いい投資探検日誌(from 八女)

しあわせをふやす いいお金の使い方を考えています。サステナブル投資家。2017年に新所沢から八女に移住しました。週末は一口馬主を楽しんでます。

ダイヤモンドZai2021年7月号に人新世の「資本論」の斉藤幸平さんの対談記事が掲載されてました

ダイヤモンドZaiを読んでいたら斉藤幸平さんと株式ストラテジスト北野一さんの対談記事が掲載されていました。

斉藤幸平さんは『人新世の『資本論』」を書かれた方で人類の経済活動による地球の破壊は深刻なレベルに至っていて、成長と環境保持の両立は出来ないと論じた方です。私も本を読んでかなり衝撃を受けたのですが、その人がまさか投資雑誌で対談記事が載るなんて思いませんでした。

資本主義が持続可能性を配慮したSDGsやESGについても、そもそも経済成長も両立させようとしているのが夢物語と断じています。

『資本主義システムのもとでは、仮に環境のための効率化や技術革新ができても、「それならもっと増産しよう。もっと買わせよう」となります。』

つまり、環境負荷の増大→技術開発→増産→環境負荷の増大と無限のループが続く。そうしないと成長できませんし、それが資本主義というものです。

確かに技術革新である程度までは環境負荷を押さえ込めそうですが、成長を前提に技術開発が行われるのであれば、そのせっかく生まれた余裕分でまた別の無理がきそうです。欲望には際限がないと言われるだけに厄介です。

自分も成長を前提としたグロース株の投信やインパクト投資だけれども内容は成長を前提としたファンドに投資しています。ESG投資はそんなことに気を配るより儲かるかどうかだけに気を配っていた方がいいに決まっているという論点への反論としてESG投資の方が成長性が高くて儲かるんだという声が増えてきています。年金基金などが投資するためにはそういった裏付けが必要なんでしょうけれども、なんとも言えない気持ち悪さを感じます。儲かるからESG投資だっていうのはESG投資の核心から外れてしまっているような・・・

最適化が進みすぎると他とのバランスが取りにくくなるのかもしれませんね。

自分が根っからの投資家でないからかもしれませんが、鎌倉投信やセキュリテのようにリターンは金銭的なリターンだけでないと言った方がしっくり来ます。

斉藤幸平さんは投資家であるザイ読者へのメッセージとして、「自分のお金がどこへ行くのか関心を持って下さい。」と言われていました。

ただ儲かればいいというだけではなく、これからも自分の投じたお金がどこにいくのか関心を持ち続けていきます。

最後になりますが、投資雑誌で脱成長な話を読めるとは思いませんでした。きっと多くの人はなに言っているんだと思うと思いますが、少しでも刺さる人がいてくれるといいなと思います。