著者の竹川美奈子さんから献本いただきました。ありがとうございます!
遅くなりましたが、読み終わりましたのでレビューします。

税金がタダになる、おトクな 「つみたてNISA」「一般NISA」活用入門
- 作者: 竹川美奈子
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/01/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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これまでも竹川さんによるNISA活用入門が発売されていましたが、2018年1月からの「つみたてNISA」制度開始に伴う改訂版となります。
制度が乱立する「NISA」を理解するためにオススメの一冊
NISAやつみたてNISAの解説本は多数出ていますが、竹川さんのこの本はとにかく制度をわかりやすく解説することに重点が置かれています。読み進めていくと制度が理解できる他、誤解されやすいポイントやよく質問の出るポイントもしっかりと抑えられているので、つみたてNISAやNISAがどういった制度なのかということをしっかりと理解することができると思います。
つみたてNISAの4つのメリット
この本のはじめにでつみたてNISAの4つのメリットとして下記のポイントがあげられています。
- わかりやすさ
- ためながらふやす仕組みとして利用しやすい
- 運用益が非課税になる
- 対象となっている投資信託の手数料が低い
この4つのポイントこそが金融庁が一般家庭の資産形成を後押ししたいという想いで始めたつみたてNISAの特徴です。
せっかくある資産形成を後押しする制度を、有効に活用するためにまずは制度をしっかりと理解しましょう。
制度説明の後はファンド選びと金融機関選び
制度を理解した後は具体的な行動に移る際に必要なファンド選びと金融機関の選び方のポイントが書かれています。こうすればいいという答えを提示するのではなく、あくまでも読者が自分で考えるための素材を提供しています。
このあたり、人によっては答えを教えてほしいという人もいるかもしれませんが、20年という長期にわたって投資を続けるうえで誰かがこう言っていたからというだけでは乗り越えるのが困難な局面がどこかでやってきます。
こうすればいいという本の方が売れそうですが、あえてそうしていないところが竹川さんらしいところだと思います。
投信ブロガーさんのiDeCoとつみたてNISAの活用例としてなるたくさんのポートフォリオが紹介されています。
全体を俯瞰して考えるアセットロケーションの視点が書かれているのは意外に大事なポイントだと思います。資産形成を後押しする制度が複数存在するが故のポイントですね。
「株式投資」とは何かを腹落ちさせた上で長期投資を
おわりにで日経新聞のコラム大機小機で書かれていた次の言葉が紹介されています。
株式投資とは、出資者の列に参加し配当金を受け取るとともに、時間をかけ企業価値向上に見合う資産価値を享受することだ。
投資信託を使って間接的に株式を持つことで意識が薄くなりがちですが、株式投資とはどういうものなのか、そこが腹落ちしているかどうかで長期投資の成功率がぐんと変わると思います。
苦しいときも長期投資を続けるために何を拠り所にするかはいろいろあると思いますが、本質を腹落ちさせることができれば相場が荒れてもゆったりと構えることができるようになると思います。
つみたてNISAは税制優遇制度ではありますが、あくまでも「人」が使いこなしてこその優遇制度だという点は注意が必要です。