昨日、投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020が発表されました。表彰式イベントはコロナ禍ということもあり、はじめてのオンライン開催となりましたが無事終わり、運営委員としてほっと胸をなで下ろしています。
参加いただいた皆様、そしてスポンサーになってくださった皆様、投票いただいた投信ブロガーの皆様、ありがとうございます。
投信ブロガー185人が選んだ今年の結果は下記のようになりました。(2019は有効投票人数222人)昨年はeMAXIS Slim旋風が吹き荒れましたが、今年は根強く支持を集めるファンドが上位にランクインしました。投信ブロガーの総意がこのランキングに表れていると思います。
- eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)
三菱UFJ国際投信/159ポイント 前年1位(2年連続)→
コメント:昨年に引き続きV2となりました。昨年は148ポイントでしたので、投票人数は減ってもポイントが増えるという無双ぶり。インデックス投資家にとって全世界にまるごと投資できるというのは魅力的なもの。受動的ではあるもののコスト最低水準をうたい、実際に行っているだけに実力は折り紙付き。ブロガーミーティングも継続して開催するなど高評価も納得です。来年は歴代3本目のV3となるでしょうか? - <購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
ニッセイアセットマネジメント/80ポイント 前年4位↑
コメント:V3の後徐々に順位を下げ続ける事もあり、ニッセイAMの上原常務が今年はランク外も覚悟したと話していましたが、見事2位に返り咲きました。eMAXIS Slimと違って自分から信託報酬を下げに行く姿勢と「誰も取り残さない」という上原常務のコメントが投信ブロガーからの熱い支持を集めています。地域毎の配分は自分でするというインデックス投資家にとってメイン投資先となる先進国株式インデックスファンドの代表格ですね。 - バンガード・トータル・ワールド・ストック ETF(VT)
ザ・バンガード・グループ・インク/60ポイント 前年9位↑
コメント:バンガード日本撤退という衝撃的ニュースに揺れた2020年でしたが、支持者の熱い気持ちは変わりませんでした。去りゆくバンガードに前年9位から3位に返り咲きという粋な贈り物です。元祖全世界にまるっと1本で投資できるインデックスファンド。根強い支持者に支えられています。 - セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
セゾン投信/40ポイント 前年7位↑
コメント:初代投信ブロガーが選ぶFOYも変わらず支持を集め続けています。2020年は中野社長が会長に、園部さんが社長にとセゾン投信の将来を見据えた人事が発表されました。そうした姿も評価されたのか、前年7位から4位に上昇。VTともども一時期下がっても時間の経過とともに高い評価を集めて返り咲きを繰り返しています。今となっては決してすごく低いとは言えない信託報酬水準ですが、運用会社から受託者へのメッセージの熱量の大きさ、投資にとって最も大切な「続ける事」を啓蒙し続けているのがこの結果につながっていると思います。低コストインデックスこそが良いファンドという人には理由がわからないかもしれませんが、顧客のリターンであるインベスターリターンこそが顧客本位と訴えるセゾン投信の姿勢が評価されたものだと思います。 - ひふみ投信
レオス・キャピタルワークス/33ポイント 前年14位↑
こちらも長く評価され続けているアクティブファンドです。カンブリア宮殿で取り上げられて純資産額が急増した年にTOPIXに運用成績で負ける不幸もあり、資産額が増えたことによりダメになったファンドの烙印を押されてしまいましたが、どっこい2019年、2020年としっかり結果を残しています。運用開始された2009年からこれまでTOPIXに負けたのは2018年の1回のみ。以前とはポートフォリオは変わりましたが面で見ると変わらず「ひふみらしい運用」を続けています。投資家向けの運用報告も丁寧に行っている他、運用メンバーの入れ替わりもしっかり報告しており情報発信の濃さはさすがです。個人的にもポートフォリオの中で一番多く振っているファンドで今年も投票しました。国際分散投資を考えるとどうしても時価総額比率で国内株式の比率は低めにということになりがちですが、国内株式ファンドとしてもトップ5に久々のランクインです。
- eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
三菱UFJ国際投信/33ポイント 前年5位↓
昨年5位だったバランスファンドが今年は一つランクを下げました。昨年は上位5本のうち4本が三菱UFJ国際投信のeMAXIS Slimで一大旋風を巻き起こしましたが今年は6位から9位までを独占。トップ10で5本を占めており、勢いは少し弱まったとはいえまだまだ支持を集めています。自分で資産配分に合わせて調整をしなくて済むバランスファンドの中でコスト、資産配分のわかりやすさで支持を集めています。リスクの観点から新興国をそんなに入れていいんだろうかと個人的に思うところはありますが、わかりやすさと手軽さは魅力ですね。 - eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
三菱UFJ国際投信/31ポイント 前年3位↓
昨年3位の先進国株式インデックスファンド。ニッセイ先進国株式のライバルファンドですが今年は順位を下げてしまいました。投信ブロガーには全世界株式の方が人気がある傾向にあり、ニッセイほどのメッセージ性に欠けるものの両社のライバル対決は今後も続きそうです。 - eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
三菱UFJ国際投信/29ポイント 前年13位↑
日本を除く全世界株式に投資するインデックスファンド。日本株は自分で個別株に投資したりしたいという人にとって使い勝手がいいファンドですね。昨年13位からランクアップ。実はポイントを投票人数で割るとこちらのファンドが1位でした。熱い支持者に支えられています。 - eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
三菱UFJ国際投信/28ポイント 前年2位↓
米国株ブームに沸いた2019年から1年。順位を大きく下げてしまいました。中国が存在感を増しているとはいえ、しばらく資本主義の中心は米国であり続けると考えるとこのファンドの存在価値が見えてきます。私も株式投資を始めた際には日本株よりも米国株を買いたかったくらいですし、マネックスでバンガードのS&P500インデックスファンドが買えるようにならないか願ってました。こうして手軽に投資できるようになったのはいいですね。 - 農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
農林中金全共連アセットマネジメント/27ポイント 前年12位↑
11位に米国株に厳選集中投資するおおぶねがランクインしました。おおぶねの魅力はなんといっても運用報告。ひふみが運用報告の濃さで有名ですが、おおぶねはエスプレッソ並みの濃さです。マニアにはたまらないのですが、一般受けしないのではないかという懸念はあります。でも、マニアな私にとってはありがたいのでこれからもこの路線で突っ走って欲しいです。ちなみに私はおおぶねグローバルに投票しました。 - 楽天・全米株式インデックスファンド
楽天投信投資顧問/20ポイント - iFree レバレッジNASDAQ100
大和アセットマネジメント/20ポイント - MAXIS全世界株式(オール・カントリー)上場投信
三菱UFJ国際投信/17ポイント - たわらノーロード先進国株式
アセットマネジメントone/17ポイント 前年11位↓ - グローバル5.5倍バランスファンド(1年決算型)
日興アセットマネジメント/16ポイント - 結い2101
鎌倉投信/15ポイント 前年15位↓ - グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)
日興アセットマネジメント/14ポイント 前年7位↓ - eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
三菱UFJ国際投信/14ポイント 前年18位→ - 楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天投信投資顧問/14ポイント 前年16位↓ - バンガード・トータル・ストック・マーケットETF(VTI)
ザ・バンガード・グループ・インク/12ポイント
投票人数順(同一人数の場合はポイント順)
投票人数順に並び替えてみました。上位は大きな変動はありませんが、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)が6位になるほか、9位に鎌倉投信の結い2101が入ってきます。結い2101には私も投票しましたが、独特の運用哲学が評価され続けているアクティブファンドです。
ポイント/人数順
投信ブロガーが5ポイントを割り振って投票するこのアワード、ポイントを投票人数で割ったらどうなるのかという事で集計してみました。投票したブロガーの熱さランキングとでもいいましょうか。
以外にもeMAXISオールカントリーでななく、全世界株式(除く日本)が1位でした。3位に全世界株式(3地域均等型)と全世界株式オールカントリーが9位に比較すると熱さは他のところにありました。
ランキングでは下位の楽天・全世界株式が4位(ポイント19位)、たわらノーロード先進国が5位(ポイント14位)だったり、人数は少ないながらも下位ファンド支持者の熱さがうかがえます。
これらの熱い支持者に支えられたファンドに寄せられたコメントを読んでみるのもいいと思います。