セゾン投信がフィデューシャリー宣言を公表しました。
フィデューシャリー宣言とは資産運用業者としてお客様の為にのみ運用業務を行い、専ら長期投資に努めることを公約し、公表したものです。
セゾン投信は2015年8月26日付で、フィデューシャリー宣言を行い、投資信託運用業者として「お客さまのため」にのみ資産運用業務に従事し、専ら長期投資に努めることを公約致しました。
また、それを実践するにあたって、当該事業継続に必要な合理的報酬のもと、一切の利益相反行為を排除することを確約し、すべてのお客さまに向けて明文化し公表致しました。
運用会社としてはHCアセットマネジメントに次いで2社目、投資信託を運用する運用会社としては初めての宣言です。
フィデューシャリー宣言は下記の4項目からなっています。
- 長期資産形成
- 利益相反行為の回避
- 報酬等の合理性
- 遵守体制
いずれもセゾン投信の会社としての根っこの部分で中野社長がセミナーなどでも口を酸っぱくして話していた内容です。運用会社として「お客さまのため」にのみ資産運用業務に従事し、専ら長期投資に努めることを公約しています。
HCアセットマネジメントが21日に日本初のフィデューシャリー宣言をした時にはびっくりしましたが、セゾン投信がすぐに追随したことを受益者の一人として誇らしく思います。
また、こうした宣言を出すことでいずれ来る中野社長の後任に経営がバトンタッチされても脈々と会社経営の根っこが引き継がれるのではないでしょうか。(私たち受益者も変なことをした時にそれはこの宣言に則っていますか?と言いやすくなります)
これは会社としての宣言になりますので「お客様」が「投資家」なのか「販売会社」なのかはっきりしない運用会社にとってはなかなか出せない宣言ではないでしょうか。(表向きはお客様=投資家だという事になっていると思いますが)
報酬等の合理性という面で言うと、投資対象の期待リターンに対してどの程度の比率の報酬をもらっているのか今一度冷静になって考えてみて欲しい運用会社がたくさんあります。
低コストなファンドを一生懸命作って下さっている運用会社がファンド単体では赤字でも低コストファンドを償還せずに頑張れるのは高コストな商品がたくさん売れているからという背景は否定できない事実だと思います。
純資産額が積み上がった場合に信託報酬の販売会社取り分を増やすファンドが数多くありますが、受益者にも還元しようと考えたことはないのでしょうか?無闇に低コストなファンドを求めているのではなく、純資産額が増えた場合に販売会社に対して報いるのであれば、投資家にも還元して欲しいのです。
純資産額が増えた時に販売会社だけメリットがある仕組みというのは運用会社にとってのお客様が「販売会社」だと言っているのと同じではないでしょうか。
スチュワードシップ・コードもコーポレートガバナンス・コードも本来わざわざ言わなくてもやっていて欲しいものでした。フィデューシャリーデューティーの遵守も同様に運用会社であるなら本来あるべき姿なのだと思います。
ぜひとも実態を伴ったフィデューシャリー宣言が運用会社各社からなされる事を期待しています。