"いい投資"探検日誌 from 新所沢

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています

LIPマイクロファイナンスフォーラム2013にパネリストとして登壇しました

11月24日(日)に開催されたLiving in Peaceのマイクロファイナンスフォーラム2013にパネリストとして登壇させていただきました。

第一部、第二部のレポートは日を改めて書きたいと思いますが、まずはパネルディスカッションで私の話した内容についてあまり時間もなかったので補足したいと思います。

Q.マイクロファイナンスファンドに投資する際の決め手は?

 もともとムハマド・ユヌス氏がノーベル平和賞を受賞したこともあり、マイクロファイナンスというものに興味を持っていました。

 日本でもマイクロファイナンス機関に資金を提供するファンドが立ち上がると知り、今後のためにも最初の一本目として成功して欲しいと思いました。

 マイクロファイナンスへの投資がある程度高いリターンが出るというのは調べていたのですが、結局は為替のリスクもあるので最終的に円建てで元本が返ってくるかどうかはわからないと思いながらも投資することにしました。

 既にミュージックセキュリティーズのファンドには投資していたのでしっかりした業者だという事は知っていましたし、Living in Peaceの方ともマイクロファイナンスファンドの説明会に参加することでどのようなスタンスでマイクロファイナンスファンドを立ち上げようとしているのか確認することができました。

 高いリターンを前面に出すような方達であったなら投資はしなかったと思いますが、あくまでも途上国の貧困を解消するための手段として、日本人である私たちにできる事の一つとしてマイクロファイナンス機関へ資金を提供するという事を訴えていた事でこの人達は信用していいと思いました。

 

Q.元本が返ってきた時どう思いましたか?

ファンドが始まった時には1ドルが100円前後でしたが、その当時はそこから円安に向かうと思っていました。

基本的にカンボジアのマイクロファイナンス事業による元本割れというのは考えていませんでしたが、仮に多少ロスがあっても為替でカバーすることが出来るだろうと思っていました。

ところがファンドが始まるとどんどん円高になってしまい、ドル建てではプラスになるだろうけれども、最終的に円に戻した時にマイナスになってしまうだろうということを覚悟しました。

ところがさらに予想に反して2012年末から円安に向かい、全く予想もしていなかったくらいのプラスのリターンになったのには驚きました。日本初のマイクロファイナンスファンドとしては劇的すぎる逆転ゴールを迎えたと思います。

 ※カンボジア1は+22.4%、カンボジア2は+15.19%でした 

 

Q.被災地応援ファンドのような投資と寄付のミックスされたファンドへの投資についてどう考えているかとその他のファンドに投資する際に注目する点について

被災地応援ファンドは最初から半分が寄付となっているのでそこについてはなかったものと考え、残りの投資部分については事業内容や商品などを見ながら応援したい会社を探しています。

例えば斉吉商店さんは新聞記事で金のさんまのたれが津波で流された車から発見されたというのを事前に読んでいたので「あの会社だ!」と投資を決めましたし、北海道の霧多布にあるヤマジュウさんは私の出身地の隣町の事業者さんという事で投資を決めました。

あくまでも自分が儲けるのが目的ではなく、第一に事業者さんが成功して欲しいというのがあって、成功した暁には自分にも少しリスクをとって応援したご褒美がもらえるという気持ちで投資しています。

投資リターンが高そうだから投資するという選び方はしていませんが、逆にうまくいかないかもしれないリスクがあるとわかっていても、それまで現地にも行ったりして事業者さんとの交流を通じてなんとか成功して欲しいと強く思うに至ったファンドについてはあえてリスクを取っています。

元本割れしてもいいという気持ちは甘やかしではなく、やるだけやってもダメだった場合のリスクは被るという感覚です。

そこは投資として真剣に見ています。

こういったモチベーションはベンチャーキャピタルやエンジェル投資などにおける純粋な応援部分に相当すると思います。

ベンチャーキャピタルの場合はリスクをとった分、多くのリターンも期待することになりますが、今のところ自分はミュージックセキュリティーズで募集しているファンドに対して多くのリターンは求めていません。

気に入った投資先には見学会やイベントなどに訪問することもありますが、そこまでの交通費などを考えると投資で利益が出たとしてもたぶんペイすることはないと思いますが、それでも応援団として事業に関われるのは普段やっている仕事とは違った刺激を受けることができて楽しいです。

例えば、maneoのように中小企業に貸し付けるローンの資金を匿名組合で募集するようなスキームの場合は予め預金と比較すると高い利率が提示されているのと、担保が設定されていることも多く、投資として考えた場合に多くの金額を投資しやすい面はあると思います。(maneoについては社長が交代したことによる影響を様子見をしているところですが)

ミュージックセキュリティーズは事業者への共感やリスペクトといったコミュニティリターンを重視するのに対してmaneoは金銭的なリターンを重視しているように見え、そこに集まる投資家像や投資金額にも違いがあると思います。 

私はどちらにも投資していますが、自分の中でも性質の違う投資として区別しています。

 

Q.個人からお金を集めるクラウドファンディングだけでなく企業のCSR活動と組み合わせるのはどうか?

企業のCSR活動という意味だと投資という形ではなく合弁企業などといった形で現地に雇用を生み出したりすることもできると思います。

大和証券が販売している大和マイクロファイナンス・ファンドは200億円弱のお金を集めました。

これは規模の面から見ると素晴らしいことですが、残念な事に半年後には150億円、1年後には130億円と徐々に解約され、2年半後の今年の8月には80億円弱にまで減ってしまいました。

マイクロファイナンス機関への現地通貨建てローン債権に分散投資するという素晴らしいスキームなのですが、これだけ解約されてしまうとローン債権を満期前に売却することになり、結果的にマイクロファイナンス機関に迷惑をかけてしまいます。

お金がたくさん集まればいいという訳ではなく、どんなお金をマイクロファイナンス機関に届けるのか?しっかり長期的にお金を出せるのか?という事は考える必要があります。

企業のCSR活動は業績によって予算が左右される面もあるため、その辺りのことも考慮が必要だと思います。

 

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