朝日新聞のサイトに2月16日に開かれた「脱炭素革命とESG投資〜パリ協定が変えるビジネス」の模様を伝えるPR記事がありました。
記事の中でESG評価を企業価値の源泉でありながら、これまで水面下に隠れていた非財務情報を総合的に評価したものと説明しています。
日本政策金融公庫では環境格付融資において企業を環境スクリーニングした結果に応じて融資の金利を変えているそうです。ESG投資という投資家目線ではなく、金融のもう一つの役割である融資の面でもESG評価を活用している事例です。
日本政策金融公庫の竹ノ原さんが話している次の言葉が印象に残りました。
日本には世界的に見てオンリーワン企業がたくさんあります。それらの企業は、震災など非常に大きなリスクを抱えながらも徹底的な事業継続マネジメントをやっています。自社のボトルネックはどこか、調達先がつぶれたらどうするかなど、ある意味、秘中の秘のようなものを築き上げています。そのことはCSRレポートにはどこにも書いてありません。これに対して、現在ESG情報の評価は、公表情報のみに基づいて行われているものが主流です。
ここがまさに今のESG投資の泣き所で、GPIFが投資しているESGインデックスもそうなのですが、公開情報を評価して投資判断に活用しています。でも、実は公開されていないところにこそ大事なものは潜んでいるのではないかと思います。また、CSRレポートなどは年に1度の公開なので財務情報の四半期開示と比較してもタイムラグが生じます。
もちろんやらないよりはやった方がいいのでしょうが、表層的なESG評価はかえって良くない結果を招かないか心配もあります。ESG評価を受ける側の負担も気になるところではありますが、ESG評価は基本的にアクティブに取り組むべきものなのではないでしょうか?
そういう意味でも日本政策金融公庫の取り組みには興味を持ちました。