いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。2017年に所沢から八女に移住しました。

三井住友アセットマネジメントがフィデューシャリー・デューティー宣言&フィデューシャリー・アクションプランを公表 「資産形成ならSMAM」なるか?

8月21日のHCアセットマネジメント、8月26日のセゾン投信に続いて8月27日に三井住友アセットマネジメントがフィデューシャリー・デューティー宣言を公表しました。

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「フィデューシャリー・デューティー宣言」および「フィデューシャリー・アクションプラン」の公表について(三井住友アセットマネジメント)

フィデューシャリー・デューティー宣言は、新たに資産形成をご検討中の皆さま、投資ご経験者の皆さま、年金や機関投資家の皆さま、事業会社の皆さまを含む幅広いお客さまに安心して当社にご資金の運用をお任せいただけるよう、お客さまに対する当社の決意と姿勢をお示しするものです。

 フィデューシャリー宣言の中で宣言の対象の最初に「新たに資産形成をご検討中の皆様」が登場するところに「資産形成ならSMAM」というキャッチフレーズにかける意気込みが感じられます。

一方、文面全般から感じられる意気込みはHCアセットマネジメントのような厳格さやセゾン投信のように鼻息荒いものとは違い、穏やかに感じました。

宣言に基づく具体的な施策はフィデューシャリー・アクションプランとして策定いたしました。資産運用の世界において、従来は当たり前と思っていた業務慣行を改め、 お客さまの視点で業務をゼロベースで見直します。アクションプランの進捗状況は、半年ごとに当社ホームページで開示いたします。当社の取組に対するお客さまの率直なご意見、ご評価を賜ることで、自己革新を継続してまいります。

一方で三井住友アセットでは宣言だけでなく具体的にどんな事に取り組むのかアクションプランを策定した他、進捗状況は半年毎にHPで開示、他にも業務慣行を改め、お客様の視点で業務をゼロベースで見直しますと書かれています。

既存ファンドの信託報酬が下がるかも?

そして、8月27日の日経に三井住友アセットマネジメントが信託報酬の算定基準を公表するという記事が掲載されていました。

これに該当すると思われるのがアクションプラン(商品開発)にある「お客様にご納得いただけるよう、信託報酬基本方針を策定します」です。実施時期は2015年9月とありますので早々に着手される見込みです。日経の記事によれば一部の商品では信託報酬が下がることもあるというように書いていました。

たぶん、このアセットで信託報酬率は何%、アクティブ・パッシブ運用では何%という感じにある程度レンジが決められて発表されるのではないでしょうか。そして、既存の商品で水準を上回ったものについては信託報酬を下げるのだと思います。なので、低コスト商品がより低コストになるというより、高コストな商品が少し安くなるという感じで考えておけばいいと思います。

投資顧問契約の報酬率を見るとすごく安くなるという事も無さそうに感じます。

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商品企画に注力したとありますが、これまでインデックスファンドシリーズを作らず単発でこれといった命名規則もなくバラバラと低コストインデックスファンドを生み出していました。そういうところにもセンスを見せて欲しいところです。

三井住友アセットマネジメントが目指す運用とは?

宣言の運用として何を目指すのか?というところでは3点ありました。

  • 運用技術を駆使し、お客様の資産形成に貢献します
  • 日本を含むアジアの運用力で世界トップを実現します
  • SRI、ESG投資で日本のトップランナーを目指します

運用力で世界トップってどうやって計測するんだろう?という素朴な疑問もありますが、SRI、ESG投資ついては「目指します」とトーンダウンしてしまうところが気になりました。

アクションプランを見ても「企業との目的を持った対話活動を進め、エンゲージメント投資を開始します」が2016年3月なんですよね。

これについては日本版スチュワードシップ・コードの受け入れについての原則4でやるって言っているんですけどね。原則6ではエンゲージメントの事例を原則年1回ホームページで公表とも書いてあるのでそろそろ昨年度の活動について報告をして欲しいところです。(これについては他社もそうなんですよね。)

一方で議決権行使についてはSMAMガイドラインが公表されているのは素晴らしいと思いました。個人的には「ESG運用を組み入れた長期投資向けのプロダクトを開発します」(2016年3月)がどんなものになるのかにも注目しています。

なかなか良いと思うアクティブファンドも中にはありますので新商品だけでなく過去のファンドの掘り起こしにも注力して欲しいなと思います。(販売会社の協力も必要になりますが)

投資家向けサービスの向上にはどんなものが予定されている?

注目ポイントは「ユニバーサルデザインによるわかりやすい目論見書、報告書の作成を開始します」が2015年9月から開始となっています。ここは是非とも力を入れて欲しいところです。

また、「お客様のご理解のため、信託報酬等の手数料差引後の収益率イメージの明示を順次、進めてまいります」は2016年3月からになっています。そんなに手間はかからない気がするのですが、「わかりやすく使いやすいホームページに改訂します」の一部分なのでしょうか。

他にもお客様向けオフィスツアーを開催したりする他、社外役員の独立性を確保、利益相反関係などを全般的にチェックする第三者機関を設置したり本気度が窺えます。

宣言するだけでなく、しっかりPDCAを

三井住友アセットの投資信託って個別にしっかり見ていくとちゃんと成果を出しているファンドがあったりするのですが、全体として見たときに個性が無いように感じます。「資産形成ならSMAM」を具現化するような商品を開発して欲しいと思いますし「お客様にとって適切と判断できない商品は決して提供しません」 という言葉の意味を噛みしめて欲しいと思います。

半年毎にアクションプランの進捗状況も報告されるようですし、ここをスタートに三井住友アセットマネジメントがどう行動していくのか注目したいと思います。

【参考】

フィデューシャリー宣言が相次ぐ中、その背景についてHCアセットマネジメントの森本紀行社長が書かれた記事です。