エポスカードの丸井グループがつみたて投資専業の証券会社を今夏設立するそうです。
丸井グループが”つみたて専門”の証券会社を設立します|丸井グループ ニュースリリース
丸井グループでは収入や世代を問わず「すべての人」が豊かなライフスタイルを実現できる金融サービスを提供することを事業のミッションに据えています。SDGsでいうところの「誰も置き去りにしない」金融サービスということです。
どんな特徴が?
- つみたて投資(つみたてNISA)専業の証券会社
- 投資信託をエポスカードのクレジット払で購入
- クレジットカードポイントでの投信購入も検討(年内?)
- サービスはウェブ中心に展開、店舗でのサポートも実施
エポスカード会員は657万人(2018年3月末時点)の約半数が20代、30代で7割が女性という構成になっているそうです。
丸井グループはこれまで若者に分割払いで購入してもらうビジネスモデルでしたが、若者の6割が将来への不安を持っているという調査結果もあり、この層に向けて資産形成サービスを提供することにしたようです。
なお、準備会社の代表取締役COOには仲木威雄さんが就任します。仲木さんはさわかみ投信出身で現在はユニオン投信の代表取締役をされています。6月19日付けで退任されることがユニオン投信から発表されていました。新しい資産形成を応援する証券会社を設立しようとした際にさわかみ人材が活躍する姿を見ると、さわかみ投信の果たした役割の大きさを改めて感じますね。
なお、準備会社代表取締役CEOの寒竹明日美さんは丸井グループのIRを担当されていた方でESG系のインタビュー記事もありました。
つみたてNISAでどうやって利益をあげるのか?
証券会社が儲からないことには定評がある「つみたてNISA」専業でスタートするという事ですが、10年後に資産残高1兆円、利用者100万人を目指すとはいえ単独で利益を出すのは難しく感じます。
エポスカード利用者の中で定期的な支払をする顧客層はゴールドカード会員になる率が一般の方の5倍に相当するそうです。丸井グループとしてはつみたて投資を通じた定期的なカード購入を通じてゴールドカード会員になり、よりエポスカードで高額な買い物をして欲しいというわけです。
カード会社の収益はつみたてNISAで購入した投資信託の信託報酬の3倍程度の収益を見込んでおり、グループ全体での利益を考えて証券業界に参入するということですね。
商品は3~4本、サービスはウェブ中心に展開ということですので、ロボアド的にいくつか質問に回答してオススメのバランスファンドへ誘導させるような形になるのではないでしょうか。(つみたてNISA専業だと債券ファンドがないので個別ファンド組み合わせによるポートフォリオ構築においてネックになります)
長い目で見て、継続して欲しい
若年層に資産形成を促すという意味で面白いチャレンジだと思います。つみたてNISAというかなり絞り込んだ制度設計だからこそできたプロジェクトですね。すぐには結果が出ないと思いますが、松井証券の投信工房のような方針転換をせず継続して欲しいですね。仲木さんがいる間はそんなことはないと信じてますが。
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