趣味で投資信託を調べている中でモルガンスタンレーが実質運用している長期集中投資ファンドが日本でも公募投信になっていることを知りました。
それぞれ、バフェットの投資哲学を参考に運用している興味深いファンドだったので少額購入しながら自分に合うかどうか確認を始めました。
まずはアセットマネジメント Oneのこちらのファンドから紹介します。こちらは日本、先進国、新興国すべてを対象に世界中の株式に投資するファンドです。
グローバル・ハイクオリティ成長株式ファンド(愛称:未来の世界)
●投資哲学(Philosophy)
運用責任者は投資哲学を一言で表すと「成長企業に適用される、ウォーレン・バフェットの投資基準を実践することです。」と話しています。
*グローバル・オポチュニティ株式戦略 運用責任者インタビュー(モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント)より
トップダウンによる予想よりも、ボトムアップによる分析と定性的な判断により、より安定的に付加価値を創出できると考えます。また銘柄選択においては、以下のような特徴を有する企業に投資することが重要であると考えます:内在する持続可能な競争優位性(特許群、ネットワーク効果、コミュニティー効果など)、ブランドの高い認知度、利益率の高い事業に資本を再配分する能力、高いフリー・キャッシュフロー利回り。こうした特徴を有する企業は、長期的な成長と魅力的なリターンを継続的に創出する可能性を有すると考えます。
洞察力をみがくことが運用プロセスにとって大切であり、魅力的な投資対象の発掘には、指針となる運用方針、知性、運用プロセスの柔軟性をあわせ持つことが重要です。
*グローバル・オポチュニティ株式運用戦略(モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント)より
このファンドが採用している投資戦略のアクティブシェアは通常80%以上、標準的な組入銘柄数は30〜45、標準的な売買回転率は20〜50%となっています。
●人材(People)
このファンドが採用しているモルガン・スタンレー・ インスティテューショナル・ファンド・インク・グローバル・オポチュニティ・ポートフォリオの運用責任者はKristian Heugh氏です。インタビュー記事を読むと投資哲学がよくわかります。
グローバル・オポチュニティ株式戦略 運用責任者とのインタビュー
●運用プロセス(Process)
*販売用資料より
- 投資アイデアの創出投資
アイデアは個人およびチームでの継続的な活動から生まれます。投資アイデアを創出する活動として、 業界ネットワークおよび資産運用ビジネスにおける人的ネットワークの活用、リーディング・ネットワークの活用、投下資本利益率(ROIC)とフリー・キャッシュフロー利回りの重視、運用チーム内での議論、パターンの認識、伝統的なバリュエーション指標やカバレッジのバイアスの利用、そして既存の投資先に対する継続的な調査が挙げられます - ボトムアップによる分析とバリュエーション
投資先企業の事業クオリティ、成長性のクオリティ、リスク・リターン特性に関する見解が共通する銘柄を探すことで、投資アイデアを絞り込みます。バリュエーションにおいては、向こう3~5年のフリー・キャッシュフロー利回りを重視します。 - ディスラプティブ・チェンジのリサーチ
綿密なボトムアップによるリサーチを補完するために、運用チーム内のディスラプティブ・チェンジ・リサーチ担当者が、通常ではコンセンサスには程遠い大きな投資テーマや新しい投資テーマの調査を行います。例えば、ナノ技術、インフラ、世界的な水不足などです。 - ポートフォリオ構築および売買執行
リターンを最大化できるようなポートフォリオの構築を目指します。各銘柄のウェイトは主に、投資アイデアのクオリティおよび運用チームの確信度に基づき決定されます。各メンバーが銘柄選択をサポートし、通常、シニア・メンバーの3名のうち2名が最終的な意思決定に関与します。分散投資に留意すると共に、ポートフォリオがシステマティック・リスクではなく個別銘柄リスクをとるよう月次でファクター分析をレビューします。ポートフォリオは通常、30~45銘柄に投資します。
*グローバル・オポチュニティ株式運用戦略(モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント)より
●ポートフォリオ(Portfolio)
運用プロセスの図では約25〜50銘柄に投資となっていますが、3月30日現在で組入銘柄数は34となっています。銘柄数だけでなく上位10銘柄でポートフォリオの54.9%と半分以上を占めるとことからも集中投資っぷりが伺えます。
*月次報告書(2018.3)より
インデックスと比較すると自己資本利益率(ROE)、売上高成長率、資本利益率が高い銘柄でポートフォリオを構成しています。また、組入銘柄の売上高ベースの地域別構成は2030年のGDP予測と類似しており、将来の成長をポートフォリオの地域別構成にも取り入れています。
*販売用資料より
●パフォーマンス(Performance)
過去のパフォーマンスはMSCI ACワールドインデックス(配当込)と比較して良い成績を残しているようです。参考までに過去6ヶ月で同ファンドの騰落率が+5.98%に対して楽天VTこと楽天・全世界株式インデックスファンドは-0.95%です。
*月次報告書(2018.3)より
同一運用戦略のパフォーマンスは信託報酬控除前のパフォーマンスですので注意が必要です。
*販売用資料より
モーニングスターによると月次リターンもカテゴリー平均と比較して良い成績を残しています。
●信託報酬
年率1.836%(税抜1.70%) ※モルガンスタンレー・インベストメント・マネジメント・インクへの報酬 年率0.65%を含む
第一期の運用報告書によるとその他費用等を含めたコストは2.018%でした。
*運用報告書(全体版)より
●信託財産留保額
基準価額の0.3%
●純資産総額・限度額
2018年4月27日現在で純資産総額は2758.94億円、目論見書で定められている信託金の上限は5,000億円です。
モーニングスターで資金流出入状況を見ると今のところ資金流入が続いています。
●取扱販売会社
SBI証券、西日本シティTT証券、みずほ証券、三菱UFJモルガンスタンレーPB証券、楽天証券、中国銀行 (2018年4月28日現在)
ネット証券ではSBI証券、楽天証券が取り扱っています。