前回のまろさんのスープを振り返りましょう。
運用会社自身が投資不適格の自己矛盾
かなりスパイシーというか辛いお味。
これで思い出したのが「スチュワードシップ・コード」のお話。
投信会社が自分たちが運営するファンドの投資先に「目的を持った対話」の機会を設けることで投資先の価値を高めようとする試みが始まっているようです。こうした試みが上手くゆけばファンドの投資家のリターンにもポジティブな影響が出る、というのが話の流れです。こうした挑戦、目論見そのものに異存は無いですし、投信会社の積極的な取組を期待しています。
しかし、です。
投資先の会社に「目的を持った対話」に取り組む以前に、果たすべき責任があると思います。
受託者責任です。
最近、Web上で目にした事例です。
某社のインデックスファンドで起きたことです。
そのファンドの決算時の運用報告書において、投信会社が運用の対価として受け取る信託報酬以外のコスト(特にファンドに入っている株式の売買手数料等)が急増し、投資家が負担した実質的なコストも急増していたようです。運用報告書他で、この理由について、ファンドを運営する投信会社からは一切の説明はなされていませんでした。この報告内容に疑問を持ったブロガーの問い合わせで、ようやく急増の理由が明らかになるという極めて残念な事態がありました。こんな姿勢で受託者責任を果たしていると胸を張れるのでしょうか?個人投資家を蔑ろにしているとしか思えません。
投資先に「目的を持った対話」に挑戦するのも結構ですが、その前にまず自分たちに資金を託してくれている投資家への「誠実な説明」「キチンと向き合う姿勢」こそがもっともっと大事にされるべきと私は考えます。今後、投信会社が作成する運用報告書、月次レポートにはさらに注目していきたいと思っています。
renny @rennyの備忘録
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