"いい投資"探検日誌 from 新所沢

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セキュリテ被災地応援ファンド報告会 2014 #1 世嬉の一酒造、酔仙酒造、丸光製麺

3月4日にセキュリテ被災地応援ファンド報告会が開催されました。当日は被災された企業が3つのグループに分かれて現状とこれからの課題について話されました。

日時:2014年3月4日19:00〜21:30
場所:東京21cクラブ(新丸の内ビル10F)
主催:ミュージックセキュリティーズ
参加事業者:
 斉吉商店、石渡商店、アンカーコーヒー、八木澤商店、丸光製麺
 世嬉の一酒造、酔仙酒造、石巻津田水産、マルトヨ食品、ヤマジュウ

 グループ2(ヤマジュウ、石巻津田水産、マルトヨ食品)のレポートはこちら

 グループ3(オノデラコーポレーション、斉吉商店、石渡商店、八木澤商店)のレポートはこちら

グループ1:世嬉の一酒造、酔仙酒造、丸光製麺

猪尾(ミュージックセキュリティーズ):
それぞれ現在抱えている一番大変だと考えている課題とそれについての取り組みについて簡単にお話下さい

佐藤(世嬉の一酒造):
世嬉の一酒造の佐藤と申します。うちは造り酒屋ですが観光型の酒蔵でして、酒とビールと郷土料理レストランを運営しています。うちでは津波をかぶったわけではないのですが、地震の影響で文化財に指定されていた蔵が崩れてしまいました。そこでミュージックセキュリティーズさんのファンドを使って修復しているのですが、七つある蔵のうち一番ダメージの大きかった石蔵の修復工事がやっと始まったところで思ったよりも壊れていたことがわかりました。

文化財なものですので先生を呼んで修復に取りかかるのですが、その先生方も色々なところの文化財が壊れているのでなかなかスケジュールの都合がつかず、お酒の新しい向上を作ろうとしていたのが一年間くらい待たないといけないことになりました。次の世代にうちの蔵を伝えていくためには仕方がないなと腹を据えてこれから取り組んでいくところです。

もう一つは人材の部分です。若い子を育てるのに苦労しています。今年も4月に高校生が3人入ってきます。中途採用なども募集しているのですがなかなか人が集まらず新しく高校生に入ってもらうことにしました。そういう子達が素晴らしい人になってもらえるように自分も頑張らないといけないと思っています。

おかげさまで皆様からご支援いただいて色んなところで私たちの商品を販売していただいたり紹介していただいたり社員一同やる気になって頑張っている状態です。

金野(酔仙酒造):
酔仙酒造の製造部の金野と申します。普段は製造と広報を担当しています。震災直後は蔵が全壊しましたが、その後県内の同業他社様の蔵を借りて震災の年にお酒を出すことができました。ミュージックセキュリティーズさんのご紹介をいただいたことで皆さんのファンドも活用させていただき、国のグループ補助金も使って一昨年の夏に隣町の大船渡というところに新しく蔵を作りました。

弊社はすごく新工場を建てる着手が早かったと言われております。復興にはやはりスピードが重要だと言われていますのでそこは当社も意識したのですが、逆にあまりにも早くしたため蔵の設計を手抜きしたわけではないのですが酒造りにおいて課題が出てきている状況です。

もう一つこれから復興が進むにつれて復興需要は少なくなっていきます。私たちの住んでいる地域の人がどんどん減っていきます。そのような状態になったときに我々が自分たちの力だけで立っていけるのかまさに分かれ目にいると思います。蔵を巧く使って美味しいお酒を作っていくこと、それから被災地の復興が終わった時に自分たちがしっかり立っていられることが課題でみんなで頑張っているところです。

猪尾:
今話された中で一番大切だと思われることはなんですか?

金野(酔仙酒造):
いずれ来るというのはみんなわかっているんですけれども現実感がないと頑張れないと思うんです。岩崎弥太郎の言葉で樽の中のお酒を保って行くには栓が抜けたときにはどばっと出るのでそれを見た人は一生懸命対処するんですが、樽の底の方からぽたぽた滲んでいるお酒というのはあまり気にしない。ただ、いずれ滲んでいるお酒で樽の中は空になってしまうのでそっちの方が実は恐ろしいことでわかっているんだけれども現実的出ない方が怖いというか、我々はそこをはっきり見て復興に取り組むことが大事な事だと思っています。

熊谷(丸光製麺):
気仙沼から参りました丸光製麺の熊谷と申します。うちは津波で全部流されまして、この被災地応援ファンドで皆様から出資していただき震災から1年半後にオープンしました。うちは気仙沼といっても沿岸部をずっと配達エリアにしていましたので、すべてが東日本大震災で被害を受けたエリアでした。

気仙沼で再開することが難しかったので一関市水沢町というところで工場をオープンしました。今まで廻っていた配達エリアというのは資料が全て流されてしまったので正確ではないのですが250軒以上の取引先が無くなりました。

気仙沼でも大きなスーパーさんはすぐに再建されてうちの工場が再開してからはすぐに取引を再開してくれたのですが配達ができなくなったエリアの売り上げというのはもちろん無くなったわけで、震災後も商品がなくても商談会に出かけてつなぎとめや工場がオープンしてからも新しく販路開拓をしていますが震災前の4割程度の売り上げしか戻っていません。

今うちが一番必要としているのは販路開拓で売り先をもっと増やしていくこととお金が足りていません。また、地元雇用ということでハローワークでも1年以上求人をかけていますが就職に至った人はいません。今現在は人材確保と売り上げをあげるべく毎日必死に走り回っています。

猪尾:
世嬉の一酒造さんと丸光製麺さんがアンケートにリボーン、生まれ変わりだと同じような言葉を書かれていました。以前とどう変わるのかをお話下さい。

佐藤(世嬉の一酒造):
震災後に世代が変わりまして2012年に社長を引き継いだまだ新米の社長です。以前は観光業と酒屋とビールがそれぞれ別で動いていたところがありました。また、スタッフを含め団体観光客がやってくるのを待っていたところがありましたのでこれからは自発的な会社になろうとしています。

東北は以前そんなに存在感がありませんでしたが震災をきっかけに知ってもらうことができました。そこで、商品やイベント、仕事の内容もどんどん新しくしています。

新しくリキュール工房を作って酒蔵も新しい工房を作ろうとしたら蔵が思っていたより壊れていたので修復が1年伸びることになってしまいました。高校の新卒を採用しようとしていますが、今年の4月に入社する子達も今はアルバイトで働いています。

そのほかにやっているのが町おこし。8月の第3週はビールフェスティバルという日本で一番面白い野外のビールフェスティバルを市役所の方と企画しています。また、10月には餅の街一ノ関をアピールするもちサミットというのもやっています。そういう自分たちで企画して発信していくということに変えていこうとしています。

熊谷(丸光製麺):
丸光食品から製麺に社名を変えましたが基本的な部分で製麺業を変えるつもりはありません。これからも製麺業で頑張っていきます。

また、これまで震災前と今をなんとなく比較しがちでしたが元旦に比較するのはやめようと決めました。自分なりにしっかりしようと。

猪尾:
当社のファンドは継続した関係が特徴ですがこれまでに出資者との関係で良かったことはなんでしょうか?

熊谷(丸光製麺):
うちには2,050人の出資者がいて励みなりました。ファンミーティングを開いたり、一日社員でお手伝いをいただいたり、社員だと思っておつきあいしています。中には家を売ってまでうちに就職してくれた人までいます。出資者の人達がいなかったらまだ工場をオープンすることはできなかっただろうと思います。

このお付き合いはこれからも健全な経営をすることで恩返しをしたいと思います。

金野(酔仙酒造):
お酒を作る以上は美味しくないといけません。様々な方がいらっしゃいますので美味しいと言っていただくのはもちろん嬉しいのですが、欠点を是非言って欲しいと思います。ラベルのデザインでも酒質でも構いません。

セキュリテさんでは2回蔵見学をして、試飲も事業報告もしています。また、注文をいただく際に出資しているよと言っていただく事もあります。今、準備しているのはメーリングリスト。これからの酔仙酒造の告知をしますので是非皆さん登録して下さい。

佐藤(世嬉の一酒造):
良かったことは大変な時に10年後を見据えて経営ができたことです。スタッフも出資しているよと一言言っていただくと喜んでいます。また、ファンドを通じて同じような経営者の方と知り合うことが出来、ミュージックセキュリティーズさんからはnendoさんを紹介いただきました。皆さんと何かコラボレーションしたいと思っています。

うざいと思われるくらいブログを更新し、皆さんに知っていただきたいと思います。