425祭レポートの続きです。斉吉商店さんでランチの後は気仙沼名物のフカヒレ加工を手がけている石渡商店さんへ。
sharks fin production ishiwata ってカッコイイですね!実は石渡商店さんは最初に私が被災地応援ファンド関連でNHKの取材を受けた時の会社だったりします。ついに来ることができました!
ここでの目玉はサメの解体です。通常、気仙沼港に水揚げされるヨシキリサメは頭が落とされた状態なのですが、今日は特別に頭付きのものを用意してくださいました。
解体するのはサメの肉屋さんです。当初石渡商店の社員の方がやろうとしていましたが、大切な肉が傷ついてはいけないという事で来て下さいました。
サメの身体を触らせてもらいましたが、指をうごかす向きによってザラザラと抵抗を感じたり、スーっと通ったりします。以前、鮫肌を参考に作ったレーザー・レーサーが話題になりましたが、こういう事かと思いました。
水揚げされたサメは肉屋さんが買い取り、解体した結果ヒレは石渡商店のようなヒレ屋さんに、皮はサメ皮の加工屋さんに、骨は軟骨に含まれるコンドロイチンサプリメントの原料としてパーツ毎に売られていくそうです。
サメの肉もはんぺんの原料として出荷されることになります。
まずはヒレを切り取ります。サメのヒレだけとって海に廃棄するフィニングという漁が非難されていますが、気仙沼においてはサメの他の部位も大事な商品で捨てるようなところはないと話していました。
サメ漁に反対している多くの人が誤解している点なので、そこは声を大にして伝えたいところです。
サメを真ん中から切っていきます。
三枚におろします。サメの三枚おろしってイメージが・・・
皮についている肉を切り取っていきます。
サメの肉ははんぺんの原料になるという事でしたが、サメ肉自体もはんぺんのようにぷにぷにしていました。
フカヒレです。左から乾燥が済んだ最終製品、解体直後、フカヒレの骨です。
生のふかひれから皮や骨などを抜き取るスムキと呼ばれる工程です。これは石渡商店の創業者が開発した製法だそうです。
ぬるま湯につけてゼラチン質を少しだけ溶かして表面の皮を包丁で剥がします。
切れ目を入れてすーっと引くと軟骨が出てきます。
この工程は実際に体験させていただきました。フカヒレ=高級品というイメージがあるのでどうしてもおっかなびっくりになってしまうのですが、ナイフで皮の表面をこすると皮が剥がれていきます。
骨を抜き取ったら最後に冷水で細かい皮などを洗い流して出来上がり。
私が皮を剥がせてもらったフカヒレも今頃どこかのフカヒレ商品の一部になっていると思います。
石渡商店の石渡久師専務から復興に至るお話をお聞きしました。
新工場は祖父がいざという時に山の方にも土地を買っていたという場所で、一部はゴルフの練習場として使っていました。
今年の3月には隣接する土地をバッティングセンターを作ろうと奔走していた方に貸し出すことに。気仙沼にバッティングセンターを作ろうとしている千葉さんの話はフォークシンガーのたかはしべんさんから聞いていましたが、こんなところでつながりがあるとは思いませんでした。
最後にフカヒレスープが振る舞われました。さっき見たフカヒレがこうやって商品になるのかと思うといつもよりちょっと美味しく感じました。
石渡商店さんの商品も販売されていたのでスープと姿煮とオイスターソースを買って帰りました。
なかなかふかひれの製造工程やサメの解体なんて見られるものではないので貴重な経験でした。
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