eMAXISブロガーミーティングの後半、三菱UFJ投信さんのプレゼンを一通り聞いた後の質疑応答タイムの模様をレポート&コメントします。
Q. eMAXISの社内でのプレゼンスは最近どうですか?
A.
高まっています。嬉しかったのは先日、今年入社した新人歓迎パーティで新人達がeMAIXSのコスプレ?をしてお祝いしてくれました。また、ETFのMAXISも純資産が一兆円を超えています。収益的にも、残高の伸び率も高く社内でもプレゼンスは高まっています。損益分岐点は越えていないのでプレゼンスが高まるっているというのは発破をかけられているという事でもあると思います。新商品がないとマーケットの存在感が無くなってしまいます。新商品を作るのにもコストがかかるのですが、今後も新商品を投入していきたいと考えています。
コメント:「新商品がないとマーケットの存在感が無くなってしまう」という言葉が気になりました。やはり既存金融機関相手だとシリーズで新商品を出すなどしないと埋没してしまうんですね・・・っていうかeMAXISのコスプレってなんですか?
Q. 新商品を作るのにかかるコストはどの程度ですか?
A.
コモディティはポートフォリオの中でもスパイスになるのではないかという存在です。既存のファンドをもっと伸ばさないといけないと考えています。
コメント:コモディティはポートフォリオの主力ではない存在ですからね。そういう意味でもETFを使ったというのは良かったのではないかと思います。
Q. 18日に販売開始となりますがキャンペーンなどは予定していますか?
A.
HPでプラスシリーズの位置づけをアピールしていきたいと考えています。まだ新商品は発表したばかりでこれから販社様にも位置づけをご理解いただいた上で組み込んでいただく企画をしていければと思います。
コメント:発表したばかりのファンドですし、具体的にはまだ予定していないようですが積立キャンペーンなどは期待できるかもしれませんね。
Q. eMAXISプラスでなくETFに直接投資した方がいいのではないでしょうか?
A.
そういう考え方はあると思います。ただ、eMAXISはネット証券だけでなく銀行のネット販売でも伸びている商品です。銀行ではETFは買えません。ETFを使った方が低コストで良いという考えを否定はしませんが。お客様のワンストップを考えています。同じ販売会社様の中という完結した中でeMAXISシリーズに投資をしていただきたいと考えています。
コメント:ファンドの中身がETFという事でこういう質問になったのだと思いますが、インデックスファンドはeMAXISプラスに限らず総じてETFよりコスト高いですからね。ネット証券のように各社インデックスファンドシリーズそろい踏みというわけにはいかない地銀さんなどではワンストップで完結するというのは意味があることだと思います。
Q. eMAXISにどれくらいの人がどの程度の金額を投資しているのかわかりますか?
A.
販売会社ではないので把握していません。ヒアリングしても非常にあいまいな答えしかいただけないもので・・・。
当社で把握できる参考として1年前の運用報告書の発行部数が44,000件でした。詳しくはわかりませんがネット専業証券ベースでは積立やNISAでの利用多いようです。 また、8資産バランスが伸びているのは積立なのではないかと思います。あくまでも推測ですが。
コメント:運用会社は実際の投資家像を販売会社から教えてもらえないと思ってましたが、ある程度は教えてもらっているのですね。三菱UFJ投信さんのような大手でたくさんファンドを卸しているから出来ているのかもしれませんが。また、運用報告書を印刷した部数で投資家数をカウントするという発想はこれまでなかったです。電子化されるとこれまたわからなくなりますが、窓販で販売している分はこちらでカウントできそうですね。
Q. ノーロードの商品を積極的に販売するインセンティブはなんなのでしょうか?
A.
最初は地銀さんに営業しても採用していただけませんでしたが、ここに来て急激に増えています。最初にeMAXISを取り扱っていただけたのはコスト競争力があるネット証券や先進的な取り組みをされている銀行さんが中心でした。
ノーロードで儲からない商品という声が多かったのですが、NISAがスタートすることになり、ノーロードの商品こそが一般投資家に必要な商品であるとご理解いただけるようになったのではないかと思います。
コメント:NISAはまだまだ発展途上な制度だと思いますが、販社が高分配一辺倒の販売姿勢から転換するきっかけという意味で大きな意味ある制度だったんですね。
Q. 窓販をしている販売会社はあるのでしょうか?
A.
基本的にネット販売ですが、どうしてもと窓口のお客様に言われた際には案内しているところがあるようです。インデックスファンドでは既に他社さんが先行しており、販売手数料を付けて欲しいという販売会社さんが多かったのですが、NISAがきっかけで資産形成層が投資している商品はノーロードだと割り切ることができた地銀さんが扱うようになってから一気に広がりました。
採用するならむしろノーロードとうたっているeMAXISがいいとノーロードをコンセプトにしたeMAXISのブランドを認めていただき、採用していただけるようになりました。
コメント:最初は嫌われる理由だったノーロード限定という設定がNISAの導入で資産形成層向けにはノーロードが常識という世界になった途端にブランド価値を持つようになったという話はいいですね。これからもeMAXISブランドに磨きをかけて欲しいです。
Q. それぞれ需給のタイミングが異なると思いますが、コモディティを分散する意味はなんなのでしょうか?
A.
コモディティと聞いてまず原油がぱっと浮かぶと思いますが、eMAXISのブランドコンセプトに合わせるには原油や金など個別の商品ではなく、面で提供したいという事でコモディティインデックスを採用しました。
Q. 指数の配分はどう決まるのでしょうか?
A.
ブルームバーグ商品指数の構成比率は生産量と流動性を元に決められています。リバランスは年1回で関連する商品が33%、単一商品が15%を上回らないように上限が定められています。これにより全体の偏りが発生しにくくなっています。
Q. インデックスの中を見ていると日本は輸入しているものばかりに思います。為替の影響を受けると思いますががなぜドルヘッジをしなかったのでしょうか?
A.
ドイツに上場しているユーロ建てのETFに投資していますが、商品指数自体はドル建ての取引がメインです。為替ヘッジをしていませんがドル建てをユーロ換算することで円ドル分が約分されます。
Q. コモディティというと食料について規制がかかったりしませんか
A.
人間が食べるものの価格を上げるのに対してどうなのという意見は根強くあります。確かにそうした面で規制がかかるかもしれません。実際、とうもろこし興味ないけど値動きあるのが大好きという人が勝負していた投機筋の事例がありますし、アメリカでも規制の動きがありました。
投機筋が暴れないようにという規制が必要な一方で流動性を確保するという意味ではある程度の投機筋も必要です。
コメント:私がコモディティの投資に積極的になれない最大の理由がこれです。10年前には既にコモディティのファンドに投資をしていましたが、自分だけリスクヘッジして商品の価格上昇に荷担するなんともいえないモヤモヤ感を感じました。
Q. 説明のあったラップ口座とコモディティの関係について教えて下さい
A.
個人の方のポートフォリオのレベルが年々上がってきています。年金のアロケーションでも10年以上前からコモディティのようなオルタナティブへの投資は採用されており、個人投資家にも必要になってきているのではないかと考えています。
Q. 営業戦略的には個人がバラで買うよりもラップで組み入れるのを狙ってませんか?
A.
個人もラップも両方狙っています。これまでのコモディティインデックスファンドはコストが高かったという事もありますので後発ですがコモディティという狭い世界でもシェアを取りたいと考えています。
コメント:コモディティはリートほどポートフォリオに組み入れたいと思わせる何かがないままブームが終わった感がありますが、仕組み債を使っていないという点でコモディティに投資するならこれかなと言える商品に仕上がっていると思います。
Q. 分散された商品指数を買い持ちする考え方だと思いますが、アセットアロケーションを求める上でボラティリティと相関係数は資料で提示されています。あと一つ、期待リターンについてどう考えればいいのでしょうか?
A.
期待リターンについて当社として今のところ設定はしていません。
コメント:コモディティの期待リターンについては採用している年金基金によってもまちまちでこれといったコンセンサスがないように感じています。個人的には短期での値動きをマイルドにする分散効果がある反面、長期的には株式と比較してリターンを下げる要因になるのではないかと考えています。
インデックス投資の場合(前提となる数字が正しかった場合)効率的なアセットアロケーションを計算できますが、アクティブ投資をしている場合はそもそも効率的なアセットアロケーションは計測不能です。という事でアクティブというより変態的ポートフォリオを組んでいる自分の場合はコモディティに投資するとしてもちょっとだけという適当な感じでやってます。
でも、インデックス投資家の方達が真面目に資産配分を考えるのに役立つであろうデータがあると個人向けの営業的にもいいのではないでしょうか。(例えばこの年金基金ではこういう期待リターンを設定しているといったレポートなど)
コモディティがブームだった頃はそういうレポートもそれなりにあったのですが、最近見ないので最新動向は個人的にも知りたいところです。きっとラップ口座の配分決めてる人達は何らか持ってるんでしょうし。
Q. eMAXISプラスが目指しているステップアップってなんですか?
A.
確かにコモディティは果敢に買うものではありませんし、伝統的資産を使った分散投資をされている王道の投資家さんには必要ないかもしれませんね。eMAXISプラスは機関投資家向けに提供してきた商品を欲しいと思っている個人に向けて廉価版を提供します。それによって投資機会を拡大することをステップアップと呼んでいます。
コメント:個人的に今回のミーティングで一番良かった質問だと思います。既存のeMAXISシリーズとは別物と考えて自分にとって必要なのかじっくり考えてから投資を検討するといいのではないでしょうか。
質問されたおぱるさんのブログ記事です。ちゃんと自分なりの答えを出してますね。