GPIFが年金運用においてクラスター弾製造社の株式を保有している事について高橋理事長がESGの課題になるとコメントしたそうです。
記事によると米国のクラスター弾製造会社テキストロンの株式を保有していることについて『「ESGの課題はほかにも数多くあり、運用会社がクラスター弾の優先順位をどう考えるかはそれぞれの判断」と述べるにとどめた。』 とコメントしていますが、先日GPIFが発表したESG指数はまだ日本株式を対象にしたもので外国株式は含まれていません。
また、日本株式を対象としたESG指数においても課題のある会社を除外する事は行っておらず、どの会社に投資するかはあくまでも指数算定会社の判断に委ねられており、その後は指数に応じて運用会社が実際に株式を売買しています。
基本的には市場全体に幅広く分散投資しようという考え方のようですので、ESGの課題は他にもあるので運用会社が判断することというちょっと投げやりにも聞こえる回答ではなく、課題のある会社に投資していたとしても議決権行使や対話を通じて改善を促すなどもう一歩踏み込んだ回答をして欲しかったというのが感想です。
追記:
パッシブ運用なので指数採用銘柄は自動的に買うことになっていて、特定企業への投資を止めることは出来ないと回答していました。
スウェーデンやオランダ、カナダでは議会が法律で明確に投資を禁じたり、独立の第三者委員会が関与して投資しないようにしているそうで、いずれ日本でもそのような議論が出てくるものと思われます。