月次報告書「ひふみのあゆみ」とひふみアカデミーの内容を元に2月のひふみ投信を振り返ります。
月次リターン
ひふみ投信の2月のリターンは-3.02%でした。参考として配当込TOPIXが-3.7%、eMAXIS JPX日経中小型のリターンは-2.32%でした。
今月から参考としてJPX日経中小型に連動するeMAXIS JPX日経中小型インデックスを比較対象としました。
純資産流出入額
流入:15営業日(79%) 流出:4営業日(21%)
2月はひふみ投信で52億円、ひふみプラスで362億円の流入でした。2月は久々に資金流出の日がありました。ひふみ投信は2017年10月26日以来、ひふみプラスに至っては2017年5月15日以来の流出日でした。これだけ資金流入が続くのが普通じゃ無い状態だと思っていましたが、久々に波乱の相場が訪れた割には混乱は見られませんでしたね。
ひふみ投信マザーファンドの純資産総額は7,026億円、そのうち、直販のひふみ投信の純資産総額は1,342億円です。
基準価額・日次リスク
ひふみ投信の日次リスク(250日)は13.52%(前月末+2.61)と上昇しました。過去1年があまりにも平穏すぎた事もあり、しばらく反動で波乱含みの相場になりそうですね。
急落局面で焦って売るのではなく、調整局面で買いを入れるのが後々効いてきますのでここ1〜2ヶ月にどれだけ資金流入があるかが今後のひふみ投信のパフォーマンスに反映されるのではないでしょうか。
株式・現金比率
国内株式比率は90.2%(前月比-2.3%)、海外株式の組入比率は6.6%(前月比+2.9%)と株価が下がったのを契機に海外株式の比率が増えました。
投資銘柄数は先月末比で12銘柄増えて225銘柄になりました。上位10社への比率は15.4%と下がっており、銘柄分散が進んだ形です。
上位投資銘柄
2月はパナソニック、コスモス薬局の2社が組入トップ10の中で入れ替わりました。上位10社には含まれていませんが、株価の下落局面で米国株に5銘柄追加投資をしています。そのうち2社は米国上場の中国株です。海外株式へはまだ投資する余地を残しており、慎重に組入を進めています。(最大で海外株への投資は30%程度を考えており、現状では10%を上限に考えているそうです)
ポートフォリオの時価総額比率では大型株の比率が45.9%となりました。
米国株や大型株の組入でひふみらしさがなくなっているのでは?という質問に対してひふみアカデミーで次のように答えていました。
上位銘柄に大型株が入っているのは多く買うことが出来るからで、下位でしっかりと中小型株にも投資をしています。米国株に投資している理由も米国株の方が成長性があるからで、日本の大型株は素晴らしい会社だが成長性に欠けるため、そこに投資をしない事がアクティブ運用でTOPIXに勝つための重要な考え方になります。
その上で代替的に成長する会社があるのであればそちらに投資すればいいという考え方で日本の時価総額上位の会社の代わりに米国株に投資しています。
1月末時点のひふみ投信マザーファンドのTOPIXに対するアクティブシェアは89.5%(前月比+3.0)です。米国株の比率が増えたこともあり、アクティブシェアは上昇しました。
ひふみアカデミー
今月のナビゲーターはシニア・アナリストの栗岡さんでした。
- 株価の急落局面で現預金をほぼ全部使って米国株と日本株に投資した。米国株への投資としてはこの下げを待っていた。
- 今回の下げを吸収してそれ以上に上がっている銘柄が米国にはあり、今のところひふみ投信で投資した先も成功している。
- 日本株に関しては下げた銘柄を買い増し、大型株のウェイトを増やしている。増やしたのは内需とバリュー。
- 全体的に株価があがる適温相場が終わり、今後はしっかり利益を上げられる競争力のある会社でないと株価は上がらなくなるのではないか
- 米国株の注目テーマとしてはIoT、Eコマース、ペイメント、働き方改革
- 日本株をあきらめているのではなく、世界がつながっているので米国や中国で起きたことが時間差で日本にもやってくる。アメリカや中国の調査は日本株においても重要で、海外株でもよい銘柄があれば買える体制になった。
- 若手のベンチャー経営者がすごくしっかりしているので今後上場してくる会社を見て起業家のイメージが変わるのではないか
- 相場が不安定な時でもパニックになって売りに出た株を冷静に買った方が後になって報われる。短期的に株価は上下するが、収益があがる成長する会社に投資することでいずれ報われる。
先月のひふみ投信
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1年前のひふみ投信
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