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「生き残る地域と消えゆく地域」藻谷浩介氏(1) 通りすがりの人が思い思いに住み着く田舎【西粟倉ホタルの森フェスレポート】

西粟倉ホタルの森フェス リレートークレポートの第二弾は藻谷浩介さんを迎えて「生き残る地域と消えゆく地域」という鼎談でした。

藻谷さんから生き残る地域の二つの条件のうち一つ目が話され、具体例としてトビムシの竹本さんが取り組んで来られた海士町の島前高校のお話へと続きました。

リレートーク第二部 生き残る地域と消えゆく地域

日時:2014年7月20日(日)13:00〜15:00
 場所:大茅スキー場(岡山県西粟倉村)
 出演:藻谷 浩介氏
    竹本 吉輝氏
    牧 大介氏

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通りすがりの人が思い思いに住み着く田舎は残るし、よそから人が来たのは一時のブームで最近見ないねという田舎は消えていく

牧:どうすればこれからの50年生き残っていける地域になれるのかお聞きしたいと思います。

藻谷さんは放っておいても一人で二時間話せる方だと思うのですが、ある程度の双方向性を担保するために私もいろいろとやりとりをさせていただきますが、トビムシの代表の竹本も今日の藻谷さんのアテンドで来ていますので、今日になって急に上にあげたようなところもありますが、藻谷さんの話をいろいろ引き出す役として座らせていただきました。

後半は皆さんから質問の時間も。さっそくですがズバっと地域は生き残っていくのか、どういう地域はだめになっていくのかについてお願いします。

藻谷:みなさん、こんにちは。藻谷浩介です。今日は午前中これまでの50年という話を聞かせていただきましたが大変いい話でした。

唯一の難点は暑かったことです。今日はこの後鳥取空港から東京に帰るんですが、火曜日くらいに真庭(岡山県)にいて、水曜日東京で3件講演したあと、2つ会食があって、木曜日は邑南町(島根県)に来て、途中鎌田に行ったり3件講演をして会食があって、昨日は横浜に一瞬行ってJCの全国大会に出た後、岡山空港まで来てレンタカーで西粟倉にやってきました。

昨日竹本さんと会ったんですが、竹本さんもこれが終わったら札幌にお帰りになられる。

竹本:そうですね

藻谷:神戸から来て、札幌に帰る。私は昨日島根県から東京経由で来て、鳥取経由で帰るともうむちゃくちゃなんですけど。かなり変わった人が来ているということで許して下さい。竹本さんも札幌に住んでいて西粟倉に出入りしていると。

昨日聞いたら岩手県に住んだり東京に住んだりしているけれども、西粟倉にも来ているというとんでもない人がいて・・・そういう全国から面白い人が集まってます。

そこの物販にもいろんなところから来ていて、「美作というところから来ました」という人がいたのでよくよく話を聞いてみたら東粟倉で、もうそんなよそよそしい関係になってしまったのか東粟倉と西粟倉はと(笑)

ここから車で5分くらい行ったら美作ですよね。実にいろんな人が来るのが西粟倉です。ずっと住んでいる人はこのことをどう思っているんでしょうね?

本当は聞いてみたいところなんですが。ざっくりいうと色んな人が来て通るだけじゃ無く住んでみる、頑張ってたけど5〜6年でいなくなる人もいたり、30年くらいいる人もいる。そうしていつの間にか「わしが西粟倉じゃ」というような人が生まれてくる。

そういう風に通りすがりの人が思い思いに住み着く田舎は残るし、よそから人が来たのは一時のブームで最近見ないねという田舎は消えていくのかなというのが一つです。もう一つはなんなのかというのは後からお話します。

一つはやっぱり試しに住んでみるかということで3ヶ月、半年、3年などいろいろ入れ替わりながら住んでみる田舎は生き残るだろうと。今の話だと東京の方がいろんなところから人が集まってくるから生き残るだろうと思うかもしれませんが、東京よりも田舎の方が生き残ります。

 

海士町はとにかく知ってもらいたい、来てもらいたい、ご縁が欲しいを目的にしています。定住する率を高めたいとは一言も言っていないんです。

竹本:ついこの間まで島根県隠岐郡海士町というところに住んでいたんですが。

藻谷:地域振興の成功事例で中国地方で三役には西粟倉が入っていると思いますが、横綱は圧倒的不利な地域で思い切ったことをした隠岐郡海士町でしょう。

竹本:いろんな指標があると思いますが、Iターンの人が毎年ものすごい数来てるっていう意味においてはそうだと思います。

藻谷:一説には騙されてすぐ帰る人がいるというのもあるんですが、とにかく来るという意味においてはすごいですね。

竹本:今の話でいうと、海士町はとにかく知ってもらいたい、来てもらいたい、ご縁が欲しいを目的にしています。定住する率を高めたいとは一言も言っていないんです。

気に入ったら少しでも長く過ごして欲しい。ご縁があったらどうぞと。どちらかというと少しずつという感じで入り口が広く、多くの人達が数多くきて、そのうちの40〜50人が施策的にはなんの優遇もない中で、全国の過疎地域でやっているような施策からしたら平均以下のものしかやっていないのにそれだけ来て、うち半分くらいは5年以上住んでいます。

藻谷:その人達は相当変ですね。ギャグっぽくやっていいですよね?今日は岡山の山の中で楽しい雰囲気の中でやってますので。

とりあえず知って欲しいといってもとりあえず隠岐の島なんて行かないですよね。金もかかるし、一日一本しか船はないし、冬とかはよく欠航するし、気軽に行けるところでない。

西粟倉なんて行きたくないと思っても通りますもんね。西粟倉村民が「通しちゃらん」とバリケードを作ったら鳥取と大阪の交通は崩壊します。意地でも通るのが西粟倉で、隠岐の島の海士町なんて誰も行かないですよね。

竹本:行かないですね

藻谷:隠岐に観光に行っても海士町だけは普通行かない。観光地がないから。海士町に行くにはよっぽど海士町に行きたいと思うような謎の人しか行かない。ところがそこにうまいこと人を呼んできて住まわせる。

竹本さんは家族連れで住んでいた。どうですか?住んでみて?コンビニもないんですよね。

竹本:1軒だけコンビニエンスストアって自分で書いてある不便なお店がありますけど(笑)自他共にではなく自分しか認めていない(笑)

基本的にスーパーもないですし、いわゆるナショナルブランドのお店はありません。インターナショナルブランドでは唯一ガソリンスタンドくらい。

藻谷:さぞやガソリンが高そうですね。

竹本:20円くらい補助金が出ていてもここより20円くらい高いですね。

藻谷:リッター200円くらいいきそうですね。別に車乗るようなところもそんなにないからガソリンが高くても。でもそういうところに引っ越して入ってくる人が出て行くよりも多い年の方が多いのに人口は減るんです。

なぜかというと80代、90代の人は平均5〜6人兄弟でしたから亡くなる人が多いからです。どうしても亡くなる人の方が赤ちゃんよりも多いんです。

若い人で見ると、出て行く人より入ってくる人の方が多いので意外と若返っています。人口が減るけど若返っていく、痩せていくけどみるみるきれいになっていくおばあちゃんのような島を作るのに成功しました。おそらく中国地方で最も条件のよくないところでです。

 

自分の親父や友人の親父がとってきた美味しい魚が境港に持って行くと安く売られてしまう。その状況をなんとかブレークスルーしようとすると、どうしてもマーケティングということを学ばないといけないのかそういう風になってきます。

藻谷:高校生をどうするかということで入られたんですよね?

竹本:7年前に入りました。3島で唯一の島前高校は去年の3月で廃校になる予定だったんですけど、今年の4月で全学年2クラスになりました。とにかく人が増え続けています。日本の過疎地域で唯一増え続けているんです。

藻谷:普通過疎地域で増え続けるのはサルとシカとイノシシくらいですよね。

竹本:高校生が増えています。そのため学級が増えて先生も先生の家族も増えている。

藻谷:どうやったら高校生がふえるんですか?

竹本:東京丸ビルで説明会をすると中学生200人くらい集まります。

藻谷:東京の丸ビルで島前高校の説明会をする。なんの説明会を?

竹本:島前高校に来ないかという説明をします。島根県立高校として県全体の説明会だとなかなか集まりませんが、島前高校だけの説明会をすると200人集まるんです。

実際に島前高校の偉いところは島の高校生の数以上に内地から入れることはしないんです。島の子どもたちは入れるけれども外から来る子は30人の募集に300人くたいの応募がある。

藻谷:東京の丸ビルで説明会して田舎に連れて行くのは怪しいキャッチセールスのような感じがしますが実際には教育の内容がいいということで集まる

竹本:島留学ということでしっかりやっていて公営の塾もあります。都会の人も若い人が来ていますしリクルートの方も来ています。最近はベネッセの方も多くの教育関係者が来てくれて先生や塾の先生をしてくれています。

内地から来た人は全員寮に住んでいますしこの三者の関係がよくて昨年は13名が国公立私立大学へ進学しました。

藻谷:島の中に缶詰にじゃないですけど、命からがらの競争があって逃げ出すと日本海の藻屑に消えるとかそういうのじゃないですよね。

竹本:そういうことではなく自主的にやっています。

藻谷:半数は島の子なのでそういうことはなくのんきにやっているんですか?

竹本:地域創造コースをわかりやすくすると就職コースなんです。この地域の未来を創造するというので地域創造コースという名前なんですけど、進学コースよりもむしろそっちに来たいと内地で進学校に行けるような子が来ていますね。

藻谷:本当に勉強したい人は院から入ったりすればいくらでもいい大学行けますから。社会人やりながらでも大学でれますし。勉強できるけど創造コース行きましたって人はその後どうなったんですか?

竹本:進学コース、地域創造コースに関係なく高校生の半分の親御さんは島の仕事をしていて8割は1次産業、そのうち8割が漁業です。

すると自分の親父や友人の親父がとってきた美味しい魚が境港に持って行くと安く売られてしまう。その状況をなんとかブレークスルーしようとすると、どうしてもマーケティングということを学ばないといけないのかそういう風になってきます。

みんな島の子は島の未来を産業としてどうするか考えていて、そこで学問的アプローチが必要なら大学へ行こうということになります。

 


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