月次報告書「ひふみのあゆみ」とひふみアカデミーの内容を元に9月のひふみ投信を振り返ります。
月次リターン
ひふみ投信の9月のリターンは+3.46%でした。参考として配当込TOPIXが+4.34%、Russell/Nomura Mid/Smallが+3.96%でした。解散総選挙により大型バリュー株が物色される流れになり、ポートフォリオ組み替えなどの対応はしていますが、指数には劣後しました。他にも9月という事で配当の要因もあるそうです。
※配当込み株価指数の期間収益率(日本取引所グループ) Russell/Nomura日本株インデックス
純資産流出入額
流入:17営業日(85%) 流出:3営業日(15%)
9月はひふみ投信で37億円、ひふみプラスで282億円と今月も300億円程の資金が流入しました。
ひふみ投信マザーファンドの純資産残高は3,876億円、そのうち、直販のひふみ投信の純資産残高は868億円です。
基準価額・日次リスク
ひふみ投信の日次リスク(250日)は13.11%(前月末13.15)とわずかに減少しました。
株式・現金比率
国内株式比率は89.6%(前月比+4.5%)、米国株の組入比率は3.0%(前月比+0.5%)と株式比率を高めています。
投資銘柄数は9月は17銘柄増えて187銘柄になりました。資金の流入と共に銘柄数も増え続けています。
ポートフォリオの大型株比率を33.9%と1/3以上が大型株になりました。背景にはしばらく大型株に追い風が吹きそうという見込みとそれについていく為の動きとなります。
上位投資銘柄
9月は共立メンテナンス、三菱UFJフィナンシャル・グループ、NTTドコモ、トヨタ自動車、新日鐵住金、ロームの6社が上位で入れ替わりました。大型株相場に対応するため、一気に日本の大企業がポートフォリオの上位に顔を出しています。
ひふみアカデミー
今月のナビゲーターは運用部長の渡邉さんです。
- 解散総選挙により相場は上昇傾向に。アノマリーとして総選挙の7割は株高。
- 総選挙があるという事は投票日まではアメリカが先制攻撃しませんとマーケットは受け止めることが出来る。それによるリスクオンで円安、株高へ。現金比率が高かったので株を買った。
- これまで好調だったのは小型グロース中心のポートフォリオだったため。
選挙を機に大型バリューの相場になる可能性があり、市場平均に付いていくため流動性のある大型株をポートフォリオに組み入れた。(三菱東京UFJフィナンシャル・グループ、NTTドコモ、トヨタ自動車、新日鐵住金など) - 売却時期はわからないが野田さんの解散の時は半年程度続いた。
- 解散によって外国人も日本株の買いに転じている。内需、外需のバリューへの投資を増やした。
- マイナス金利の副作用として銀行間のコール市場が細ってしまった。仲介機能が低下したことにより、今後どこかの銀行が資金不足になっても調達出来ないかもしれない。
- 金融緩和により日銀が隠れ大株主になっている会社がいる。業績並みに株価が上がっているのならいいが、そうでなく株価だけ上がっている会社もある。
- 1960年代に株式投信ブーム崩壊の受け皿として日本共同証券という株式買い上げ機構があり、日銀が1/3の資金を融資していた。10ヶ月の買い上げで株価を維持したが、終了とともに株価は下落した。株式の2.8%を保有しており、全売却には5年2ヶ月を要している。
- ひふみ投信のつみたてNISA受付は11月6日から。
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