ひふみのあゆみを元にひふみ投信の9月を振り返ります。
■ 月次リターン
9月のひふみ投信のリターンは+0.62%、参考指標の配当込TOPIXが4.51%、参考としてRussell/Nomura Mid/Smallは+3.25%でした。久々にTOPIXに対してマイナスとなった月でした。
ひふみアカデミーでの報告によると8月に出遅れていた円安感応度の高い銘柄が9月はぐんと伸びた結果、それらをあまり組み入れていないひふみ投信は相対的にパフォーマンスが振るわなかったという事になります。
※東証の指数ラインナップ Russell/Nomura日本株インデックス
■ 純資産流出入額
9月は前月比で+4.5億円の純流入でした。8月は残念ながらマイナスでしたが9月はしっかり戻っています。
■ 基準価額と日次リスク(250日)
日次リスク(250日)は17.63%と低下傾向にあります。15%を基準に上下5%ほどぶれるというのが平均的な姿なので落ち着きを取り戻した状態と言えると思います。
■ 株式・現金比率
株式比率は95.68%と微増しました。銘柄数は98のまま変わらず。上位10銘柄の比率も21.22%と微増していますので少し強気にポジションを取っているようです。
■ 上位投資銘柄
9月も上位投資銘柄に大きな動きはありません。ほぼ8月と同じ顔ぶれです。
■ ひふみアカデミー
10月7日に開催されたひふみアカデミーに行ってきました。ここで紹介されていた伊藤レポートと消滅可能性都市については私も読んでみました。消滅可能性都市は『地方消滅』という新書にもなっています。
- 景気については誰に聞くかで反応が違う。ただ、各企業とも一斉にネガティブではない。
- 『伊藤レポート』と『消滅可能性都市』が今後の投資方針に重要になってくるのではないか。
- 伊藤レポートでは資本コストを上回るROE8%を提言しているが、実際に9月にもROEファクターが株価にも反映されていた。こういった考えが政府中枢にも入ってくる事で資本を食いつぶすサラリーマン経営者から変化が出てくるかもしれない。
- 竹田和平さんも小型株からROEの高い大型株へポートフォリオを変えたようだ。大企業の中に革新的な会社が出てくる可能性があり、ひふみの運用においても質的変化に注意していく。
運用部メンバーからのコメント
- 三方よしという言葉を聞く事が増えた。歪んでいる市場を是正していく動き、持続的成長への関心が高まっているのでは。(川崎)
- 東京に人が集まる一方で東京に地方のアンテナショップがたくさんある。素朴・原始的なものを人は欲しがるのでは。色眼鏡を外して企業を見たい(栗岡)
- トヨタの高岡第二工場を見学してきた。複数車種を一つのラインに流したり生産ラインの長さを土日で調整できるようになっていたり進化していた。(蛭田)
- シマンテックがアンチウィルスソフトは死んだと言っていた。内部の裏切りなど悪意のある人からの攻撃を防ぐのは困難で新しい動きがある。(渡邊)
質疑応答ではこのような質問がありました。独立系運用会社の報告会などに何社か参加していますが、それぞれ質問やお客さんの層に違いがありますね。
- 組み入れ銘柄について
- 新規上場予定銘柄について
- 堅調な日経平均に対して出来高が少ないことについて
- 年末に向けた見通し
- 資本効率について
■ R&I投信評価
R&Iファンド大賞のベースとなる定量評価です。