月次報告書「ひふみのあゆみ」とひふみアカデミーの内容を元に1月のひふみ投信を振り返ります。
月次リターン
ひふみ投信の1月のリターンは+2.15%でした。参考として配当込TOPIXが+1.06%、Russell/Nomura Mid/Smallが+0.68%でした。
※配当込み株価指数の期間収益率(日本取引所グループ) Russell/Nomura日本株インデックス
純資産流出入額
流入:19営業日(100%) 流出:0営業日(0%)
1月はひふみ投信で105億円、ひふみプラスで729億円の流入でした。
ひふみ投信マザーファンドの純資産総額は6,798億円、そのうち、直販のひふみ投信の純資産総額は1,328億円です。
基準価額・日次リスク
ひふみ投信の日次リスク(250日)は10.91%(前月末+0.07)と微増しました。
株式・現金比率
国内株式比率は92.5%(前月比+2.0%)、米国株の組入比率は3.7%(前月比+1.2%)と株式比率が増えました。現金は3.8%となり、かなりフルインベストメントに近づいてきました。
投資銘柄数は先月末比で6銘柄増えて213銘柄になりました。一方で上位10社への比率が16.1%と上がっており、銘柄的には分散が進んでいる一方で上位銘柄への集中も同時に進んでいます。
上位投資銘柄
1月はアマゾン・ドット・コム、マイクロソフト、三井物産、ソニー、三菱商事、住友金属鉱山の6社が組入トップ10の中で入れ替わりました。
三井物産や三菱商事のような商社株は業績が好調で割安だったために購入、ソニーも業績が良かったことから購入しています。その後業績の上方修正が発表されています。これら大型株がリバウンド相場になった時によい成績を残すのではないかとひふみアカデミーで話されていました。
ポートフォリオの時価総額比率では大型株の比率が43.9%と増えています。いまや大型株と中小型株がほぼ半々ですね。
ひふみ投信=中小型株、内需銘柄というイメージがあると思うが、現在は内需グロースの比率を下げて外需や内需バリューへシフトしている最中です。ひふみ投信は中小型株ファンドではないため、必要に応じて大型株にも積極的に投資しています。
金利上昇局面においてはバリューなものに物色が向きやすいという事もあり、ゆっくりと着実にポートフォリオを組み替えています。
1月末時点のひふみ投信マザーファンドのTOPIXに対するアクティブシェアは86.5%(前月比-6.3)です。大型株比率が上がったことによりアクティブシェアが一気に低下しましたね。それでも概ねアクティブな運用をしていると見なされる80以上はキープしています。
ひふみアカデミー
今月のナビゲーターは運用部長の渡邉さんでした。
今月は相場急落もあり、現在の状況が詳細に報告されていました。渡邉さんによる自動車EV化への課題についての報告も現実路線から考えられていて参考になりました。
- 直近の株価下落について
米国の景気が堅調→FRBによる利上げ観測→長期金利が上昇→株の魅力が相対的に低下し、株売却という流れ - VIX指数という株価の変動率を捉えた指数があるが最近は上昇はしていたものの変動は少ない相場が続いていた。その為、債券を買っていた投資家も株を購入するようになり、今回のような急落を受けてVIX指数が急上昇し、株から債券へ逃避しているのではないか。
- 1日で5%以上基準価額が下がったことはこれまでの9年間で11回あり、2017年はたまたま無かったが平均すると1年に1回以上は発生している計算。たくさん起こるわけではないが、起こるときは連続して起こることもある。今後はまだわからないがしばらく変動率の高い状況が続くのではないか。
- 中小型株が昨年上げすぎていたため売却。一方で大型バリューが割安だったので購入している。
- 現金の増減でも調整するが、ポートフォリオの中身でも相場に合わせて調整している。アマドンとマイクロソフトについては米国株指数ほどは下がっていないので短期的にはウェイトをあげて正解だった。
- 電気自動車(EV)と電力の問題
世界的にはEV化の波が来ているが、報道先行で現実的には課題も多くあるのではないか。EVにしただけではCO2は削減出来ないので巨大市場となる新興国でどのような技術の車が売れる(良い技術ではなく売れる技術が残る)かに注目している。
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