投資信託事情の2015年1月号には「志と夢の共有で実現した日本郵便・セゾン投信の異色提携」と題した日本郵便 高橋亨社長とセゾン投信 中野晴啓社長の対談記事が掲載されています。
先日のセゾン投信ブロガーズミーティングでも、この記事を読むと高橋社長が考えていることがわかってもらえると中野さんが話していたので楽しみにしていました。
重要な部分をピックアップします。
- 日本郵政グループの中期計画としてトータル生活サポート企業になろうという中の一つのプロジェクト。(高橋)
- ゆうちょ銀行で投信販売をしているが主力は退職後の資産運用。日本郵便の経営幹部から「若年層にターゲットをあて、コツコツと長期に資金を積み上げていくセゾン投信のやり方が面白い。日本郵便には欠けている部分だ」という声があがった。(高橋)
- 増資直後の取締役会で新任の2名の役員から、「株主としての日本郵便、役員の私たちは、セゾン投信がこれまで進めてきた方針を邪魔しない範囲で、やれることは何でもする。何ができるかに知恵を絞りたい」との発言がありました。私はこの一言でココロが”ほっこり”しました。(中野)
- 収益力の強化は短期で数字を上げろの意味ではない。今回の提携の最大のポイントは、ビジネスモデルの相互補完・融合に尽きる。セゾン投信の特徴は地域コミュニティを大切にし、永いお付き合いを前提とする郵政事業の基本とも相通ずる。(高橋)
- 最近では人生設計口座への発展を考え始めている。家計運営、長期的なライフスタイルを日本郵政グループ全体で拡充するつもり。これらをセットにしたセミナーの枢要なアイテムとして中野さんの長期投資講座は位置づけられる。(高橋)
- 当面のことでは4月の業務開始までに郵便局ではお客様にどう対応するのか、何ができて何をやってはいけないのかを周知徹底する研修を行う。(高橋)
日本郵政グループがトータル生活サポート企業を目指す取り組みの中で、郵便局に出来ることとして、長期投資を広めたいというのが背景にあることがわかりました。
明らかにセゾン投信にとっておいしい話なのですが、これも地域に根ざした郵便局としてのお客様へのサービスなんですね。ちなみに記事中にゆうちょ銀行の投信取扱残高が約9700億円とあって、いつのまにそんなに大きくなっていたんだと驚きました。
郵便局でセゾン投信のファンドを販売することは無さそうですが、長期投資という考え方の伝道師という意味では東証+YOUに近い感覚だと思います。
中野さん一人では全国津々浦々を行脚できないのでセゾン投信としてもスタッフを拡充しつつ、草食投資隊のメンバーも協力を申し出ているそうです。
貯蓄から投資へというかけ声はこういった地道なところから徐々に広まっていくのかもしれませんね。