どこかで見たことのあるタイトルですが、今年も一億人の投信大賞が発表されました。
このアワードはこんな想いで作られています。
「一億人の投信大賞」は、 「普通の人が普通に長期投資で資産形成をする」ために使えそうな、より良い投信探しから始まりました
イボットソン・アソシエイツ・ジャパンの島田知保さん、LIFE MAP LLCの竹川美奈子さん、パワーソリューションズの高橋忠郎さんの3人が選考委員として普通の人が長期的に資産形成するのに向いているファンドをスクリーニング、その中から優秀なファンドを毎年表彰しています。
セゾン投信社長の中野晴啓さんが書かれた「投資信託はこの9本から選びなさい」は2013年に上梓されていますが、当時の投資信託の本数は3,376本。2011年に上梓した「投資信託はこの8本から選びなさい」の時には2,621本でした。わずか2年で700本も増えたのですが、一億人の投信大賞2016のサイトによると2016年10月末時点で公募株式投信は5,562本もあるそうです。今度は3年で2,000本以上増えてます・・・。
【追記】
中野さんの本に記載の投資信託の本数は投資信託全体の本数ではありませんでした。
中野さんの本は国際分散投資を1本でできるというコンセプトでスクリーニングしているので両手で数えられるくらいまで絞り込まれてますが、一億人の投信大賞ではこんな条件でノミネートファンドをスクリーニングしています。
選考基準(ノミネートファンドの絞込) (一億人の投信大賞)
- 前年10月末時点
- ETFを除外
- SMA・ラップ専用を除外
- DC専用を除外
- 決算回数:年12回、6回、4回を除外
- 基準月末純資産30億円未満を除外
- 運用実績3年未満のものを除外
- 過去36か月のうち資金純減月数13か月以上のものを除外
- その他資産などと、ブルベア型など短期投資向けを除外
- 投資テーマ対象通貨(日本円以外)など限定される「特化型」を除外
この条件を満たすファンドは118本。
さらにここから優秀ファンドを選出しています。
ノミネートファンドの一覧はこちらで確認できるのですが、アクティブファンド、インデックスファンド、バランスファンド、資産配分変動型まで幅広いファンドが選ばれています。パフォーマンスは一切問うていないのになぜか長期投資に向いた真っ当なファンドが残るのが不思議なのですが、今の日本の投資信託はそういうものだという事です。
選考基準のページでは2013〜2016でノミネートされたファンドが一覧で確認できます。
よく、良いアクティブファンドを事前に選ぶ事は難しいと言われますが、ここで選ばれたファンドの中から自分に合ったファンドを選ぶという事であればインデックスファンドを含めてそれほど難しくなく、ひどいファンドに投資してしまう事は回避できるのではないかと思います。
【追記】
ノミネートファンドを一次スクリーニングとして使うのでも有用ではないかというのが記事の趣旨でしたが、わかりにくい部分があったので優秀ファンドについても追記します。
選考基準(優秀ファンドの選定) (一億人の投信大賞)
- アクティブ投信は対ベンチマーク超過リターンが高いもの(各月のベンチマークと比較した勝率)
- パッシブ投信はトラッキング・エラーが小さいもの
- シャープレシオが高いもの
- 資金流出入の標準偏差の小さいもの
- 同点の場合は、アクティブは3年のリターンの高い順、パッシブはトラッキング・エラーが小さい順、アクティブとパッシブはリターンで順序を決める
最終的に優秀ファンドとして選ばれたファンドは投資対象として検討してみる価値のあるファンドです。
しかし、優秀ファンドには惜しくも選ばれなくともノミネートされたファンドまで対象を広げて調べてみてもいいファンドはまだ混ざっていますので、調べてみる範囲をノミネートファンドまで拡げてみたり過去何年間かの結果を調べてみるなどするのもいいと思います。