鎌倉投信が運用する結い2101が雪国まいたけを全売却していたことを結いだより第44号(2013年11月6日発行)で発表しています。
雪国まいたけは2011年からムハマド・ユヌス氏が率いるグラミングループとバングラデシュで緑豆の栽培を行う合弁事業を行っており、鎌倉投信でも当事業を評価して結い2101に組み入れていました。
雪国まいたけにとってはもやしの原料となる緑豆の輸入先を中国以外に広げる施策として、バングラデシュの農民にとっては雇用の創出と緑豆の販売による貧困解消が見込まれたプロジェクトです。JETROやJICAからも後押しを受け、バングラデシュでの緑豆栽培に取り組んでいました。
2012年には1500tを収穫。うち300tほどは日本に向けて輸出もされましたが、今年は緑豆の収穫前に嵐が来てしまい収穫高は450tと激減してしまいました。
なかなかバングラデシュ産の緑豆からできたもやしの製品化が進まないことと雪国まいたけの業績悪化をうけて鎌倉投信では2011年末を最後に追加購入をストップ。直近では0.2%程度の保有となっていましたが、今回の不適切な会計処理が行われていた可能性があるという事態に電話によるヒアリングを実施、11月1日に全売却を行いました。
売却の理由
- 年内のバングラデシュ産緑豆もやしの販売の見通しが不透明
- 前四半期の自己資本比率が4%と企業の存続自体が懸念される
雪国まいたけのバングラデシュでの活動については私もマイクロファイナンスフォーラム2011で担当役員の佐竹さんのお話を聞いて期待していただけに今回の不祥事は残念でした。
マイクロファイナンスフォーラム2011に参加しました - Site.M from 新所沢
結い2101が全売却したのはやむなしだと思いますが、雪国まいたけのバングラデシュでの活動は現地で徐々に成果を残しつつあっただけに、今後どうなるかについて引き続き注目していきたいと思います。