今日、鎌倉投信が運用する結い2101が運用開始から7年を迎えました。
基準価額はちょうど17,000円を超えて最高値の17,002円となりました。7年で+70%という事になります。
7年前の3月29日、鎌田さんのブログには3億700万円でスタートした結い2101の船出の様子が書かれていました。お客さんから日本のキャピタルを目指して欲しいというエールが届けられていたそうですが、年々存在感は大きくなっていると思います。
大きさだけが運用会社の価値ではありませんが、鎌倉投信に投資されている=いい会社なんですね、良かったですねと金融機関からも声をかけられるような存在にまで育ちました。
私がはじめて鎌倉の本社に伺ったのは2010年3月9日(火)でした。雪がちらつく中、説明会の開催される本社に向かうと鎌田社長が外で待っていらして、雪で他の参加者はキャンセルになったので1人だけですと言われました。それから2時間、マンツーマンでこれから運用をしようとしている結い2101のコンセプトをお聞きし、途中で新井さんが会社訪問から戻ってこられてイキイキといい会社について話していたのがとても印象に残っています。
帰り道、早速私も坂本光司先生の「日本で一番大切にしたい会社」を買って電車の中で涙を浮かべながら帰ったのですが、その時の様子をブログに書いていたのを改めて読むと相当な熱量で書いていたようです。実はこの時にはすでに入金も積立申込も済ませていたのですが、公募投信でもここまで出来る、やるつもりなんだというのに相当ワクワクしていました。
その年の7月に開催された第一回目の受益者総会では当時投資先ではなかった池内タオル(現IKEUCHI ORGANIC)とトビムシとの出会いがありました。いずれも今は社債での投資先になっているのですが、たぶんこの時の出会いが自分の人生の方向を変えました。
この時パネルディスカッションに登壇したIKEUCHI ORGANIC、トビムシ、Kaienの3社はいずれもミュージックセキュリティーズのファンドを利用していて、そちらを通じても投資&応援しています。
ソーシャルインパクト・リサーチの熊沢 拓さんがこんな事を言っています。
19世紀までの投資判断はリターン中心でした。いかに儲かるか。
20世紀に入ってリスクが欠かせない投資判断の要素になりました。どれくらいのリスクでリターンを得たのか。
21世紀はインパクトの時代になると思います。いかに儲けても、いかにリスクリターン比が良くても、それが社会にプラスになっていなければ持続可能ではありません。
科学が発展し人口が増え続ける中、21世紀はいかに効率よく儲けるかだけでなく(社会的な)インパクトを評価軸に加えることで行き過ぎた資本主義を修正して、持続可能な社会をつくることに舵を切るだろうという内容です。
国連もSDGsという持続可能な開発目標ということで17のテーマを設定しています。
3月28日の朝日新聞 未来メディアプロジェクトのページでも鎌倉投信が2030 SDGsで考えるという連載で取り上げられました。
新井さんが今月上梓した持続可能な資本主義の帯には「誰かの犠牲で成り立つ経済を、終わらせよう」と書かれています。
先日、インドのオーガニック・コットン農家は土地は子孫から一時的に預かっているものだと思っていて、GMO種子や農薬をたくさん使った農業で土を痩せさせる事への反省からオーガニック農法へ回帰しているんだという話を聞きました。
GMOコットンも誰かの犠牲で成り立っている一例です。先祖代々伝わっている土地という感覚だったら日本人にもあるかもしれませんが、子孫から借りているという感覚であれば確かに痩せた土地にして引き渡すわけにはいかないなという気がしました。
私達が済む地球も子孫から一時的に借りていると思えば自分達が便利に暮らすために負担をかけすぎてしまうことを持続可能なレベルまで少し我慢しないといけないんじゃないかと思えるのではないでしょうか。
鎌倉投信のチャレンジを引き続き応援しています。