前回のまろさん、
「積立投資が良質な投信を育てる」というご意見、私も賛成です。
ところで「積立投資」から何を連想されますか。
「積立王子」
ご自身のブログ や 連載コラム で自称されているくらいですから、セゾン投信の中野社長を想起される方も沢山いらっしゃることでしょう。
そのセゾン投信で「積立投資」の実態はどんな感じかご存知でしょうか。
2017年12月にセゾン投信のファンドが11回目の決算を迎えたのですが、その運用報告書にこんなグラフが載せられています。
65.8% という非常に高い値となっています。
過去の推移はこんな感じです。
積立投資利用率 | |
2007年12月 | 63.7% |
2008年12月 | 64.7% |
2009年12月 | 62.3% |
2010年12月 | 61.5% |
2011年12月 | 61.7% |
2012年12月 | 61.4% |
2013年12月 | 61.7% |
2014年12月 | 64.4% |
2015年12月 | 68.0% |
2016年12月 | 67.1% |
2017年12月 | 65.8% |
最高値は2015年12月の68.0%でした。
しかし、日本にはこれよりもずっと高い積立投資利用率のファンドがあるんです。
セゾン投信を10ポイント以上上回っています。
2017年10月時点で
76.4%
こちら の28頁をご覧ください。
そのファンドは
といいます。
積立投資利用率 | |
2009年9月 | 65.6% |
2010年9月 | 68.0% |
2011年9月 | 72.0% |
2012年9月 | 73.8% |
2013年9月 | 75.1% |
2014年9月 | 77.6% |
2015年9月 | 77.6% |
2016年9月 | 76.2% |
2017年9月 | 76.4% |
ユニオンファンドを設定、運用、販売する、ユニオン投信はその名前が示す通り、労働組合の皆さんがリードして起業された投信会社です。そういうことも影響しているんでしょうけれど、口座をお持ちの方の4分の3以上が「積立投資」を利用されているというのはとてもスゴいことだと思いませんか。月次レポートやコラムから丁寧に説明したいという意思を感じるのですが、そうした面もこの数字を支えているのだと思います。
年代別の月間の購入額を見てみると、年間40万円以内という方が多そうですね。
「つみたてNISA」にはピッタリ!だと思いませんか。
しかし、このファンドでは「つみたてNISA」の対象にはなっていません。
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/26.pdf
つまり、
ユニオンファンドを毎月コツコツと積立投資している投資家は
税制優遇を受けられないのです。
ユニオン投信の体力、つまり、つみたてNISAを扱うだけのシステム投資が叶わなかったのかもしれませんが、それ以前に、金融庁が課した「コスト」基準で足切りになっていたものと想像されます。
おそらく、ユニオンファンドは(小規模ですが)積立投資比率は国内最高値でしょう。
「普通の人が普通に長期投資で資産形成をするため」という視点で良い投信を徹底的に探してみよう! という趣旨で選定されている「1億人の投信大賞」で上位入選も果たしています。「 過去36か月のうち資金純減月数13か月以上のものを除外」という選考基準もクリアし続けることでしょう。このファンドが登場した理由が「低廉なコスト」ではないことは明らかです。
コストの値下げ競争を促す(煽る?)ことが良質なファンドを育てることになるのか、 「ユニオンファンド」という存在が問いかけているように感じられてなりません。
【バックナンバー】
- 積立投資が良質な投信を育てる/本日のスープ96皿目
- 「積立」×「投資」の相性はいかに?/本日のスープ95皿目
- 「運用報告会」で長く愛されるファンドを育てましょう!/本日のスープ94皿目
- 投信版・料理の鉄人。そろそろできる?/本日のスープ93皿目
- 投資信託の顔が再び見えてきた/本日のスープ92皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻12/85~91皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻11/78~84皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻10/71~77皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻9/65~70皿
- 「本日のスープ」ガイド・巻8/55~64皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻7/48~54皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻6/40~47皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻5/34~39皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻4/27~33皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻3/18~26皿目
- 「本日のスープ」ガイド・巻2/12~17皿目
- 「本日のスープ」ガイド・1~11皿目