いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

運用者直接対決!勝つのはひふみか さわかみか!? 参加レポート(1)

5月28日(日)14時からさわかみ投信の2F会議室でひふみ投信vsさわかみファンドなセミナーが開催されました。

さわかみ投信の勉強会でさわかみファンドとひふみ投信はどう違うのですか?とよく質問されるというのがきっかけで開催されたこのセミナー、ひふみ投信とさわかみファンドのファンドマネージャーがそれぞれのファンドについて語りました。

メモを元にセミナーの様子をレポートします。

テーマソングが流れて両選手が入場。これから殴り合いが始まります。

ひふみ投信について

先攻はひふみ投信を運用するレオス・キャピタルワークスの藤野社長。ちらっと見えるひふみろも素敵です。

  • レオスを創業して14年。運用経験は27年。創業メンバーが3名とも未だに在籍するのはベンチャーでは珍しい。
  • 経営理念は「資本市場を通じて社会に貢献します」
    レオスはギリシア語で流れ。資本を流して働かせる。
  • レオスとしての運用残高は3200億円。ひふみマザーファンドは足下で2200億円。
  • 例えば東芝の半導体部門は1.5兆円だが日本で買おうという人達は出てこない。残念なこと。日本を支える創造的な資産運用をしている人があまりいない。これから面白いことを皆さんに示すことが出来るのではないか。
  • 日本の成長企業に投資をします。伸びている会社はたくさんあるのになぜ目立たないかというと大企業には停滞している会社が多いから。頑張っている会社に投資して会社も成長してお客様も資産を増やす。
  • 企業を見るときの着眼点は会社は生ものだということ。総合体で不完全なもの。欠点と長所を抱えたヒトが集まって出来ているから。投資はヒトの可能性への投資。
  • 日本人で一生懸命働いていると答えた人はわずか6%。132ヶ国中130位で勤勉と言われていたが統計上はそのようなデータはない。また、会社が好きな人も40%しかいない。60%が会社が嫌いな中ではよく頑張っていると思う。日本の課題は少子高齢化ではなく、働くことそのものを大切に思わないこと。投資したい会社は社員が自分達の会社が大好きな会社。
  • 社長とインタビューをしていてこの人はラーメン屋さんを経営しても繁盛店に出来るかどうか考える。ラーメン屋の店主は総合力を問われる職業。
  • アートとサイエンスの融合。サイエンスの部分は今後相当力を入れていく。
  • わたしたちの想い
    「長期投資・積立投資を応援します。運用会社、運用者の顔が見える投信を目指します」

さわかみファンドについて

後攻はさわかみファンドを運用する草刈CIO。元俳優のイケメンファンドマネージャーです。

  • さわかみ投信は1996年設立。ファンドは1999年8月に運用を開始してこれまで複利で4.7%のリターン。
  • 経営理念は「本格的な長期運用で世の中を面白くしていこう」「一般生活者の財産づくりをお手伝いさせていただくさわかみファンドを運用実績と顧客からの信頼で世界一にしていこう」「お金は天下の回りものである。長期投資で得たリターンは、広く世界にお返ししていこう」さわかみ投信は信託財産から収入を得ていますが、残った利益はさわかみ財団へ。さわかみ財団が寄付をしている。
  • 創業者の澤上篤人を凄いと思ったのは入社2年目でパリのコムジェストに出張する時、当然ビジネスかファーストクラスだと思ったのでいつまで隣にいるんだろうと緊張していたら、エコノミーの自分の隣の席だった。ビジネスやファーストクラスに乗ったらお前らを連れて行けないだろうと。経験を積ませたいという想いに感激した。
  • 一般の家計を応援したい。実質的な可処分所得はこの14年で6%減っている。長期投資で経済的自立を果たしていい世の中づくりをしていきたい。経済的自立をして目の前の消費をすることで世間が潤う。
  • 投資哲学は生活に必要だと思う製品やサービスを提供する企業に投資。株価は企業価値に収斂するので割安なときに投資しておく。企業とはパートナーシップのような関係。
  • 長期投資の有効性。株価は期間が長ければ長井ほど企業収益で説明出来るようになる。リターンは将来からしか入ってこないので将来を見据える長期目線が必要。長期でプラスサムゲームをしたい。割安な企業へのバリュー投資を割安が解消されるまで続ける。
  • 株主利益を最大化すると従業員や取引先への支払を減らそうという事になりかねない。ここの取り分が減ると消費が減って結果的に企業の売上減につながる。あくまでも全体のバランスの中で株主利益を追求する。
  • 企業の応援投資家から議決権比率の高いパートナー株主へ転換した
  • リーマンショックの時に早く投資しすぎた反省から暴落時に購入するための現金をある程度持つようにしている。現時点では現金比率12%。
  • 日本の企業だけで大丈夫と聞かれるが、日本経済に投資しているのではなく日本の企業に投資しているので成長していく企業はある。今後は海外の企業にも投資していくたいと考えていて調査、比較検討している。

レフェリーの講評

2人が話した後、レフェリーのセゾン投信中野社長がお二人の話についてコメントしました。

  • ひふみ投信とさわかみファンド、それぞれ独立系直販投信という共通項も持っている。

  • 藤野さんはいつも一緒にいるのでいつも通り老練な興味をいろんなところから引き出す話。

  • 草刈さんはストレートを一生懸命投げ込んできた。投資の現場でやっていること、ファンドマネージャーがいつも語りたいことのど真ん中を話していて清々しかった。

(感想)

さわかみファンドは2008年に全売却してからもちょいちょい見守っていたのですが、ポートフォリオが変わった背景がわかったのは良かったです。

多くの会社に応援株主として少しずつ保有するというスタイルから少数の会社にパートナーとして議決権比率を高く保有するというのは創業者の考えを変えたという事でもあり、さわかみ投信としては画期的な事だったと思います。ちょっとずつ変化、進化しているんだなと思いました。

ひふみ投信については新しいお話もありましたが、運用開始来なんども藤野さんのお話を聞いているので納得の内容です。

 

後半へつづきます。