いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

「セゾン資産形成の達人ファンド」コムジェストを徹底分析!セミナーに参加しました

昨日はセゾン投信×コムジェストのセミナーに参加しました。

「セゾン資産形成の達人ファンド」コムジェストを徹底分析!

 日時:2015年4月17日(金) 19:00〜21:00
 場所:日経 大手町セミナールーム2
 講師:アルノー・コッセラさん コムジェスト・グループCIO兼取締役
    アリスター・ウィテットさん コムジェスト ポートフォリオマネージャー兼アナリスト
    鍋島宣総さん 日本コムジェスト代表取締役
    中野晴啓さん セゾン投信代表取締役社長

セゾン投信は2本のファンドを運用していますが、そのうち世界中にアクティブ運用する「セゾン資産形成の達人ファンド」に組み入れているコムジェストの運用について学ぶセミナーです。

昨年も新宿で開催され、今年は東京(4/17)、名古屋(4/18)、大阪(4/19)と3日連続のツアーが組まれています!中野さんのお話は全国どこでも聞く機会があるかと思いますが(褒め言葉です)、コムジェストの運用を直接聞ける機会はそうないので貴重だと思います。

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セミナーの内容は概ね昨年の内容と変わりないので詳細レポートはしませんが、いくつかメモをシェアします。質疑応答で日本の債務問題や欧州景気に関する質問も出ましたが、「私たちが見ているのは個別の企業であって国ではないのでわかりません」という回答は潔く、聞いていて気持ちよかったです。

また、心に残った印象的な言葉は中野さんの次の言葉でした。

「銘柄を頻繁に入れ替えない長期集中投資のファンドにこそ産業を支える資本としての役割がある」

投資の原点にもつながる心意気ですよね。皆さんにもこの気持ちを持って欲しいと熱く語っていました。

中野さん

  • セゾン資産形成の達人ファンドは地球経済にまるごと投資する中でも選別する投資スタイル 
  • 日本にいて世界に投資するよりも地元のマネージャーに任せるマルチマネージャー運用をファンドオブファンズで実現
  • 大切にしていることは「世の中に常に付加価値を提供し続けている会社」「(頻繁に)買ったり売ったりしない」
  • 産業を支える資金を提供することこそ産業資本としての長期投資
  • 「当たり前のことを当たり前にする」そうした社会的存在意義を皆さんにも一緒に持って欲しい

アルノーさん

  • コムジェストは創業30周年。「長期投資家」であり、「独立性」を持っている
  • 長期投資はリターンを出すのにも社会にとっても重要な要素。独立性というのは会社の資本(株主は役職員のみ)であったり、インデックスからの独立性でもある。
  • 株式市場は短期的に合理的でないため規律が必要
  • ヨーロッパにも様々な問題があるが見ているのは個々の企業で構造的メガトレンド(高齢化、デジタル化、消費の二極化など)に沿った銘柄に投資
  • グローバル株式ポートフォリオで日本に約30%割り当てているように(インデックスは10%)日本にも優れた企業がある(ファナック、キーエンス、ファーストリテイリング、浜松ホトニクスなど)

アリスターさん

  • INDITEXは世界最大のファーストファッション企業で代表的なブランドはZARA
  • 強みはモロッコ・スペイン・トルコなど近場で生産しているのと企画から店頭販売まで他社は6ヶ月かかるところを2~5週間と早いこと、そして店長に権限を与えているので店舗毎に品揃えが異なるなど店によって個性がある
  • ARMは半導体メーカーで省電力に強みがあり、モバイルデバイスで大きなシェアを持っている
  • 今やサーバー本体よりも電力の方が高いこともあり、デバイスの省電力化は成長産業。モバイル製品でも省電力が求められ、スマホで95%、タブレットで85%のシェア。IOTの時代に向けて今後も期待している。

質疑応答

Q.この銘柄はだめだと思った時にどうしますか?

A.

毎年5~6銘柄に投資して2~3銘柄が長期保有になります。つまり、3~4銘柄は売却しています。重要なのは投資した企業を理解し、どこで売却するかということです。例えばPRADAはスピード感のある成長をしていましたが、急に伸びすぎて成長が止まりました。そうすると株価は停滞ではなく下落します。このような場合はいい企業であっても売却します。

Q.ギリシア問題やスコットランド独立問題を抱えるイギリスについてどう考えていますか?

A.

4年前と違ってギリシアがユーロから離脱する可能性は現実性を帯びています。でも、実際に出て行っても返済はユーロ建てなのでギリシアにとって良いことではないでしょう。もちろんリスクはありますが対応できない問題ではないと考えています。

イギリスの総選挙は今回も単独政権という事にはならないでしょう。でも、これまでの4年間連立政権でやってきたので続けることはできると思います。スコットランドは前回の国民投票ではUKに残ることが選択されました。その後も独立派の人気は高まり続けており次に投票を行った場合は独立となる可能性があります。経済的にはスコットランドの規模は小さいためUKにとって大きな問題とはならないでしょう。

中野:

ギリシア問題は4年前はどうしたらいいのか誰も答えを持っていなかったので不確実なのがリスクとされました。今は誰がどの程度の債務を持っているか把握されていて影響度合いもわかっていると思います。そういう意味において大きなリスクとはならないのではないでしょうか。

 

Q.ECBが金融緩和をしてドイツの株価が上がっていますが投資先にあまりないように見えました

A.

ECBの金融緩和で過去6ヶ月欧州の株価は上昇し、ドイツの株価がその中でも一番上昇しました。市況銘柄が多く、楽観的な投資家が投資をしています。日本においても円安の影響で株価が上昇しましたが実体経済への影響は未だ不透明です。私たちは景気に関係なく構造的メガトレンドにのった利益成長の見込める銘柄に投資します。

 

【関連記事】

昨年開催されたセゾン投信×コムジェストセミナーのレポートです。アルノーさんのお話の詳細はこちらを見ていただくとよいと思います。