3月12日にセゾン投信の第10期運用報告会 in 東京に参加しました。その中で中野社長からセゾン投信の新しい挑戦としてiDeCo参入についてお話がありました。
これまで直販を貫いてきたセゾン投信が楽天証券を通じてiDeCoに参入したのはどういった理由だったのでしょうか?
楽天証券を通じてiDeCoに参入した理由
中野:
iDeCoについて関心のある方がお客様に多くいらっしゃいます。セゾン投信が標榜する長期投資を心地よく60歳までやめられない制度であり、ここに気持ちよく長期投資したい方が参加できる場所を作りたい、それをビジネスモデルとしてどう展開するか考えました。
セゾン投信ではこれまで直販を貫いてきましたし、ベストは直販だと考えています。
であればそこに参加するのがベストだと胸を張って言えるところにお客さまを誘うのがセゾン投信流だろうと、結果としてiDeCoは楽天証券を選択しました。
サービス全体のクオリティが日本一ですし、会社自体の取り組み意欲が極めて真面目で、一緒にやっていくにあたってトップ同士の話し合いで決めました。社長の楠 雄治さんとは飲み友達なのですが、早い段階で今度制度拡充するから楽天証券として真剣にやろうと思っている。一緒にやろうと言われていました。
もちろん友達だから選んだのではなく、言うだけでなくどう行動するのか見ていたら構想が極めて真面目だったんです。 iDeCoはほとんど無料のサービスで、メニューも真面目なものを整理して、わかりやすくちゃんとしたものを取り揃えたと思います。
これは極めて誠実な事であろうと思いますが、楠さんの言葉が非常に響きました。
「たぶん5年たっても赤字、10年たっても黒字にならないと思う。でも、この制度を使って世の中の生活者を支えていくことは立派な社会貢献だ。結果として楽天証券の企業価値を高める。」
同じ想いの私もがっちり組んで徹底してやっていこうというのが今の姿です。
感想:
セゾン投信としてiDeCoに取り組むにあたってベストの選択はなんだろうと考えた結果、赤字が続くだろうがiDeCoの制度を通じて生活者を支えていくのは立派な社会貢献で楽天証券の企業価値を高めるという楽天証券の楠社長の想いに応えたという事でした。ネット証券ではSBI証券もiDeCoに注力していますが、楽天証券とでは対応の仕方が明確に違うと思います。私もセゾン投信のファンド取扱をきっかけにiDeCoを楽天証券に移管しました。
一物一価へのこだわり
中野:
今回、楽天証券のiDeCoもゆうちょ銀行においても一物一価が理念で販売手数料もなく、信託報酬も全部同じです。ここにはものすごくこだわりがあります。iDeCoにしてもネット販売にしてもそこに差がありますか?
一人一人の真面目な生活者の思いには差がないので差別してはいけません。等しく平等で無ければいけないフィデューシャリー・デューティそのものです。こっちとあっちで違ういうことはあってはいけないんです。
業界のスタンダードはなぜか専用ファンドが当たり前ですが、この合理性をどこに見いだしますか?なんの理由で違うんでしょうか? 一緒でないとおかしいんです。
楽天証券からもiDeCoに参入するにあたって専用ファンドですよねと言われましたが、それを要求されるならやらないと断りました。そこはすごく強い理念を持っています。
当たり前の事ですが、お金持ちもそうでない人も老若男女平等を貫いていきます。11年目に入るセゾン投信はさらに純度を保ちながら1兆円のファンドを目指して第二ステージへ進んでいきたいと思います。
感想:
セゾン投信といえばいち早くフィデューシャリー宣言をするなど中野さんの熱い想いもセットになっていますが、外販を始めても一物一価へのこだわりは変わりませんでした。もちろん、安い方がいいという意見もあるでしょうが私は一本筋の通ったセゾン投信のやり方を支持します。