11月22日(土)にレオス・キャピタルワークス本社で開催されたひふみ投信の第6期決算 運用報告会に行ってきました。東京会場午前の部の運用報告会の模様を私のメモを元にレポートします。2回目はアナリストの栗岡さんの発表です。今回は藤野さん以外の運用部の方にもスポットが当たり、どんな人達が運用に関わっているのかよりわかりやすく思いました。
栗岡さんはとても情熱的で、肌感覚から入るボトムアップアプローチを地で行く勢いのある方です。
ひふみ投信 第6期決算 運用報告会
日時:2014年11月22日(土) 10:00〜12:00
会場:レオス・キャピタルワークス本社
栗岡:皆さんから変な奴がきたなという目線を感じますが、私がどんな人間かという事と、何を見ているかについてお話します。一言で言うと私はどんな銘柄が儲かるかをいつも考えています。
レオスに入社したきっかけ
私はカンザス、ニューヨーク、ドミニカ共和国に学生時代住んでいました。高校時代はカンザスでバッファローを飼っている牧場に住んでいて、毎晩バッファローを食べるような生活をしていました。
大学はNYで多少勉強もしていましたが、主にバスケットをしていました。大学では色んな肌の色の人がいましたが、その中で1番になりました。人種も個性も違うので最初はなんだお前?と今のような目で見られていましたが、自分の意見を言い続ける事で周りに受け入れられ、ガードで大学1番になりました。
その後、日本に帰って証券会社に入って東日本大震災がありました。私はその時被災地に写真を撮りに行きました。日本の企業は強い。被災地でも社長の闘志は色褪せていなかったからです。こんな事になっても日本株は買いだと海外の投資家に伝えようと香港へ出張しました。
We shall overcome.
「必ず僕らは乗り越える」と香港の機関投資家にプレゼンしましたが無視され、いいから君はコーヒーでも飲んで帰りなさいと言われ、出張費をつけたのにやっぱりそうだったかと帰国して会社に怒られることになってしまいました。
それをきっかけに自分がいい会社を見つけて買えるようになりたいと思い、東証の決算説明をする場所ずっといて、毎日色んな会社の社長が決算発表する様子を見て、いい会社があるとそこからお客さんに電話するようになりました。その電話の先に藤野さんがいたのです。
藤野さんに自分の考えている事を話してみたら「You,来ちゃいなよ」という話になりました。ジャニーさんみたいに。今はレオスでアナリストとしていい会社を見つけて皆さんのような素晴らしい方のお金を投じるお手伝いをしています。
書を捨てよ、町へ出よう
私は人と同じことをするのが大嫌いで、逆を考えるようにしています。寺山修司は「書を捨てよ、町へ出よう」と言いました。本を書いている人が書を捨てよと真逆の事を言ったのです。今は自分の感性に問いかける毎日です。
その中でリアルへの回帰という事を考えています。インターネットやスマホから更にデジタル化が進んで多くの物事が複製可能になりました。そのことで逆に複製不可能の価値が上がったのではないかと考えています。
Oculusというバーチャルリアリティの機器を通じて目の前に広がる驚くべき現実世界を見ることができたり、ロボットのペッパー君がこれからいろんなところで働くようになると思います。
先日加山雄三のコンサートに行ったのですが、リアリティのあるアナログなもの、ライブや会話に価値が見出されているのではないかと思っています。
チェキの人気もそうです。家電量販店はショールーム化の終焉を迎えつつあります。ネットと実店舗の値段の差が減って相談して買えるという安心できる場所へ回帰しています。また、都心にアンテナショップが増えているのも郷土愛などと関係があるのかもしれません。
さあ、町に出よう!
いつも取材で飛び回っているのですが、コンビニで求人広告のフリーペーパーも見ていました。するとタウンワークがどんどん分厚くなっていることに気がつきました。変なアルバイトの店員が冷蔵庫に入ったのをTwitterで拡散したバカッター事件でアルバイトが人材不足になったのです。それ以来決算短信を読んでいても人手不足に言及する企業数が爆発的に増えました。
そんな中出会ったのがあいホールディングです。離職率が低い会社を探してたどり着きました。この会社は不思議な会社でプリンタも監視カメラもなんでもやってます。1ヶ月のうちに3回突撃して話を聞いているうちにすごいなと思うようになったのですが、社長の佐々木秀吉さんが野村監督のように再生工場なんです。M&Aの天才。
佐々木社長が一貫しているのは人を信じること。証券会社や銀行がM&Aの案件を持ってきても無視。自分の五感と第六感で。人を信じるというところに感動しました。社長のスケジュールの1/3は面接で埋まっています。なぜなら1次から3次の面接まで全部社長が出るのです。就活で来ていた学生に向かって「みんな一緒に最後まで楽しくやろうぜ!」って話している姿にすごいと思いました。
儲けるを哲学する
人は楽しくアクティブに働いているから決して給料は高くないけどめっちゃがんばるんです。株価が上がる会社は儲かっている会社です。そのように儲かるという事を哲学しています。
そんなに美味しくなくてもほっとしてサラリーマンが集まる場所があります。儲けるという言葉は子どもをもうけるから来ているそうです。仲間をつくること。それが儲けるの近道ではないかと思います。
近江商人の三方よしのように信じるで儲かるのです。夢を信じることができるか?挫折すると株価が下がりますが、そこで売る人は本質を見ていないのかなと思います。投資はシンプルなもの。人を信じられるかどうかです。
数字を追うこともありますが、人に投資する事なのかなと思っています。情熱的に事業をしていて利益を出している人達を年中街を歩き続けて探しています。
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栗岡さんについてもっと知りたい!と思った方はレオスの運用部インタビューも必見です。