長野県飯田市で市民出資の自然エネルギーファンドを募集するおひさまエネルギーファンドの代表取締役を務めていた原亮弘氏がファンド出資金の一部を私的に流用していた事が今年5月の金融庁の検査で発覚、関連する発電事業を運営する「おひさま進歩エネルギー」やファンド毎の資産保有会社(11社)などの代表取締役を引責辞任しました。
新体制移行と今後の事業展開について | おひさまエネルギーファンド株式会社~おひさまファンドを募集しておひさま進歩エネルギーと『地域循環型エネルギー』を促進します~
おひさまエネルギーファンドのファンドには私も出資していて、2014年には分別管理が行われていなかったという事で行政処分を受けていました。
世代交代を進めようと検討している中で複数のファンド事業会社から原氏への不適切な資金移動が行われていた事が明らかになったようです。(新聞報道では金融庁の検査で発覚したと書かれていますが)
これまで資金移動は専ら代表の原氏が一人で行っており、役員や社員の牽制が効いていなかったことや、社内に法令遵守の意識が徹底していなかった事が原因と書かれています。
2014年の行政処分の際にもマンパワー不足が原因とされていましたが、今回の件もマンパワー不足と社内のコンプライアンス意識の低さが原因ではないかという印象を持ちました。
代表取締役2名体制になり、実務面では会計担当者を複数設置して代表取締役と相互チェックする体制になったようです。
しかしながら、新しい代表取締役がおひさまエネルギーファンドのコンプライアンス責任者と担当者であったという事を考えると、もう少し金融のプロの手を入れた方がいいと思います。(お二人とも行政出身の方のようですし)
第二種金融商品取引業者として金融商品取引法の規制が年々厳格化しており、社内体制を規制強化に合わせて強化することが難しくなってきていると認めていることからも、ファンドの募集はしっかりとした第二種金融商品取引業者にアウトソースした方がよいのではないかと思います。
市民ファンドの先駆けとして応援している会社なだけに、前回の行政処分から4年たってもこういう事が起こるのかと本当に残念な気持ちになりました。
【関連記事】