八女市の里山資源を巡るツアーもいよいよ佳境。八女市中心部の福島へやってきました。最初に向かったのは旧八女郡役所。
こちらの建物はNPO八女空き屋再生スイッチが修理中です。
これまでに外観を修理してきていましたが、今年はいよいよ内装の改修にも着手。来年春にはオープニングイベントも予定されています。生まれ変わった郡役所はビジターセンター的役割を持ちつつ店舗も入居する複合施設になります。
歴史的建造物をうまく活用しながら保存できるといいですね。
郡役所の次は町家の見学という事で高橋さん宅へ。
商家という事で間口が狭く、奥行きのある構造になっています。
街道沿いの商家という事で座敷は目立たないように二階に。階段も狭くひっそりと、更には参勤交代の行列を見下ろす事がないよう街道沿いから奥まった方に座敷がありました。
二階は倉庫的な役割も果たしていて一階から荷物を直接上げられるようになっています。
奥の居間には泰心さん作の立派なテーブルもありました。
蔵を改築した素敵スペースも。
お店じゃないんですが、雰囲気は抜群です!なんとも贅沢。
福島の町並みを見学しながら向かったのは矢部屋許斐本家(このみ園)。こちらが八女茶という名付け親なんだそうです。
お茶屋さん独特の日除け。何に使うかというと・・・
内側が茶葉の拝見場になっています。黒壁で光の乱反射を防いで海外へ輸入する茶葉や農家が持ち込んだ茶葉を「拝見」した場所です。
こちらで八女茶をいただきながらたかっぽさんのお弁当で昼食。お茶って丁寧に淹れると本当に美味しいですね。今度からちゃんと淹れようと心を入れ替えました。
許斐さんからお話を聞いて、こちらでも建物を見学させていただきました。
八女の里山資源を巡るツアーは一旦ここでお開き。
・・・ですが、たまたまこの日偶然、トビムシの竹本吉輝さんと鎌倉投信の新井和宏さん、日本総研の藻谷浩介さんによる「里山対談」が八女市文化会館で開催されるという事でそちらに引き続き参加しました。
福島の町並みを見ながら会場へ向かいます。
昔懐かしい看板があったり、昔の町並みが残っています。埼玉でいうと川越のように面で整備されるともっと魅力的な町になりそうです。
泊まれる町家 川のじ。男女別の相部屋で川の字になって寝ることから付いた名前だそうです。一棟貸しなので1名から8名まで宿泊できます。
ここは泊まってみたいですね〜。
川のじの隣には九州筑後地方のアンテナショップうなぎの寝床があります。
ちょうど八女の里山資本ツアーで見てきた馬場水車場や星野焼 源太窯、泰心工房など、この地域に根付いたものづくりの商品がずらっと揃っています。
八女の中心部、福島に白壁の町家建築が残っていて魅力的なお店もありました。
今回車でぐるっと回りましたが伝統的なものづくりが色々と残っていて、山と里を結ぶ絆がまだ生きていることを感じました。
トビムシは林業を起点に地域再生に取り組む会社ですが、地域が生き残るには様々な産業が生きていることが必要で、それを地域の生態系と呼んでいます。そういう意味では八女は地域の生態系が小さいながらもまだ生きていて、磨いてあげると再び輝きを取り戻す可能性があるんじゃないかと思いました。
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