いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

株式会社eumoについて 〜第1回 eumo world(eumoお披露目会)参加レポート 前編〜

元鎌倉投信の新井和宏さんが設立した株式会社eumoのお披露目会が11月29日(水)に国際文化会館 岩崎小弥太記念ホールで開催されました。

株式会社eumoについて

まず最初に新井和宏さんから株式会社eumo(ユーモ)の会社概要の説明がありました。社名のeumoはギリシャ語で持続的幸福を意味するEudaimonia(ユーダイモニア)を略したもので、ポイントの名前にしやすいように短い名前にしています。

持続的幸福を簡単に言うと「生きがい」の事で、ライフシフトの時代の中で働きがい、生きがいを表現しました。eumoに関わる全ての方々に持続的幸福に気づく機会を提供していきたいという願いが社名に込められています。

eumoでは皆さんと一緒に新しく共感資本社会を作っていくための事業を行います。

設立は2018年9月13日で、主要メンバーは下記の通りです。トビムシ代表取締役の竹本さんには地方創生観点での取り組み、ユーダイモニア研究所の水野さんは幸福度に関する基礎研究を行っており、すべてのステークホルダーが幸せになる仕組みづくりで連携していきます。

取締役

竹本吉輝(株式会社トビムシ代表取締役)
水野貴之(一般社団法人ユーダイモニア研究所代表理事)

監査役

小林洋光(ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス シニアリーガル)

最幸顧問

前野隆司(慶應義塾大学大学院SDM研究科 教授)
福島保(元ベネッセホールディングス 社長)
三好洋子(オトナ思春期をデザインするプロジェクト 理事長)
岩波直樹(株式会社ワークハピネス 取締役)

特徴的なのが最幸顧問。最高ではなく、最も幸せな最幸です。最も幸せなので給与は出ないそうです。

eumo設立に至ったワケ

今年の春、これまで鎌倉投信が未上場の会社へ社債投資をする際に財務代理人を務めていた三菱UFJ信託銀行が法人融資部門を三菱UFJ銀行へ譲渡する事が発表されました。

鎌倉投信ではこれまで5000万〜1億円程度の社債を引き受けてきましたが、メガバンクである三菱UFJ銀行では小規模すぎるという事で今後財務代理人を務めてくれなくなりました。これにより新たに未上場の会社に社債投資が出来なくなった他、これまで社債へ投資していた会社の借り換えも出来なくなりました。(一番最初に発生するのは2022年6月)

もう一つの理由は投資先のIKEUCHI ORGANICにベンチャーキャピタルからの資本が入っており、買取期限が今年の9月末だったことです。鎌倉投信の受益者総会でも話がありましたが、この株を引き取るために9月中にeumoを設立し、ベンチャーキャピタルへIKEUCHI ORGANICの株式を買い取る旨を宣言しています。

 

既に2年ほど前からユーダイモニア研究所とは協力していたものの、今年の6月頃新井さんがサッカーのワールドカップを見ていてアイスランドが35万人の国で一つの経済圏を成しているのを見て、35万人の共感、経済圏なら自分でも作れるのではないかと思ったのが具体的に会社を設立しようと思った時期だそうです。

ネットで検索して一番安い方がいいという事ではなく、それとは全然違う価値基準の経済圏の方がいいのではないかという考えです。このようなきっかけもありましたが、お金をデザインする時代がやってきたと感じ、テクノロジーを使って本来あるべき姿の通貨を作ろうとしています。

それは社会のためになるような通貨で、若い人達に鎌倉投信で今までやってきた事をやってもらい、新井さんは新たに人や売上を作るプラットフォームを作りだすことへ踏み出すことにしました。

共感資本を集める仕組み

eumoは共感資本社会の実現を目指し、「共感資本を集める仕組み」と「共感資本を配る仕組み」を持ちます。共感資本を集める仕組みとして経営と所有を完全に分離するため、議決権のある普通株と議決権のない優先株の2種類の株式による資金調達を行います。

議決権のある普通株は組合員のようにeumoの活動にコミットする人に発行されますが、あくまでも議決権は一人につき一票しかありません。これは創業者の新井さんを含めた普通株を持つ人全員がそうで、出資した金額の多寡に関わらず全員一律の議決権を持ちます。これは共感でお金を集めるための仕組みです。

こうする事によりeumoには支配的な株主が存在しないことを意味し、eumoではこれを「株式会社の組合方式」と呼んでいます。株式を保有する人と経営に関心を持つ人の乖離が問題になっているアメリカでは既にグーグルなどが優先株を上場しています。

議決権なしの優先株は事業を共感、応援する人に向けて発行され、配当金はありませんが株主優待としてeumoの電子ポイントが付与されます。

出資の例

Aタイプ(一緒にやりたい株主)

 普通株:100万円 ※eumoの活動にコミット、議決権は一票
 優先株:900万円

Bタイプ(応援したい株主)

 優先株:1,000万円

2018年11月現在のeumoの資本金(資本準備金含む)は5,300万円で、2019年には法人を中心に5億円規模まで増資を計画しています。今回、私もeumoに出資させていただきましたので共感資本社会の実現に向けて微力ですが出来る事をしていきます。