いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

2024年8月のなかの日本成長ファンド エスプールをコミュニケーションミスで全売却

なかの日本成長ファンドのマンスリーレポートが公開されています。

2024年8月時点の運用成績

  • 1カ月 0.4%
  • 3ヶ月 5.4%
  • 設定来 2.7%

ファンドの状況

  • 純資産総額 23億円
  • 組入数 26社(+3社)

組入上位10社

  1. ツムラ
  2. ロート製薬
  3. 扶桑化学工業
  4. 味の素
  5. 朝日インテック
  6. オムロン
  7. 三井不動産
  8. 信越化学工業
  9. ヤクルト本社
  10. ダイキン工業

今月は新規組入と全売却の発表がありました。

8月初めの急落局面で大型のクォリティグロースである三井不動産、日立製作所、荏原製作所、信越化学工業の4社を組み入れ、エスプールを全売却しています。

新規組み入れについては納得の顔ぶれでしたが、全売却のエスプールで残念なことが起こってしまいました。

月次レポートでは売却理由についてエンゲージメントを継続的に行いたかったが面談を申し込んでも音沙汰がなく、迅速なコミュニケーションが取れない状況に陥ったと説明。この状況で保有を継続するのは受益者に不誠実な対応になるというのがその説明でした。

しかし、その後運用責任者の山本さんのXで下記のようにメールのやり取りの中で認識の違いがあったことが伝えられました。なんと、面談は了承されていたものの、お互いに具体的な日程を出してくるのを待っていたというある意味あるあるなコミュニケーションミスが発生していたのです。

丁寧なエンゲージメントを目指すと再三言っていたなかのアセットとしては痛恨のミスだったと思いますし、初回のレポートでも取り上げられたくらいエスプールには想いがあったと思いますので、それを誤って全売却してしまったというのも痛恨のミスです。

なかのアセットは昨年立ち上がったばかりで社歴が浅いとはいえ、山本さんはファンドマネージャー歴の長い方ですし、今回のことは残念でなりません。

月次レポートそのものは手触り感のある、毎月工夫されて運用に携わっている方の人間性も見えてくる内容で徐々に投資金額も増やしているところでした。

8月後半にはこれまで安く組み入れてきた効果もあり、ついに参考指数よりも運用成績でも上回るようになっていました。徐々に結果も出してきていただけに、このコミュニケーションミスは本当に残念です。

また、週明けに会社としてもリリースすると言っているものの、こんな大事なことを個人のXで伝えてしまったことも残念です。ミスに気づいたので一刻も早く伝えたいという事だったのだと思いますが、同じ伝えるにしてもせめて会社公式Xであって欲しかったです。

【9月9日追記】

なかのアセットマネジメントから公式にリリースが出ました。

月次レポートについてはなかのアセットとエスプールの両者間に認識のズレがあったという事で両者が確認した上でコメントを修正しています。

また、代表取締役社長の中野さんから全売却に至った経緯について説明されていますが、密な対話の実効性に疑念が生じているという報告を受けて全売却を指示、その判断は適切であったと書かれています。

長期投資を標榜する国内外いくつかの運用会社の話を聞いていると、投資先に問題が発生した場合はポジションを縮小しながら時間をかけて最終判断をするというところが多く、その方が受益者としても良いと私は考えていたので、なかのアセットは判断が早いなと悪い意味で感じました。事実関係の確認が結果的に不十分だったにも関わらず全売却に至ったのは残念でなりません。

また、運用部長が個人Xで会社としての公式発表の前に発表してしまったのは内部統制の面からも簡単に見過ごせるものではありません。過去をほじくり返したくは無いですが、セゾン投信を辞めることになった際もマスコミにリーク記事が掲載されたり、情報の管理に対する感覚が甘いんだと思います。

なかのアセットの投資哲学は認めていますし、成功して欲しいと思い、投資もしています。
受益者の一人として今回のことはしっかり反省していただきたいと思います。

 

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