野村のESGインデックスファンドに続いてもう少し分散の効いたESGインデックスという事でりそなアセットマネジメントのSmart-i 先進国株式ESGインデックスにも投資しました。
こちらはMSCI-KOKUSAI ESGリーダーズ指数(配当込み、円換算ベース)の動きに連動する投資成果を目指して運用されます。MSCI-KOKUSAI ESGリーダーズ指数は日本を除く先進国から相対的にESG評価の高い会社を選定している指数です。
■ MSCI-KOKUSAIESG リーダーズ指数(配当込み、円換算ベース)
MSCIInc.が開発したMSCI-KOKUSAIESG リーダーズ指数(米ドルベース)をもとに委託会社が円換算して計算したものです。MSCI-KOKUSAIESG リーダーズ指数(米ドルベース)は、日本を除く世界の先進国の株式から、相対的にESG評価の高い銘柄を選定することで構築される指数で、配当を考慮したものです。
■ 指数の特徴
- MSCI Inc.独自のESG評価モデルを用います。当該モデルは、評価対象企業に対し、当該企業が属する業種が 直面するESG上のリスクや機会は何か、当該企業にとってそれらがどの程度大きく、どの程度マネジメントを 行っているかを測定・分析し、同業種他社と比較することを目的としています。
- 企業に対するESG評価は最終的にAAA~CCCの7段階のESG格付で表され、格付がBB以上(7段階のうち 上位5段階目まで)の企業が選別されます。
- E/S/Gそれぞれの要素に負の影響を与える可能性がある不祥事について分析し、11段階のうち上位8段階目 までの企業が選別されます。
- 非人道的兵器や核兵器製造などに関与する企業、アルコールやギャンブルなどから一定以上の収益を得てい る企業は除外されます。
- MSCI-KOKUSAI指数を構成する日本を除く先進国の銘柄の中から、業種分類(GICS:GlobalIndustry ClassificationStandard)ごとに時価総額50%を目標として、指数を構成する企業が選別されます。
※交付目論見書より
■ ESG格付決定プロセス
- 業種別に、MSCI Inc.が独自にE/S/Gそれぞれに設定している細項目(KeyIssue)のうち関連が深いものを選 定し、それがリスクまたは機会として顕在化するまでの時間の長短および環境・社会に与える影響の大小の2軸 をもとにウエイト配分を決定する。
- E / S / G そ れ ぞ れ に 選 定 さ れ た 細 項 目 を も と に 、E / S に 対 し て は 、エ ク ス ポ ー ジ ャ ー( 経 済 的 な リ ス ク の 程 度 )の 大きさとそれに対するマネジメントがどの程度なされているかを、Gに対しては、企業統治上のリスクに関する 評価を減点方式で勘案し、E/S/Gそれぞれに0~10の点数を付与する。
- 上記1.で決定したウエイト配分をもとに、上記2.でE/S/Gそれぞれに付与した点数を、加重平均したうえで同業種 他社との比較を踏まえ調整を行い、0~10の点数を算出する。
- 算出された点数を格付表にあてはめ、格付を決定する。
※交付目論見書より
■ MSCI-KOKUSAI指数に近い値動きをするESGインデックス
この指数は先進国株式指数であるMSCI-KOKUSAI指数を構成する銘柄から業種分類ごとに時価総額の50%を満たすまでESGスコア上位の企業を選び出すため、MSCI-KOKUSAI指数と比較して業種の偏りは起こりにくくなっています。そのため、値動きも近くなる特徴があります。
■ 組入上位10社(2023年7月31日現在)
Smart-iシリーズでMSCI-KOKUSAIに連動するファンドとMSCI-KOKUSAI ESGリーダーズに連動するファンドの上位10社を比較すしてみると、ESGではアップル、メタ、ユナイテッドヘルス、JPモルガンが外れています。また、ESGでは1社あたりの組入比率は増えていますが、上位10社を合計しても20.2%→26.8%と比較的分散はキープされています。
※左 Smart-i 先進国株式インデックス 右 Smart-i 先進国株式ESGインデックス
■ 騰落率(2023年7月31日現在)
MSCI-KOKUSAIに連動するファンドとMSCI-KOKUSAI ESGリーダーズに連動するファンドの騰落率を比較してみました。期間によって勝ったり負けたり様々です。確かに差はありますが、誤差とは言えないまでも、ものすごく気になるレベルでは無いと私は思いました。
※左 Smart-i 先進国株式インデックス 右 Smart-i 先進国株式ESGインデックス
■ リスクとリターン
交付目論見書からリスクとリターンを比較してみます。
MSCI-KOKUSAI ESGリーダーズ指数(当ファンド)とMSCI-KOKUSAI指数(先進国株)を比較すると、最大値と最小値、平均値のいずれもESGリーダーズ指数の方が少なく、リスクが控えめだという傾向が見て取れます。
■ まとめ
日本を除く先進国にまんべんなく投資しながらESG的に問題がある企業を除外しつつ、リスクはやや控えめで、もともとの先進国インデックスに付かず離れずのリターンが出るというくらいの気持ちで向き合えばよいのではないかと思います。
MSCI-KOKUSAI指数に連動するファンドに投資したいと思っていて、ESGの要素も組み入れたいと考える人にとって選択肢の一つになるのではないでしょうか。