて加工品を取り扱っています。春にとれる時不知を商売の中心としてさけますさんま地元の魚介類を中心に加工品を作っています。
猪尾:
一番売れている商品はなんですか?
工藤:
鮭の切り身は津波をかぶった後も味だけは落とさないように作っていたので相変わらず人気ですが、津波の翌年北のハイグレード商品に選ばれた時不知の焼きほぐしの売れ行きが伸びています。
猪尾:
ありがとうございます。続きましておさかな王子。
津田(石巻津田水産):
石巻津田水産の津田です。弊社の紹介と今抱えている問題を話したいと思います。40年前に父と母が石巻と仙台で鮮魚店を始めましたが、今は小売りが20%で飲食店向けの卸を中心にやっています。その理由としては悲しい現実なのですが、個人向けの小売りは風評で全然売れないため。飲食店においては風評というよりいい商品が欲しいという声が多いので飲食店向けの卸でなんとかやっています。
課題はあげたらキリがありませんが、皆さん共通だと思いますが人材がなかなか集まらないことです。復興工事関連の賃金がいいため地元の若い人はみんなそっちに行ってしまってなかなか人は集まりませんが、無いものを言っても仕方がないのでそれでもどうやるかを考えています。
魚屋であることを捨てたくはないのですが、ホンダが一時的にF-1を撤退したように縮小という形を取ろうとしています。今は卸に全力投球したいと思っていますが、これまで卸をやっていなかったのにうまくいっているのはこれまでの小売のノウハウが生かせているというのもかなりあると思います。
自分たちはBtoBtoCだと思っていて、一番先にいるお客様が大事だと思っていて、BtoBだとどうしても高いとか安いの話になってしまいます。お客様に話かけることでお客様からの逆指名で卸の仕事がでいているようなところも増えてきていますので完全に小売から撤退するのではなく今まで培った小売のノウハウを最大限にいかして卸を広げていきたいなと思っています。
猪尾:
では、マルトヨ食品の清水社長、よろしくお願いします。
清水(マルトヨ食品):
マルトヨ食品の清水です。弊社の天皇杯をいただいた弊社のさんまくんを昨年作ることが出来るようになりましたが、販路の問題もかなり大きくあって昔から六十数年作ってきた一夜干しなどの商品は値段が厳しいのが課題です。
新しい商品を作って首都圏や関西などにニーズがあるのか展示会に出品するなどして反応を見ています。そういう事が必要だと思って自分から行くようにしています。資材や設備がそろってもや人はなかなか来ないし育たないのはうちも一緒で気仙沼は人口が震災前の7万人から5万人を切るようになったとも言われています。市場が小さくなった中で自分たちはどうするのか?新しい販路や商品をつくるための情報を集めているとことです。
従業員も震災前の半分になってしまった中で建設業界のような賃金を出すようなことはできませんので、その中でやっていくためにはマルトヨ食品を多くの人に知ってもらう必要があります。
猪尾:
直販を強化したいというところもあれば小売から卸へ転換しているところもありますが、出資者の皆さんと一緒にやりたいことは何かありますでしょうか?
工藤:
ちょうど幕張の食品ショーに来ていたのですが、今日はこれを話したくてここにやってきました。
楽天のショップで購入いただくと出資者の皆さんは特典がつくようになっています。是非こういうショップを出していることを拡散して欲しいと思います。皆さんが買うのではなくてもいいので、知り合いの方に話してもらえれば。
復興の足がかりにしていきたいと思います。
津田:
小売を縮小して皆さんとつながる機会も減ってしまいますが温かく見守っていて欲しいと思います。お店に来られたお客様から「出資しているけど、あんたのところからは特典が送られてこないよね」と言われるとへこみます・・・。
これから先どうなるのかわからなかったのですが、水産業や石巻の方向性が見えてきました。しっかり結果を出しますので一緒に楽しい夢を見て欲しいと思います。
清水:
うちでは区画整理という新しい問題も出てきました。
マルトヨ食品は共徳丸が打ち上げられた鹿折地区にあるのですが、5mのかさ上げが計画されています。そうなると今度はどこに行けばいいのか?最初の計画ではかさ上げはあまりしないはずだったが。今後とも見守っていて欲しいと思います。
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