11月24日にLiving in Peace主催のマイクロファイナンスフォーラム2013が開催されました。
開催日時:2013年11月24日(日) 14:30〜18:00
場 所:日本財団ビル
第一部 マイクロファイナンス貧困削減ファンドが実現したこと
第二部 少額投資による資金調達の状況
第三部 新しい資金調達手法としてのクラウドファンディング
フォーラムの様子を私のメモを元にレポートします。第二部の後半ではLiving in Peaceの研究発表がありました。
【概要】
- マイクロファイナンス機関(MFI)への資金の出し手は様々だが、新興国においてはトップランクMFIを国が優遇したり、損を許されない国際機関にとっての融資対象となっていたり大手MFIへの資金が中心である
- 交通の便の悪いような地方において貧困層が利用する地域の金融機関として中小規模のMFIが求められている
- Kivaのようにクラウドファンディングで中小規模のMFIへの資金を調達する方法においてもメリット、デメリットが存在する
慎泰俊氏(NPO法人Living in Peace代表)
中小マイクロファイナンス機関(MFI)のクラウドファンディングについてお話します。中小MFIの資金はまだまだ足りていません。
資金調達は財団や非特価型ファンド、国際機関が中心ですがMFIへの投資に特化したファンドもあります。また、大手MFIも資金の出してになっています。大手MFIファンドではなだらかなリターンを残していますが、これはMFIへの融資という特徴から基本的に安定したパフォーマンスになります。ヨーロッパからの資金が多いですが、アメリカでもeBay創業者が投資とNPOの両面で資金を出しています。
信用情報を共有し、集まったお金を大規模MFIへ融資しますが、中小マイクロファイナンス機関にとっては大き過ぎるロットなのが問題です。金融機関がつぶれる理由は資金の借り換えに失敗したものが多く、小さな金額での資金調達が求められています。
途上国にありがちな姿として、早く立派なMFIをとトップランクのMFIを国が優遇したり、国際機関はリスクに敏感であるため、トッププレイヤーにだけ投資するという傾向があります。
先進国では金融業はだいたい4社くらいで占めるのが普通ですが、途上国はトップ1社だけ大きいことが往々にしてあります。そういったやりたい放題の時にストップをかけられないことから中小規模のマイクロファイナンス機関は貧困層に利用されています。交通の便が悪かったりする地域にも地域の金融機関が必要なのです。
kivaは16億円くらい資金を調達していますが、これらの資金は中小規模のMFIで使われています。しかし、この仕組みにもメリット、デメリットはあります。
メリット
- お金を集めやすい
- 金利が低い(場合によっては無利子)
- 投資家から10%で借りて30%で貸している
- モチベーションあがる
デメリット
- 対応コストがすごくかかる
- 為替変動リスクを中小マイクロファイナンス機関が負う
- 借り手のプライバシーの問題
- 顧客のストーリーを集めるのは行員さんの人件費に跳ね返る
- 共感を集めるために人件費がかかる
個人的に中小MFIが生き残ることも必要と考えています。
【関連記事】
マイクロファイナンスフォーラム2013レポート(1) 第一部講演 慎泰俊氏
マイクロファイナンスフォーラム2013レポート(2) 第一部講演 小松真実氏