竹川美奈子さんの新刊『臆病な人でもうまくいく投資法』を読みました。
副題「お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話」の通り、この本では実際にコツコツ投資を実践している11人の投信投資家を紹介しながら各所で解説が加えられています。
目次
第1章 投資信託を使った積立投資はなぜ最適の資産形成法なのか?
第2章 低コストのインデックスファンドを組み合わせて、世界に丸ごと分散投資する方法
第3章 たった1本保有するだけで、簡単&手軽に国際分散投資ができるバランス型投信の活用法
第4章 「非課税」という武器を最大限に生かす確定拠出年金を使った投資法
第5章 自分が応援したい会社や事業を投資家という立場でサポートし、長期的なリターンを得る方法
第6章 コツコツ投資を始める前に押さえておきたい7つのこと
臆病な人でもうまくいく投資法 お金の悩みから解放された11人の投信投資家の話
- 作者: 竹川美奈子
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2016/02/26
- メディア: 単行本
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投信を使った資産形成の実例集
投資に興味を持ち始めて勉強をした時、方法はわかったけどこういう点はどうなんだろうと気になったり、自分なりの悩みどころが出てくると思います。
この本には性別も年齢も職業も様々な投資家が様々な登場します。
投資スタイルも「オーソドックスなインデックス投資」、「バランスファンドを使ったシンプルな投資」、「確定拠出年金を使った投資」、「自分の意思を反映させたアクティブな投資」と様々で、コツコツ投資と一言で言っても色々あることがわかります。
これまでにも著名な投資家が自分なりのノウハウを書いた本はありましたが、コツコツと資産形成に取り組んでいる様々な投資家のノウハウが一挙に読めるという本はなかったと思います。
そしてこの本で登場する投資家はあくまでも市井の、普通のビジネスパーソンであり、投資家です。普通の人達の感覚が書かれているところに価値があると思います。
成功例だけでなく、こういうところに失敗して方向修正したといった投資家の生の声は多くの投資家にとって参考になる点があるんじゃないかと思います。同じスタイルの投資家のやり方を参考にしたり、違うスタイルの投資家の考え方を見てみるのも面白いと思います。
竹川さんのこれまでの本は入門書、解説書といったものが多かったですが、この本は読んだ人が自分なりにここは参考になるなって取り込んでいく本ですね。
コツコツ投資をはじめる前に
第6章は「コツコツ投資を始める前に押さえておきたい7つのこと」と題して、これから投資を始めようとしている人が気になるであろう疑問に答えています。
この中で資産配分について最初から完璧を目指す必要はないと書かれていますが、ここはとても重要だと思います。アセットアロケーションでリターンの○%が決まるなど資産配分こそ長期投資におけるキモと言われたりしていますが、コツコツと積み上げる投資において最初の資産配分が間違っていたとしても全体から見たら微々たる影響です。
これは自分の経験から思う事ですが、色々勉強して頭でっかちになるよりも、習うより慣れろで少額から始めた方が相場が下がった時の傷も小さいですし、やり方を修正しながら続けやすいのではないかと思います。
今は少額からでも投資をスタート出来ますので、まずは時価が変わる世界を体感して慣れて欲しいと思います。
自分なりのスタイルでコツコツ投資を
コツコツ投資と一言で言っても十人十色で本当に色々なスタイルがあります。
私も第5章の3人目、投信投資家十人十色の11人目として、スキージャンプの大会に一人エアリアルの選手が混ざっていたかのようなフリースタイルぶりで登場しています。
私の場合既に15年コツコツ投資を続けているのと、夫婦共働きで子どもがいないDINKSで既に住宅ローンも完済しているという事でお金に関する将来の不安はだいぶなくなりました。まだ働きますけど、生活のために仕事にしがみつく必要性を感じないことで気分的にずいぶんと楽になりました。
コツコツ投資はビジネスパーソンが本業をこなしながら無理なく続けることができる投資方法です。この本を読んでこういうやり方だったら自分でも出来そうと思って、実際に投資を始めてくれる人が増えると嬉しいです。