いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。2017年に所沢から八女に移住しました。

日本コムジェスト×セゾン投信共同セミナーレポート(3) 中野晴啓氏×アルノー・コッセラ氏対談

4月19日(土)に日本コムジェストとセゾン投信の共同セミナーが開催されました。セゾン資産形成の達人ファンドにも組み入れられているニッポンコムジェスト・ヨーロッパ・ファンドSAの運用を担当されているアルノー・コッセラ氏がパリから来られるという事で楽しみにしていたセミナーです。

レポート最終回は中野さんとアルノーさんによる対談です。中野さんが例によって話しすぎて通訳をやっていた鍋島さんが大変そうでした(笑)

とても良かったので、今後もこういった達人ファンドに組み込まれたファンドのマネージャーさんのお話を聞ける機会があると嬉しいです。

日時:2014年4月19日(土) 13:30〜15:30

演目:日本コムジェスト×セゾン投信共同セミナー
   【セゾン資産形成の達人ファンド】組み入れファンド『コムジェスト』を知る!
講師:アルノー・コッセラ氏(コムジェスト・グループ取締役兼副CIO)
   鍋島宣総氏(日本コムジェスト代表取締役)
   中野晴啓氏(セゾン投信代表取締役社長)

会場:ホテルサンルートプラザ新宿【芙蓉】

中野(セゾン投信):

今日はアカデミックな雰囲気でしたね(笑)。どういうビジネスに成長があるか、未来が見られるかという話でしたがこれが投資の王道です。すぐ相場の動きに目が行きますが、長期投資は相場から目を離してどういうビジネスにお金が向いてどういう価値を与えているのかそこが一番大事なサイクルなんです。

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どんな運用でそれを実現したらいいかというと運用する人への信頼。俺は相場に勝てるぜという人は止めたほうがいい。全員相場に関して謙虚でわからないというのが正直なところなんです。僕も相場について聞かれるので筋書きは言えますが2回に1回は外しますし、これが普通です。相場見通しでちゃんとした結果を出せるというような人は長期投資には向きません。

達人ファンドの1/4はアルノーさんのファンドに投資しています。だいたい30億円くらい。設定から6年くらい運用していますがそのお金は一度も売ったことがないんです。常に入れてばかり。1000万円、2000万円という金額で長い時間をかけて30億円を積み上げてきました。こういうお金について受け取る側としてどうですか?

アルノー(コムジェスト):

長期投資ということで優秀な企業に投資するということは長期的な観点で考えた方がいいと思います。株式市場は企業に価値があるか認めるのに時間がかかります。どういった価値をもっているかはある程度時間がかけて反応するのにです。そういった割と長い時間軸の投資ができるお金があってこそ一段と成長していくし配当にもなります。

そういった私どもに長期的にお金を投資してくださるという事は最終的なパフォーマンスに跳ね返ってくると思います。

長期投資として一つの例としてコカコーラがあります。

1919年に上場して以来利益成長は年率10.5%でした。上場当時1$投資していたとすると現在は4000倍になっています。なぜかというと利益成長は10.5%ですが、複利効果のため株価は15%の成長をしたからです。配当を再投資することでさらに資産が拡大したことになります。実際はなかなか優秀な企業を知らない人が多いですが。

中野:

アルノーさんはおしゃべりだと思い出しました(笑)。毎月積立で1万円投資したうちの2円がこの会社なんだと感じられると経済活動に参加している実感がわくと思います。

鍋島さんも慌ててますが、何でコムジェストに入社されたんですか? 

鍋島(日本コムジェスト):

20年くらい運用業界にいますが非常にわかりやすい会社でした。昔は株価はなぜ上がるか?という価値観でニュースが出た、誰か言ったとかそういうのに注目していましたし、そういう会社にいました。

毎年年初に有力な銘柄というのを出す新聞がありますがたいてい外れます。日経平均は225銘柄がどれだけ利益成長するか考えて当てないといけなません。それに株価に反映されるまでのタイムラグもあります。

この会社の運用の仕方に共感して入社しました。なぜ運用パフォーマンスがでるのか?なぜ投資してほしいのか営業の立場で積極的に話しやすいんです。入社前にセミナーにも参加してみましたがカントンさんの話を聞いて面白いと思い、運用とはこういうものだとわかったので門を叩きました。

中野:

こういう会社って世界でも少ないんです。ここ10年くらいはヘッジファンドが主流になっていますし。50年前からやっている王道をつらぬいている会社を探すのは大変ですが、その中にコムジェストが入ってきたのが大変なこと。苦労して出会ったマネージャーで主流ではないけれども歴史的な王道のど真ん中。これに価値をみなさんが感じてくれたら嬉しいです。

どうやって会社の価値を見いだしにいくのか?というと現場を見ないといけません。グローバリゼーションの中で価値を出す会社では例えばフランスの会社でもフランスだけでは完結しません。こういうリサーチは大事で日本の会社であっても海外のビジネスを見に行くことはなかなかできません。そういうのをどうやっているののですか?

アルノー:

会社の調査についてアナリストは何をしているのかというと現場にいくのが大事です。

四半期毎にミーティングをして業績を聞く以外にお客様や競争相手の考えを知ることが大事でフランスの会社であっても海外に工場があればちゃんと運営されているか確認します。ヨーロッパ企業の調査をしていますがアジアや南米にも出かけて調査しています。今日、一緒に来ているアリステアもこの後2日くらい上海に行ってエシロールの工場を視察したり、いくつか投資先の会社のオペレーションを確認します。

中野:

自分は50歳になりましたが全然若くないと言われました。応援しているよと言われるけれども、同時にいつまでやるの?とも言われ始めました。中野の後はちゃんと引き継いでくれるんだろうねという当たり前のことです。カントンさんから引き継いだと思いますがコムジェストの場合はどうでしたか?アルノーさんも49歳で若くありません。同じ事を考えないといけないと思いますが。

アルノー:

長期投資ということで20年、30年投資していただくという事が会社の経営がリタイアすることによって運用が変わり、投資家の皆さんにご迷惑をかけることになるかもしれません。

コムジェストでは既に第一世代目の人間は引退しました。今は彼の意思を引き継いで50歳前後のシニアの人間が経営していますが、既に第三世代、ここにいるアリステアのような中堅へと人を揃え、若いうちから運用哲学を叩きこむことで創業者の考えを引き継ぐような経営をしています。

【質疑応答】

Q. 株式に投資する際の売買はどうしていますか?

アルノー:
投資する立場としては知識と辛抱強さが必要です。確信度があれば投資していきますが株価が適正でなければ1年でも3年でも待ち続けて投資することになります。短期的な株価が下がってもビジネスに揺るぎがなければ投資し続けます。

 

Q. どういう経済誌がおすすめですか?

アルノー:
エコノミスト、市場のことを知りたければバロンズ、インテリジェントインベスターもおすすめ。

中野:
家にいるときはBloomberg TVをつけています。順番にぐるぐるしているので世界の動きを体感できます。私見ですがCNNよりいいと思います。

 

Q. 成長予想が外れた場合の銘柄入れ替えの基準について教えてください。

アルノー:
売りの基準についてお話します。四半期毎にデータを調査して全体として利益予想を5年先までたててチェックし、成長力が落ちたりするとポジションを低くしたりしています。

また、成長性以上に買われていたら全売却することもありますし、成長が見込めなくなれば売却します。売却するとキャッシュができるので調査した銘柄の中で買ったり、買うものがなければ辛抱強く待ちます。

中野:
今の話にも出てきましたが5年後のキャッシュフローを予測しています。20年、30年やりましょうといっているので勘違いする人がいるかもしれませんが、30年先の予想をして当てに行くのは不可能です。現実的に長い先を見据えていても5年というのはまっとうなスパン。その中で間違いも出てきます。そこで修正することも大事な話です。

 

Q. コムジェストは同じ人間が長く勤務されると聞いてますがヨーロッパでは普通のことなのでしょうか?社員全員が株主とも聞きましたがそれも関係していますか?

アルノー:
初めて中野さんとお会いしたのは澤上さんからの紹介で、カントンさんが結構前から知っていたので紹介いただきました。中野さんの会社のビューと共通点が多いということでコムジェストのファンドに投資いただくことになりました。年に1、2回日本に来ているので中野さんとも都度会っています。

コムジェストは独立系の運用会社ですが株主は従業員です。ほぼ全員、株式があるがゆえに自分の会社だという意識になり、会社への忠誠心が高くなります。金融機関は転職が多いのでコムジェストは珍しいケースです。自分のファミリーだと思って離れることが少ないのです。

中野:
珍しい会社でそんなに多くありません。独立系というのは世界でもいくつもあって繁栄しているのはここ30年くらいです。今ではバンガード、フィデリティ、キャピタル、フランクリンテンプルトンのような素晴らしい独立系の運用会社があります。

ただ、創業者が株を手放した時に不幸が訪れ、素晴らしい運用会社が大手投資銀行に買収されて中身は強欲投資銀行になっちゃったものも多いのです。コムジェストはその中で生き残っているように僕らもそうならないといけないと思います。

コムジェストの存在は知っていましたが日本で出会えると思っていませんでした。澤上さんが欧州時代の知り合いだったカントンさんを口説いて日本に来るから待っとれと言っていましたが本当に来たので有無を言わさず投資したいと思いました。カントンさんもなかなかの人。うっかりかもしれないけど(笑)。

 

Q. バンガードにはETFがありますがコムジェストにもETFはありますか?

鍋島:
日本の投資家が買えるのは金融庁に登録されたもののみとなっています。日本のコムジェストが運用しているのは機関投資家向けのファンドだけなので日本の投資家がいいと思ったら組み入れている投信を購入してください。

欧州では個人でも買える投信はありますが法律上の問題もあって直接販売はしていません。

 

中野:

長期投資家同士としてどういう心持ちでいるといいか最後に皆さんへメッセージを

 

アルノー:

長期投資家ということで2つのポイントあります。資産をふやすというのと社会貢献です。利益も出ますが限定されたいい会社に投資することで社会に貢献することにもつながります。株式投資においては長期的に投資することが重要です。投資されたお金は巡り巡って事業やファシリティや人に投資されていきます。

引き続きセゾン投信やコムジェストをお願いします。

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