いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

トビムシの内子町町並み村並み山並み巡りツアーに参加しました (1)内子の山並み

10月31日(土)〜11月1日(日)にかけてトビムシ主催の内子町町並み村並み山並み巡りツアーに参加しました。内子町には昨年のベルグアースさんへのいい会社訪問の途中でちょっとだけ町歩きをしたのですが、内子を二日間ディープに見て回ることが出来ました。

松山空港に12時集合という事なのですが、前日に仕事がおおハマリして荷物の準備がド深夜に。寝たらヤバイという事で完徹で所沢からのリムジンバスに乗り込み、バスの中で爆睡。羽田から松山の飛行機も爆睡とこまめに睡眠を取りながらなんとなく身体が目覚めたところで内子町へ向かうマイクロバスに乗り込みました。

このツアーはトビムシ主催なのでバスガイドはトビムシの竹本さんです。

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1.内子の山並み

最初に向かったのは内子の山並みという事でしっかり森を手入れしている山崎さんを訪ねました。日本の多くの中山間地域と同じように手が入っていない暗い森を抜けると山崎さんが手入れしているきれいな森が現れました。先祖から伝わる森を儲かろうが損しようが手入れを続けています。

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山崎さんは15年前にUターンしてきて120町歩の森を親から引き継いで管理しており、今はブルーベリーも作っています。ジュースをいただきましたが美味しかったです。

この辺りにある木は太い木で樹齢200〜300年、細い木でも100年と言われています。

山崎さんが小学生の頃までに平坦な土地に親が木を植えて、親の代から一生懸命手入れをしていました。手間がかかる下草刈りを中学生だった山崎さんも手伝いながら親の代にしっかりとやっていたことで今の森があります。

手をかけ続けた森は手がかからなくなり、山崎さんの森も樹齢20年以降は5年に1回の間伐を続ける程度になりました。反対に手をかけていない森は人手か機械による手入れが必要になります。

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山主が山を知らない山は境界も曖昧になり、放置される傾向にあります。山崎さんはUターンしてから親と一緒に山に入り、自分の山を歩きまわりました。自分で間伐したり歩き回った森はどこにどんな木があるか状況を把握できるそうです。

どの木を残そうか将来のことを考えながら間伐をするとその後に育った結果を見るのが嬉しいと話していました。長い目線でつなげようとする人と単年度予算を見ながらやる人とでは結果が違ってきます。

切った木は原木市場へ出していますが、前回の市場の結果が公表されるのが遅いため売れ筋はどういった太さ、長さの木なのかある程度えいやでやるしかないそうです。その辺りの情報をもっとスピーディにすることができると林業家さんも需要を見ながら間伐をすることが出来そうですね。

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次に向かったのは内子町の森林組合の原木市場。西粟倉で間伐の現場を見たりはしてきましたが、原木市場は初めてという事で楽しみにしてました。

こちらの課長は料理屋で働いていたり錦鯉の養殖をしていたという異例の経歴の持ち主。内子の森に付加価値を付けようとウッドキャンドルやしいたけの榾木を作ったり、筍からメンマを作って大手チェーン店に卸したり様々な取り組みをしています。

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原木市場で売れる木は太くて長い立派な木が高いとは限りません。この木の太さと長さが寿司でいうところの大トロという説明でした。なんとなく太くて立派=高いと思ってましたが受給で値段が決まるので確かに使いやすいサイズが高くなるんでしょうね。

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原木にも選別機があるんですね。ここで運ばれてきた木はサイズ別に選別されます。

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すぐ隣にはペレット工場がありました。製材した際の端材などを使ってペレットが作られていますが、今は不足分を補うため普通の材木もペレットにしているとのこと。木材利用が進めばそれだけ端材も増えるので製材して使うこともできる木材を直接ペレットにせずに済むようになります。

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隣の高知県ではバイオマス発電所が出来たことで木材の買い集めにかかっているそうです。今のところ愛媛県はその影響は無さそうですが、せっかく色々利用できる木材をただ燃やして電気を作るというのは筋がいいとは言えません。本当は地域内で出てくる端材を使って発電するような中小規模の発電所が望ましいのでしょうが、経済的合理性を追求すると大規模な発電所を作って域内の木材を買い漁り、更には足りない分をパーム椰子の殻で賄ったりするようになります。

バイオマス発電でも木材自給率は上がるのかもしれませんがどうせならしっかり使って欲しいですよね。ペレットが灯油の代替として灯油の価格に左右されるのに対して木質バイオマス発電は固定価格買取制度(FIT)で割高な買取価格が設定されているので安定的に高い価格で木材を買うことが出来ます。不利な戦いではありますが、森林組合には頑張って欲しいです。

内子の山で頑張っている人達に会うことが出来て良かったです。

 

内子の町並みへつづきます。