"いい投資"探検日誌 from 新所沢

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セゾン投信と日本郵便が資本・業務提携 セゾン投信の40%の株式を取得

セゾン投信に日本郵便が出資して業務提携するという衝撃的なニュースが飛び込んできました。セゾン投信からのプレスリリースを読んだ時に思ったのは「なんで?」の一言。

日本郵便株式会社、株式会社クレディセゾンおよびセゾン投信株式会社の資本・業務提携(セゾン投信)

日本郵便がセゾン投信の第三者割当増資の引き受けにより株式の40%を取得した上で資本・業務提携をすることになったのですが、とりあえず現時点で決まっていることは下記の通りです。

  • 若年層のお客様向けにセゾン投信の投資信託の郵便局店頭等での広告宣伝活動および長期投資セミナーの開催
  • 詳細に関しては業務提携開始の2015年4月1日までに三社間で検討
  • 郵便局窓口でのセゾン投信の商品説明を含めた一切の勧誘行為、購入手続きは行わない

8億円出して店頭で長期投資セミナーを開催するだけ、セゾン投信の顧客層である若年層へのアプローチが目的というのはセゾン投信にとってあまりにも虫のいい話です。

普通に考えるとゆうちょ銀行でセゾン投信のファンドを販売するか、新ファンドを作ってゆうちょ銀行で販売するか?というのが思い浮かびます。例えば、横浜銀行は運用会社を作るために三井住友信託銀行と提携しています。販売手数料目的の投信営業から長期保有による信託報酬ベースでの収益へ向けた動きです。

ひふみ投信やひふみプラスを運用するレオス・キャピタルワークスも資産運用事業への参入を目論んだISホールディングスに2009年に買収された経緯があります。日本郵便も自前で運用会社を持ちたいと思った時、運用哲学などにずれがないのであれば新たに作るよりも既存の会社に資本出資した方が早そうです。

日経新聞の田村さんの記事によると記者会見でも日本郵便のメリットがなんなのか?に質問が集中したそうです。

日本郵便の高橋社長の答えは「郵便局の利用者が高齢化している為、若年層から支持の高いセゾン投信を応援することで若い顧客層を育てるのが狙い。セゾン投信からは配当という形で収益が得られれば良い。」というものでした。

中野社長も昨年夏に最初の話があった時、こんなにありがたい話があるのかと思ったそうですが、「提携してもセゾン投信は変わらなくていい。顧客重視の直販という今のスタイルを続けて欲しい。」と言われて出資を受けることを決心したようです。

セゾン投信は現在7.2万人の顧客と956億円強の運用資産ですが、郵便局のネットワークを生かして地方の顧客拡大を図り、将来的に顧客数70万人、運用資産1兆円を目指すそうです。


確かに独立系直販投信の中ではセゾン投信はクレディセゾンが親会社ということで安心感があったと思います。そこに日本郵便が株主として入ることでより一般個人にアピールできるものと思いますが、運用資産1兆円とは大きく出ましたね。

今のところ日本郵便が言うセゾン投信のファンドの窓販は行わない、若年層へのアプローチが目的というのは話半分に聞いていますが、きっと来年4月に向けて何か動きが出てくるのでしょう。2013年度のプレス向け運用報告会で確定拠出年金についても主体的に取り組みたいという話がありましたが、そういうところでも提携のメリットはありそうです。

確かに日本郵便にとっては8億円の出資でセゾン投信の運用資産が1兆円になってくれれば配当でそれなりに利益は出そうです。とはいえ、40%の資本参加といえば役員も派遣してくるでしょうし、これから先どんな風になっていくのか注視していきたいと思います。

考えようによっては今後変なところに売却されてしまうよりも日本郵便という手堅い会社に資本参加してもらえたというポジティブな見方もできますし?(本当かな〜)

それにしても昨年夏から提携の話があったのにこんなタイトルの本を書いてしまう中野さん(とそれを許容する日本郵便は )は凄いですね。セゾン投信の顧客は預金バカを脱した人達なのに提携による効果はあるんでしょうか?

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日本郵便が出資しても、これまでと変わらないセゾン投信でいて欲しいと切に願います。

【9月29日追記】

東洋経済オンラインの鈴木雅光さんの記事や9月28日に行われたセゾン投信のセミナー参加者のレポートを読んでいるうちになんとなく見えてきました。


ゆうちょ銀行ではなく全国で郵便局や郵便事業を展開している日本郵便が出資することの意味がよくわからなかったのですが、どうやら郵便局などでセゾン投信のPR活動や長期投資セミナーを行うこと、利益はセゾン投信の顧客拡大に伴う配当で回収するというスキーム以上のものでは無さそう。

お客様にセゾン投信のファンドを知ってもらうことが利益につながる仕組みを検討した結果、出資という形に落ち着いた(日本郵便・高橋享社長)

上記記事にある高橋社長の言葉から、日本郵便にとってもしっかり利益につながる形を模索した結果が40%という出資比率のようです。法令などの問題もあるので具体的な内容はどこまで出来るのかこれから半年かけて詰めていくという事なんでしょうね。

しっかり利益を要求する株主が増えたという事は黒字化したセゾン投信が最初に目指すべき先は株主への配当という事になり、ファンドの信託報酬削減という形で受益者へ一部利益還元がされるのは少し先になってしまうのかもしれません。

セゾン投信や中野さんは信用していますが、正直なところ日本郵便をあまり信用していないので半信半疑ではありますが、いい方向に向かって欲しいと思います。

【10月2日追記】

セゾン投信の中野社長からレターが出ました。

 日本郵便の資本参加について(セゾン投信)