NPO法人日本サステナブル投資フォーラムが行った第3回サステナブル投資残高アンケート調査の結果が発表されています。
第3回サステナブル投資残高アンケート調査|NPO法人サステナブル投資フォーラム
アンケート調査によると2017年3月末時点のサステナブル投資残高は136兆5,959億4,100万円でした。これは昨年実施した第2回アンケート調査(2016年3月末時点)の56.3兆円から2.42倍になったことを示しています。
回答のあった機関投資家数は34と変わらず、純粋に運用残高の増加傾向が見て取れます。
ESG投資の中心は議決権行使・エンゲージメント
運用手法ごとのサステナブル投資残高を見ると議決権行使・エンゲージメントが最も多く、次に投資に際してESGを考慮に入れるESGインテグレーション、国際規範に基づくスクリーニングという順になっています。
表:第3回サステナブル投資残高アンケート調査より
ESG投資というとGPIFがESGインデックスに投資したこともあり、ESGに積極的に取り組んでいる会社に投資する(ポジティブ・スクリーニング)というイメージを持たれがちですが、実際にESG投資の中心となっているのは投資先への議決権行使やエンゲージメント(経営者との目的をもった対話)、投資にあたってESG要素を考慮に入れるESGインテグレーションです。
運用資産におけるESG投資比率は35%
回答のあった機関投資家の運用資産におけるESG投資比率は35.0%と昨年の16.8%からほぼ倍増しました。世界的にもESG投資の比率は3割に届きそうと言われていますので日本においても先進的な取り組みをしているところは世界水準に達しているようです。
持続可能な社会の実現に向けて
ESG投資を含むサステナブル投資は2015年に国連持続可能な開発サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)」の実現を株式会社のオーナーである株主という側面から後押しする取り組みです。豊かな社会を次世代に伝えるための取り組みであることを知って欲しいです。