ピクテ投信投資顧問が2月19日に運用開始する低コストアクティブファンド iTrust シリーズの基幹ファンドとも言えるファンドが「iTrust世界株式」です。
目論見書を見てピクテ・メジャー・プレイヤーズ・マザーファンドという名前を見たときに気づくべきだったのですが、このファンドと同じマザーファンドでした。
「ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヶ月決算型)」です。
こちらは購入時手数料の上限が3.24%(税抜3.0%)、信託報酬1.62%(税抜1.5%)と今までのピクテのファンドらしい手数料体系です。
2007年から運用実績を積み上げたアクティブファンドを低コストで登場させたというような発表でしたが、設計を長期投資向きに変更した上での再デビューだったんですね。
iTrust世界株式の交付目論見書を見てもポートフォリオなどわかりませんでしたが、兄弟ファンドがあるんだったら話は早いです。早速そちらから中身を確認してみます。
ポートフォリオ
2016年1月29日現在の上位10銘柄です。
ナイキ、アルファベット(google)、ジョンソン・エンド・ジョンソン、グラクソ・スミスクライン、ブラックロックなどグローバルに展開しているメジャーな会社がズラリと並んでいます。また、組入銘柄数は68でした。
ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヶ月決算型) 2016.1.29 月次レポートより
ちなみにSMT グローバル株式インデックス・オープンの上位10銘柄は下記の通りです。上位10銘柄ではジョンソン・エンド・ジョンソン、アルファベットの2社が重複していました。
実質コスト
1年間で0.332%の信託報酬以外の費用がかかっていました。iTrust世界株式では信託報酬が低くなっていますが、最終的な実質コストは年率1.2〜1.3%程になるのではないかと思われます。
ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヶ月決算型) 運用報告書より
売買回転率は半年毎に1.18倍(31期〜32期)、1.09倍(33期〜34期)でしたので1年通すと2.27倍でした。
パフォーマンス(運用実績)
モーニングスターで類似ファンドと過去5年間のリターンを比較してみました。
比較対象として、同じように日本を含む世界の株式に投資するセゾン資産形成の達人ファンド、日本を含まない先進国株式インデックスに投資するSMT グローバル株式インデックス・オープンを選びました。
あくまでも参考としてですが、iTrust世界株式になって信託報酬が約0.6%下がる分リターンが上乗せされたとしても、セゾン資産形成の達人ファンドが優秀だったという結果になりました。
ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヶ月決算型) セゾン資産形成の達人ファンド
SMT グローバル株式インデックス・オープン
同じくモーニングスターでスナップショットを比較してみました。
ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンド(3ヶ月決算型)
セゾン資産形成の達人ファンド
SMT グローバル株式インデックス・オープン
結果から言うと実質コストもセゾン資産形成の達人ファンド並みになりそうですし、私の積立ファンドを変更する程ではなさそうというのが現在の見立てです。
ちょっとだけ買って様子見しつつ今後に期待です。
追記
菟道りんたろうさんがブログで書かれているように私も受益者向けコミュニケーションiInfoにはとても期待しています。
iTrust世界株式にそそられる理由-「iInfo」がとても気になる - The Arts and Investment Studies
ピクテ・メジャー・プレイヤーズ・ファンドにおいてもファンド・ウォッチと呼ばれるレポートをマメにリリースしており、投資家向けの情報提供に積極的な面がありましたが、個人投資家と直接コミュニケーションを取りながら投資教育にも手を出すという点には魅力を感じています。
世界のメジャー・プレイヤー企業への投資魅力 | メジャー | ピクテ投信投資顧問株式会社
そういう訳で私もiTrust世界株式は購入していますし、ファンドだけでなく周辺の取り組みまで含めて総合的に期待しています。