月次報告書「ひふみのあゆみ」とひふみアカデミーの内容を元に11月のひふみ投信を振り返ります。
月次リターン
ひふみ投信の11月のリターンは+3.94%でした。参考として配当込TOPIXが+1.48%、Russell/Nomura Mid/Smallが+1.99%でした。
※配当込み株価指数の期間収益率(日本取引所グループ) Russell/Nomura日本株インデックス
純資産流出入額
流入:20営業日(100%) 流出:0営業日(0%)
11月はひふみ投信で70億円、ひふみプラスで379億円の流入でした。
ひふみ投信マザーファンドの純資産総額は4,973億円、そのうち、直販のひふみ投信の純資産総額は1,064億円です。
基準価額・日次リスク
ひふみ投信の日次リスク(250日)は10.72%(前月末13.00)と大きく減少しました。1年間(基準価額としては)大きな波乱がなかったことが数値にも表れています。
株式・現金比率
国内株式比率は90.9%(前月比+0.9%)、米国株の組入比率は2.9%(前月比-0.4%)と株式比率を微増させました。現金比率はほぼ変わらず、入金分で株式を購入しています。
投資銘柄数は先月末比で11銘柄増えて201銘柄になりました。また、上位10社への比率が15.37%と下がって分散を進めているのが見て取れます。
上位投資銘柄
11月は日本電産、クレハ、コスモス薬品、ネットワンシステムズが組入上位の中で入れ替わりました。再びひふみ投信らしい銘柄が上位に顔を揃えるようになってきています。
上位20銘柄については比率にあまり差はなく、大きく株価が変わると順位が変わるような状況という事でした。クレハ、ネットワンシステムズは半導体関連、コスモス薬品は九州のドラッグストアです。
パフォーマンスが悪い銘柄についても守りの意味で買っています。
ポートフォリオの時価総額比率では33.7%→36.0%と大型株の比率が増えました。
11月末時点のひふみ投信マザーファンドのTOPIXに対するアクティブシェアは93.0%(前月比+0.3)です。
ひふみアカデミー
今月のナビゲーターは佐々木さんでした。
- 9月、10月とマーケットが上昇するのに負けたが、マーケットが停滞した11月は再び勝つことが出来た。ここで勝たないとひふみらしくないので、ひふみらしい運用が出来た。
- 下落相場、横ばいの相場ではこれまで上がってこなかった会社の株価が上がりやすくなる。相場が落ち着くと優良株にお金が回ってくるようになる。
- 1年前のポートフォリオと比較して外需グロース、外需バリュー、内需バリューは増、内需グロースは減。業種別よりも外需・内需、グロース・バリューの4象限での見方の方がパフォーマンスに大きな影響を与える。
- 1年前は内需グロース中心だったが外需の恩恵を受けて外需グロースのウエイトを増やした。内需バリューを増やしているのはバリューが下がったので将来に備えてのもの。外需が増えつつも、内需バリューも増やしている。これは物流費用や段ボールの価格が上がったりすることが業績、株価に反映されることへの手当。
- 業種別に見ると1年前と比較して外国株が増えている。また、銀行株や自動車関連が無くなっている(先月はあったが)。マクロにみてヒットアンドアウェイすることがある。
- 2017年を振り返ってみると勝ちやすいマーケットだった。昨年末にトランプ相場で大負けしていたが、それを取り戻したのが今年の前半。下げた後の業績相場で上がるようにポートフォリオを手当してきたのが反映された形。
- 今年は暦年で対TOPIXで勝ちすぎなくらい勝ったので来年は反動がくることも想定している。同じポートフォリオだと負けるかもしれないので同じようにはせずに変えている。今年は上がらなかったけれども来年は、というもの(建設、土木、IT、電気関連)も組み入れている。
- 内需グロースを減らしてきたが、その中でも魅力的な会社を入れている。
- 来年の半導体の見通しについては社内でも見方が分かれている。上がったものは削りながらもいいものは持ち続けている。
- インターステラというロケットの会社のスポンサードをすることになった。1号機が失敗した直後に声がけしたので先方にも喜んでもらうことができた。金額は公表できないが意外に高くはない。NHKでも何度も放映されるであろうことを考えると宣伝という経済的な価値も考えている。
先月のひふみ投信
1年前のひふみ投信