1月19日、クラウドバンクが同社で募集した風力発電ファンドへの応募総額が2億円を突破したことを発表しました。
国内初の風力発電ファンドが応募総額2億円を突破しました。 | Crowd Bank[クラウドバンク]
風力発電の抱える課題
風力発電は風の持つエネルギーの約40%を電気に変換できる高い発電効率を持つ反面、設備建設費等の初期費用が高いという課題があります。
クラウドバンクでは一般投資家から集めた資金を風力発電事業会社に出資する会社に融資することで風力発電の普及を後押ししています。
また、風力発電では環境への影響など問題点も指摘されています。
資金回収の保全策
クラウドバンクは事業会社が自己資金と銀行融資で足りない分を高い金利で補うメザニンローンでの融資を行っていると思われます。メザニンローンは普通の融資に比較して返済順位が下がるためリスクは高まりますが、その分高い金利が設定されます。
クラウドバンクのファンドでは融資回収の保全性向上のため、融資先の会社が保有する風力発電事業運営会社に対する出資持ち分に対して質権設定しています。
なお、クラウドバンクの代替エネルギー特化型ローンファンドは1万円から投資することが出来ます。
クラウドバンクでの風力発電ファンドの抱える課題
融資先がはっきりと開示された融資型のクラウドファンディングは実質的に貸金業登録を行っていない個人が融資行為を行うものであるという金融庁の指導方針により、具体的にどの風力発電案件に対して融資するのかが見えないという点があります。
(日本では継続的に個人や企業に貸付を行う際は貸金業登録が必要です)
これはファンド募集ページのよくある質問にも書かれています。
再生可能エネルギーはFIT(固定価格買取制度)の導入により参入業者が急増。発電所周辺の環境に悪影響を与える事業者も散見される状況です。再生可能エネルギーの普及にお金を出したいという方が持つであろうしっかりとした事業者にお金を出したいというニーズに対してはクラウドバンクを信じるしかないという状況です。
なお、同社が募集する太陽光発電ファンドにおける事業パートナーとして日立コンサルティングが紹介されています。
代替エネルギー特化型ローンファンド 12号 パートナーのご紹介
これまでの実績は?
2016年1月8日現在の運用実績は以下の通りです。
- 代替エネルギー特化型ローンファンド1号(太陽光発電) *償還済
運用利回り(税引前) 年率7.0%/目標 年率7.0% - 代替エネルギー特化型ローンファンド2号(風力発電) *運用中
運用利回り(税引前) 年率5.5%/目標 年率5.1% - 代替エネルギー特化型ローンファンド3号 *運用中
運用利回り(税引前) 年率5.6%/目標 年率5.3%
*4号以降は運用開始から日が浅いため運用実績の開示なし
私は1号(太陽光)、4号(風力)、5号(太陽光)、10号(風力)に投資しています。5%程度の利回りがあれば分散投資することでいくつかの案件がうまくいかなかったとしてもカバーできるのではないかと考えています。
私の投資状況
これまでクラウドバンクでは不動産担保型ローンを中心に投資してきました。
昨年の金融庁からの業務停止命令で新規ファンドの募集は停止となってから償還された資金はだいぶ引き出してクラウドバンクの口座にある資金は処分前の1/3に減らしました。
現在は残った資金で投資を継続していますが、新規投資先を代替エネルギー特化型に変更しつつあります。もともとリスクを考えて資産全体でも一部に限定して投資していますので今後は中小企業支援型、代替エネルギー特化型を中心に投資していきたいと考えています。
銀行の社会性を考えて預金を行うというフェア・ファイナンスという考え方がありますが、お金の使い途の社会性を考えた一つの結果として代替エネルギーに投資しています。(他にはおひさまエネルギーファンドのおひさま7(SEVEN)やセキュリテエナジーで募集していた小水力発電ファンドに投資しています。)