rennyさんが「議決権行使は投資信託の投資家がもっと、もっと、もっと注目すべきポイントのひとつだ!」というエントリーをアップしています。
個人的にも機関投資家のとれる株主価値向上のための活動として議決権行使には力を入れて欲しいと思うのですが、あまり声高にそこをうたっているファンドってありませんよね。
そんな中でプチ・アクティビストファンドとも言えそうなのがアムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンドです。このファンドの投資方針です。
- 実質的な資産価値からみた割安な銘柄のうち、株主価値の増大を図る余力がある銘柄に投資します。
- ファンダメンタルリサーチを通じて企業の強みとリスクを調査します。
- M&A(企業の合併・買収)の可能性を考慮します。
- 議決権行使や企業との対話を通じ、投資先企業の企業価値向上に努めます。
- 特定の株価指数(日経平均株価、東証株価指数等)にとらわれない運用を行います。
投資方針にも議決権行使を通じて投資先企業の企業価値向上に努めると書かれています。では、どんな感じに議決権行使をしているのか?運用報告書を見てみましょう。
なんと2013年3月期決算企業に対しての議決権行使は賛成比率47%に対して反対比率が53%です。2012年度は賛成43%とさらに低かったことがわかります。
取締役選任では賛成9に対して反対53とかなりな反対比率です。主な反対理由も開示されていますが配当水準が低い場合は取締役の再任に反対したりもしているようです。また、M&Aの可能性を考慮しているだけあって買収防衛策には全て反対しています。
こんなに反対するんだったら投資しなければいいんじゃ・・・という気もしますが、株式価値向上を求める議決権行使を行っている姿がうかがえます。
純資産は3.4億円程度しかありませんが、強烈な個性を持ったファンドです。(2012年6月の話ですが、同じ運用思想の機関投資家向けファンドなどもあって総額240億円規模だそうです)
【関連記事】
アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド: "いい投資"探検日誌 アーカイブ