有楽町に出掛けた際に東京国際フォーラムでCROSS LAMINATED TIBERIZE -CLTはじまりました-というCLTの展覧会が開催されているのを見つけ、以前から興味があったので偶然の出会いに感謝しながら見てきました。
CLTとは板の層を縦と横に直交して接着することで強度、耐火性などを兼ね備えた厚形パネルで、海外では既にCLTを使った木造のビルなどが次々と建築されていて、日本でもこれから本格的に利用が始まろうとしているところです。
国内でのCLTの利用事例が模型で展示されていました。
断面を見てみるとわかるように縦と横に向きを変えた板を接着することで強度を確保。木材はコンクリートと比較して10倍、鉄と比較すると400倍の断熱性能があることもあり、厚みを持つCLTは建物の断熱効果を高めます。
木という事で燃えたら大変というイメージがありますが、CLTは厚みがある建材のためはじめに燃えた外側が炭化層となり内部まではなかなか燃えないようになっています。
CLTは構造材として使われて外装は木以外で覆うことも出来ます。銀座にあるCLTで建てられた5階建ての木造ビルは見た目は普通のビル。でも実はCLTを使った木造です。
でも、せっかくなら木をそのまま目にする、触れることが出来る内装にする方が気持ちいいんじゃないかと思います。展示されていたCLTで作った床やスツール、座布団などは見た目にも優しく、とても気に入りました。座布団、欲しい・・・。
他にもハイブリッドCLT壁と鉄骨フレームによるハイブリッド建築の実物大模型なども展示されていて色々出来るんだなと思いました。
会場ではNHK 里山資本主義でも紹介されていた銘建工業のCLTが出来るまでのビデオが流れていて、思わずガン見してしまいました。
これは違う会社のCLTの製造ラインの動画です
都市の木造化を推進することができる可能性を秘めたCLTですが、原料となる丸太を提供する山主さんに入ってくるお金という観点で見ると厳しい面もありそうです。
この間、時間をかけた丁寧な家づくりなどを見てきたばかりですが、都市のビルやマンションなどになると伝統建築というわけにもいかないので、鉄骨とコンクリートのビルだらけという状況から木造ビルが少しずつでも増えてくれると木材の利用は増えるのかなと思います。
WOODというETFに投資している一投資家としても木材の利用が促進されることは望ましい事で、できれば国産材を使ったCLT建築が増えて欲しいです。バスの待合所だったり、CLT仮設店舗なんかは生活の中の身近なところでCLT利用を実感できるものですので地域材を使うといいなと思いました。
役場などの公共設備も地域材によるCLTで積極的に使ってくれるといいんですけどね。
このCLTの展覧会ですが、大阪ではトークイベントも開催されるようです。いいな〜。
CROSS LAMINATED TIMBERIZE -CLTはじまりました-
東京
期間:2016年11月10日(木)〜11月15日(火)
場所:東京国際フォーラムロビーギャラリー
大阪
期間:2016年11月18日(金)〜11月21日(月)
場所:グランフロント大阪 うめきたSHIPホール
展覧会を後援している一般社団法人日本CLT協会によるCLT説明動画です。