長野県松本市で木を使う社会の仕組みづくりに取り組んでいるソマミチという団体があります。代表を務める柳沢林業の原薫さんと知り合いになったのをきっかけにソマミチを知り、定期的に開催されているツアーに参加したいと思っていたのですが、4回目のイベントでようやく参加することが出来ました。
4回目は長野県大町市にある荒山林業さんのカラマツ林にスノーシューで向かうというものでした。山仕事創造舎の香山由人さんと荒山里利さんの案内で北山の森を歩きました。
春間近の山は根開きという木の回りだけ雪が溶けている状態でした。
登っていく途中に地層が見える場所がありました。火山灰で出来た痩せた土地にまず赤松が生え、根が土をほぐしていくうちに良い土になっていくそうです。その説明を聞いてブラタモリのようだ!と個人的に盛り上がってました。
広葉樹が多いですが、杉や檜も一部植えられています。
杉の葉はツルツルとしていて雪が落ちやすい種類だそうです。杉にも色々種類があるとは聞いていましたが、こうした地域性もあるんですね。
95年生のカラマツ林です。人が植えた木と天然林をどちらも丁寧に育ててきた気持ちのいい空間でした。西粟倉の百年の森でも感じましたが、丁寧に長い年月を重ねた森には不思議な気持ちよさがあります。
カラマツを中心に広葉樹も自然を生かしながら育てている針広混交林です。
理利さんや山を手入れしてきた香山さんの木1本1本への愛が溢れる話を聞きながら早稲田学友会小屋へ向かいました。
お昼のソマメシ。酒粕入のお味噌汁が美味しくて、その後うちでも作るようになりました。
早稲田学友会小屋でトークセッション。ソマミチのメンバーやツアー参加者で木を使うことについて話し合いました。
木目が美しいカラマツ材。
年輪がとても美しいカラマツの枝の輪切り。
林業に興味を持ってから杉、檜、広葉樹の山や製材所などを見学してきましたが、北海道にいた子ども時代に一番身近に存在した林業はカラマツでした。そういえばパイロットフォレストの看板を見たことがあったような・・・
すっかり林業といえば杉、檜な感じになっていましたが、カラマツの魅力にも目覚めたツアーでした。木を大切に育てている山主さんや山に関わる人達の話を聞いて営みとして持続できる程度には日本の林業を維持していきたいと思いました。
戦後の拡大造林によって作られた木の畑でもある山を今後どうしていくのか、使う時期に入った今こそグランドデザインが求められていると思います。
松本で出会った人達はほとんどが木に関わる仕事をしている人達でした。様々な分野の人達が一緒になって木の価値を生み出そうとしているソマミチもそうですが、ツアーに参加してきた人達の熱量をとにかく感じたツアーでした。こんなに気にしている人達が集まるのってすごいなと思いました。